サッカー日誌 / 2012年06月01日


町田ゼルビアのクラブ運営


スポーツ政策の「ひずみ」に苦労

J2第16節
町田 0対0 水戸
(5月26日 町田市営陸上競技場)

★東京都の地域クラブ
 東京にJリーグのクラブが3つある。J1のFC東京、J2の東京ヴェルディ、そして今季からJ2にあがったFC町田ゼルビアである。
 FC東京と東京ヴェルディは、東京都全域をホームにしている。あるいは、しようとしている。しかし、町田ゼルビアは違う。
 ゼルビアは、東京都のなかの町田市がホームである。
 町田市は人口40万以上、サッカークラブを十分に維持できる規模だ。地理的には、多摩川の南、神奈川県のほうに突き出ていて独立性が強い。つまり、町田ゼルビアは東京都内の地域クラブである。
 その、町田ゼルビアの試合を見に行った。東京都内の地域クラブが、どういうふうに運営されているのかを見ようと思ったからである。

★借り上げのシャトルバス
 試合の日には、小田急の鶴川駅から競技場までシャトルバスが出ている。
 駅を降りるとゼルビアのボランティアが、バスの切符を売っていた。往復600円である。
 ふつうの乗車券ではない。45ミリ×70ミリの切符の表面にはゼルビアの標章が描かれている。その裏面には日付とともに「運営協力費パスポート」と印刷してある。
 バス会社が営業しているのではなくて、ゼルビアがバスをチャーターして運行しているのだそうだ。だから「運賃」ではなく、チャーター料を出し合う「運営協力費」というわけだ。
 路線バスもあるのだが、1時間に1~3本程度である。また、スタジアムは山の上にあるので、停留所で降りてから10分ほど歩いて登らなくてはならない。
 チャーターバスは、山を登ってスタジアムの傍まで行ってくれる。

★スタンド前に仮設の「メディア棟」
 スタジアムは、日本の地方都市に多い典型的な「国民体育大会仕様」の陸上競技場である。8コースの陸上競技トラックがあり、メーンスタンドとの間には広いスペースがある。
 このユーティリティ・スペースに4階建てのプレハブ(仮設棟)が建っている。奇観である。メーンスタンドのまん前にあるから、約900人収容のメーンスタンドは使えない。2階がメディアセンターと記者会見室、4階が記者席になっている。
 ゼルビアがJリーグに昇格するとき、スタジアムがJリーグの基準に合わないと問題になった。そのため、いろいろな応急手当をした。その一つがこの「メディア棟」である。 不便な場所に、日常のスポーツ活動には使いにくい、また利用頻度の少ない陸上競技場を全国一律に造っている。これは日本のスポーツ政策の「ひずみ」である。町田ゼルビアは、その被害者だと思った。


シャトルバスの切符


仮設のメディア棟




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