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世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

映画『I AM ICHIHASHI 逮捕されるまで』

2013年11月09日 | Weblog
今日初日の「I am ICHIHASHI 逮捕されるまで」を観に行った。



2ヶ月前から楽しみにしていた公開初日である。
新宿ミラノへ。(上映館、上映回数が少ない)


あらすじ
イギリス人女性を殺害し、捜査員の追跡をかわして2007年3月から2年7か月に及ぶ­逃亡生活を送った殺人犯・市橋達也の手記を基に映画化した衝撃の実録ドラマ。
死亡説や­女装潜伏説といった憶測が世間に広まる中、名前や姿を変えながら千葉から青森など日本­中を転々とした市橋の逃亡生活をたどる。
監督を、台湾で活動する日本人俳優のディーン­・フジオカが務め、自ら市橋を熱演。
市橋が3年近くも捕まらずに逃げることができた理­由や、市橋自身が明かした逃亡生活の中身が赤裸々につづられる。




市橋達也の逃亡中に懸賞金が引き上げられたとき、某掲示板では「みんなで市橋を捕まえようぜ」みたいなことで盛り上がっていた。しかし、如何せん、生活能力が低い彼なので生き延びているわけなどないという憶測もなされていた。
市橋達也が逮捕されたとき、「生きていたんだ」とまず思った。そして、どうやって潜伏生活をしたのかが気になった。
大阪駅から新幹線で移送され、東京駅でもみくちゃにされたあの逮捕された日の報道は忘れもしない。
2009年11月10日「市橋容疑者逮捕に思うこと」



あの日からちょうど4年が経過する。


その後出された彼の手記「逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録」も読んだ。
2011年1月29日「逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録 」(市橋達也)

読んだ後、「これ、映画化されるんだろうな」と思った。
それほどインパクトがある逃亡生活だった。オーハ島でのサバイバル生活とか。自分で整形手術とか。


映画では、あの手記を丹念に再現したことを窺えた。


最初の方…緊迫感・疾走感あふれる、警察を振り切るシーンからノックアウト。
絶妙なカメラワーク。


オーハ島へ渡る際、大荷物を背負い、海の中を淡々と渡る市橋達也。
時々うねりを見せる海。それでも彼はオーハ島を目指す。
生きるため…逃げるため。

また手記のとおり、個室トイレで自分で特徴的な唇をハサミで切ったというところもリアルに再現されており…鮮血が流れるシーンでは直視できなかった。剃刀で瞼を切るシーンも…。


本作品は市橋と彼にインタビューするもう一人の市橋によっての対話がなされる。
「あなたはなぜ逃げたいんですか?」
「亡くなった彼女に申し訳ないと思っていないんじゃないですか?」
といった具合に。

ラジオのニュースで自分の名前が流れる度に怯え、行く先々で名前を変える孤独な生活。

次第に精神的に混濁を来す市橋。
巧妙なカメラワークでその精神状態を上手に表現していた。
固唾を飲んでその予兆を見逃さないと釘付けになった。
結局、名古屋での整形手術の際に撮った写真で足が着き、結局彼は逮捕される。



街を歩くとき、色々な人とすれ違う。その中に、市橋みたいな逃亡者がいないとも限らない。
同時に、人が犯罪を犯すのも、ふとしたきっかけが原因で、犯罪を犯さない人と犯す人って実は紙一重なのかなとも思った。
事件を起こす前、たぶん市橋達也は普通の引きこもりだったはずだ。
人の脆弱性を改めて感じた。
また、殺されたイギリス人女性のこの世を去る際の恐怖や苦しみを考えると、「人間ってなんなんだろうな」という普遍的な疑問に行きつく。

色々と考えさせられる映画だった。

2年7か月の逃亡生活を上手にまとめていた。
短すぎも無く長すぎも無く。

監督、そして市橋を演じたディーン­・フジオカ。
物凄く上手かった。見事!秀逸!
指の動き一つ一つも心理を表現していて、思わず息を飲んでしまった。

ずっと予告を見ていたので主題歌はもはや耳にこびりついている。
ちなみにこれもディーン­・フジオカが歌っている。
「My Dimension」、私の好きな歌になった。
孤独、静かな逞しさ、地を這って生きる、そんなことを感じさせてくれる。
リズミカルで心地良い。メロディラインがクセになりそう。
DEAN FUJIOKA 「My Dimension」 Music Video Short ver.



映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』予告編



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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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市橋‥ (ステイサム)
2013-11-10 00:05:46
亮子さまの映画の感想を読ませて頂いて‥TSUTAYAレンタルが待ち遠しい
上映館、東北は宮城だけだったと‥残念ながら劇場では観ることできないです。。
市橋‥私は何故彼に引かれたんだろう、逃亡した時、絶体死なないでと願った、捕まらないでと願った
捕まって移送される映像を、苦しい気持ちで見ていた
‥捕まらずにいたら、彼は今も必死に生きていたと思う、
ちゃらんぽらんに生きてるそこら辺(私も含め)の人間より、懸命に‥
本当は強い市橋なのに‥強さと弱さのバランス崩してしまって‥
彼は今、何を思っているのだろう‥切ないな。。
今、家族が彼を、心の底から愛していると願いたい。。
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Unknown (亮子&吉熊)
2013-11-10 22:29:37
ステイサム殿

2013年私が観た映画で一番秀作でした(飛べ!ダコタも良かったですが)。
無駄がなかったです。
DVDになりましたら是非ご覧くださいませ。

市橋達也、殺されたリンゼイさん、その家族のことを思いますと胸が重くなります。
本作品は市橋が犯した罪を美化することなく、でもその心情をリアルに再現していました。制作するの、難しかっただろうなと思います。
返信する
ふぉぉ~面白いですか (チャック)
2013-11-12 22:03:36
こんばんは。
ご無沙汰しております。

これ面白かったですか~。
チラリと予告編みたいなのを見て、気になっていたんですが。

一人で見ると重いですか?
家族は誰も一緒に見てくれなさそうなので。

SEVEN以来、重たいのは避けているんです(苦笑)
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プチ「重い」かもしれませんが(笑) (亮子&吉熊)
2013-11-13 00:39:15
チャック殿

2013年観た映画でも納得ができる作品の一つだと私は感じました。若干お洒落に作られているなあとは感じましたが、それも含めて一つの世界観を構築しているなと。

1000円で観られますし、個人的には1000円以上の作品でした。

ホリエモンも仰っていましたが、手記がどのように映像化されるのかという期待もあったのですが、手記を読んでいなくても十分に楽しめると思います。
逃亡者の閉塞感がひしひしと伝わってきます。


勿論御一人でもOKかと。
プチ「重い」かもしれませんが(笑)。

たしかR12指定だった気がします。
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