BLOG in Atelier.Minami

ゲーム攻略、読書感想文など。

銀英伝人物評1<カール・エドワルド・バイエルライン>

2004年08月05日 10時44分12秒 | 銀英伝人物評
初めて登場するのは要塞対要塞の戦いに援軍に向かうウォルフガング・ミッターマイヤー上級大将の部下として。ミッターマイヤーの幕僚の中で最も若く、また活躍の機会も多く、周囲からはミッターマイヤーの後継者と目されている人物。幕僚の中で最も安定感のありそうなビューローの名が挙がらないのはバイエルラインが、「用兵の鋭敏さと機動性の高さは軍でも傑出している(『エンサイクロペディア』)」と評されるように、ミッターマイヤーの用兵を最も濃く受け継いでいたからだろう。

が、やっぱりヤンやビュコックなどの名将を相手にする戦いではぱっとしないし、実際のところ戦場の活躍ってミッターマイヤーの陰に隠れていまいち。
ただし、後世の歴史家からは「有能で誠実で清廉な軍人」と評されてるので、原作内の活躍はともかく、まぁその後活躍したのかもしれないな・・・。

バイエルラインには意外な一面を示す面白いエピソードがある。
バーミリオンでラインハルトがヤン艦隊と死闘を繰り広げている時、主君の危急を救いに向かわず、同盟の首都ハイネセンを攻撃するようヒルダがミッターマイヤーに進言し、それを受け入れた彼が、誤解(ラインハルトの下から独立)を避けるためにロイエンタールも誘うのは有名な話。このとき、ロイエンタール自身は胸の奥に燻っている野心が僅かに頭をもたげたのだが、バイエルラインはそれを見抜き(そんな簡単に見抜けるのか)、ミッターマイヤーにロイエンタールを誘う危険性を示唆するのだ。ここでミッターマイヤーはバイエルラインに対して「力業だけの男ではないこと」を認識し、彼をして時に異常な嗅覚を示すという評が書かれている(ってことはバイエルラインと同じ危惧をミッターマイヤー自身も抱いていたことをも示しているな)。

結局この時ミッターマイヤーは、自分から誘っておいて、戦闘態勢で迎えるのは不自然という次元を通り越した話になるためバイエルラインの進言を退るが、バイエルラインは自身が率いる艦隊のみに第一級戦闘配置を命じ、結果、合流したロイエンタールに彼の危惧を見透かされた。
ただし、このエピソードはロイエンタールが反旗を翻した際も含め一度も振り返られることはないのが残念・・・。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ハルウララが・・・ | トップ | 銀英伝人物評2<パウル・フォ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2020-06-20 13:14:16
いちばん駄目な属領。
クナップシュタインくらいの知性か、トゥルナイゼンほどの不羈の精神があれば一目置かれるが、器量がない凡将だった。 麾下に置いたミッターマイヤーの不見識を示している。

コメントを投稿

銀英伝人物評」カテゴリの最新記事