目をつぶるとたくさんの雪が舞い降りていて。
ひとつひとつが白く輝いています。
とても純粋な輝き。
しいんとした暗闇に雪がゆっくり舞い降りていきます。
雪の向こうにはあたたかな家の明かり。
わたしは今からそこへ行くのです。
そこを訪れて、笑顔をとり戻すために。
明るい気持ちは以前この胸にありました。
それがいつのまにか冷たい心へと変わっていってしまったのです。
涙を流すときもありました。明るい光に目をそむけようとしたことも。
わたしはそれでも心の中の希望を捨てることはしませんでした。
胸の中には純粋な輝きがまだ種として宿っていて、やがていずれ花を咲かすだろうと。大きな実をつけるだろうと。
暗い心の中にあるともわからないそんな希望を、わたしは抱いてこうして生きてきたのです。
一歩一歩、足どりをかみしめながら。
これがわたしのしあわせの道だと・・。
寒く冷たい道ですが、その向こうにある家の中にはあたたかさが・・。
白い雪がこうしてわたしを誘ってくれている。
ひとつひとつの白い輝きがわたしの希望が確かなものだと勇気づけてくれます。
あのあたたかい家の中には・・と。
たくさんの笑顔。気持ちの通じ合う人たち。
おいしいものを囲んで、いろんな会話が飛び交うのです。
わたしがそうであった姿に戻してくれるやさしさ。
つまずきもしました。たまに痛みから足を止めることも・・。
それでもこの雪のような純粋な輝きが、わたしの胸にも確かにあって、こう呼びかけてくれるのです。
愛は確かなカタチでこの胸の中にありますと。
輝きはこの胸から外の世界へと飛び出していけるようになりますと。
今はまだ卵のような幼い輝きですけれど。それはきっと。いいえかならずこの胸で育って、輝きを世界へと放っていけますと。
それが自然にできる場所へ。わたしはこれから訪れようとしているのです。