騒がしい音に、外へ出てみると、
鷹匠の人が、トレーニング(?)で舟渡川の鴨、狙わせていた。
逃げる鴨、
仕留め損ねて川辺にとどまる鷹。
その鴨、雄のマガモなんだけど、
普段から八味屋の前の舟渡川で、
一人ぼっちでフラフラしていた「はぐれ鴨」。
どんくさそーなの。
「おめー、とろくせえー」
どんくさ仲間のあたくちが、
冗談半分毒づいて、
心の慰みしてた鴨だったの。
あたくち「あの鴨、ここら辺にいつもいるの。。。」
鷹匠 「2度追って、2度ともダメだった。あの鴨、普段から可愛がってるの?」
あたくち「ううん。違う。」
その後、鷹匠は、鴨が逃げていった川下へと、
後から付いて来ていた車に乗り込んでいった。
鷹の鋭い目を見て、とっさに首を横に振ったこと、後悔した。
「あの鴨、普段から可愛がってるから、標的に使わないで!」って、言えなかった。
鴨、ごめん。。。
お前を仕留め損ねる鷹なんて。
お腹いっぱいで、やる気なかったにちがいない。
そんな鷹に、野生のお前が負けるな。
逃げろ。
逃げ切って!
そしてまた、八味屋の近くの舟渡川に来てよ。
待ってるから。
今度は、もう「とろくせえ」って言わないから。
お願いだから。