何か言ってる

さらに適当好き放題

LWA #3

2018-02-27 00:10:36 | LWA
リトルウイッチアカデミアを見ながらちょこちょこ書くやつ(予定)






 午後の授業が無くなって、生徒達はみんなフワフワした雰囲気になっている。
 教室で友達とおしゃべりしている子もいるし、自分の部屋で好きな事をする子もいる。何となくという風に、敷地内の木立や広場をぶらぶらしている子たちもいる。
 私とアッコが座っているこのベンチはジョギングのルートのはずれにあって、あまり人が通らないのでゆっくり過ごせる。この学校での初めての、私のお気に入りの場所だ。
 今日も、きれいな青空が広がっている。
 アッコは私の隣で、小さく口を開けっぱなしにしたまま空を見上げてぼんやりしている。
(アッコ、たぶん…あの時の空を見てるんだろうな)
 私は確信する。
 あの日も──あの日はもっと、なにもかも吸い上げられてしまうような濃い青が広がっていた。
 あの日、ただぽかんと空を見上げていたアッコのことが、すごくうらやましかったのは何故だろう。
「…アッコ」
 名前を呼ばれてようやく、アッコは私が隣に座っていることを思い出したみたい。
「わっ!?…あ、ごごごごゴメン、ロッテ!」
「ううん。アッコ、すごいぼんやりしてたよ」
「ほんとォ?あははは、こないだのレースのこと思い出しちゃってさー。あの逃げちゃったホウキ、すごく嬉しそうだったじゃない」
「え?」
「きっと今日も、すっごく気持ち良く世界中を飛び回ってるんだろうなって思って。あー、うらやましい!」
 ホウキを、うらやましがってるの?
 …なんだか、とてもアッコらしい。
「ねえアッコ。良かったら後で、ホウキの練習しようか?」
「本当~~~!?うん、やるやる!やるよォ!!ありがと、ロッテ!」
 すっかり元通りに目を輝かせて、騒々しくて、落ち着きが無くて、目が離せないいつものアッコに戻ってしまった。
 私はナイトフォールの世界にしばしの別れを告げて、青空のよく似合う友人と校舎への道を歩き始める。






アッコがスグルくんだとすると
ロッテとスーシィはミートとテリーになるの?とかそういうことも考えながら

LWA #2

2018-02-17 11:34:00 | LWA
リトルウイッチアカデミアを見ながらちょこちょこ書くやつ(予定)






「ちょっと用事あるから」
 それだけ言って、スーシィは食堂に向かうアッコ達と別れ部屋に戻る。部屋には今朝完成したばかりの石化薬がそのままになっていて、試したいことはたくさんあるのだ。
 それに。
(あのアッコって日本人、振り回されんの正直めんどい)
 昨日も、今日も、もう散々でしょ。…などと考えながら人寂しい廊下を歩くスーシィ顔はどこか嬉しそうで、それに気付く者はいない。
「?」
 3人部屋の前までやってくると、部屋の中から漏れる微かな光がほんのりと廊下を照らしている。少しばかり眉をひそめるようにしてから、スーシィは構わずドアを開ける。
 ドアの正面。窓際の机には、朝に使ったままの器具。いくつかの試薬。瓶に移し替えた抽出物。貴石化させた昆虫。碧く輝く昆虫をしげしげと眺めているのものが、広くない部屋の中をうっすらと照らしていた。
 人によく似た姿をした奇蹟の蝶。パピリオディア──と、アッコは呼んでいた。
「あんた、はぐれたの?」
 スーシィの言葉が分かるのかどうか。蝶はヒトのように小首を傾げる。
 どうしたものか。貴重な蝶だ。スーシィは束の間考えを巡らせ──アッコの脳天気な顔が浮かんでしまった。
「それ、気に入ったなら持ってきな」
 蝶が、ちらりとスーシィと昆虫を見比べる。
「いいよ、また作るから。…それ持って早くみんなんとこ行きな」
 すると、蝶はニコッと笑顔になる。エメラルドの昆虫を大事そうに抱え上げると窓の隙間から外へ。そこで、くるりと回ってみせる。
「いいから。行きなってば」
 スーシィのつぶやきは聞こえたのかどうか。そして蝶は光の粒子を軌跡に残すようにしながら沈んでしまった夕陽の方向へと飛んでいく。その光の残滓をスーシィはしばらくぼんやりと見送ってから、やがて窓を閉める。
 机に残された空のビーカーに、スーシィはふっと笑い未満の吐息をかけて、
「…部屋、暗くなっちまったね」
 誰にともなく呟いてから、ルームメイトの待つ食堂に向かう。








ところでキン肉マンへの置換が捗る作品ですね