ホテルの明かりをサングラスごしに眺めている。来るかもわからないあの人を待ちわびて。
最後に交わした言葉。味気ないさよならという響き。
あの人は振り返りもせず、プールサイドの階段をかけあがっていった。
冷たいまなざし。ホテルの明かりを見つめていた、あの人の横顔。
心地いいギターの音も、すこしけむった水の匂いも。
今のわたしには無機質なものにしか感じなくて。ただ、風に揺らぐテーブルのキャンドルだけがやけに目にはいる。
胸をたぎらすようなささやきは・・。冷めたくちびるの感触。
すべてのものが心の中からこぼれていきそうで・・、体の力がぬけない。
マダム、氷が消えてなくなりそうです。
そばにいた背の高いウェイターにも気づかず、暗がりにとらわれていた。
いいのよ、もう部屋に戻るから。
今夜は雨がきますよ。風邪をひかれないように・・。
ありがとう。
立ち去ろうとするウェイターに声かけて、
明日ここを出る時には雨があがっているかしら?
ウェイターは立ち止まって、プールの方を見つめて。
それはわかりませんが、気分によるものなのかもしれませんよ。
ふふ、そんなこと?
ウェイターははにかみながら、
キャンドルを愛しそうに眺めていらっしゃいました。雨がきても消えないように守ってあげれば・・。
雨はあがる?
えぇ。そして、ここは雨上がりがとても素敵な場所なのですよ。
最後に交わした言葉。味気ないさよならという響き。
あの人は振り返りもせず、プールサイドの階段をかけあがっていった。
冷たいまなざし。ホテルの明かりを見つめていた、あの人の横顔。
心地いいギターの音も、すこしけむった水の匂いも。
今のわたしには無機質なものにしか感じなくて。ただ、風に揺らぐテーブルのキャンドルだけがやけに目にはいる。
胸をたぎらすようなささやきは・・。冷めたくちびるの感触。
すべてのものが心の中からこぼれていきそうで・・、体の力がぬけない。
マダム、氷が消えてなくなりそうです。
そばにいた背の高いウェイターにも気づかず、暗がりにとらわれていた。
いいのよ、もう部屋に戻るから。
今夜は雨がきますよ。風邪をひかれないように・・。
ありがとう。
立ち去ろうとするウェイターに声かけて、
明日ここを出る時には雨があがっているかしら?
ウェイターは立ち止まって、プールの方を見つめて。
それはわかりませんが、気分によるものなのかもしれませんよ。
ふふ、そんなこと?
ウェイターははにかみながら、
キャンドルを愛しそうに眺めていらっしゃいました。雨がきても消えないように守ってあげれば・・。
雨はあがる?
えぇ。そして、ここは雨上がりがとても素敵な場所なのですよ。