不動産売買取引、住宅ローン専門FPの中野です。
今日のテーマは、民法改正における 敷金の定義について (今後の賃貸借契約に影響)
まず、敷金と保証金については、法律で何も定めがなかった。 (訴訟も多かったといえます)
敷金は、不動産業界の昔からの 慣習で取り扱われており 「敷金」をめぐる紛争は 2015年度(国民生活センターより)
相談件数が年間、14、211件(氷山の・・・かと)
相談内容は、「敷金が返還されない」 「敷金を上回る請求」がもっとも多い内容です。
これは、契約当初に特約等を確認すればいいのですが、知識の非対称性(つまり、知識の差)で泣き寝入りするケースが多い結果だと考えますが
最近の実務では、敷金ゼロで入居者を募集するケースが多いのですが、これは、退去時に問題が起こりえます。
本題に
〇 敷金定義
いかなる名義をもってするかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保
する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。 (改正案要綱より)
つまり、借りてが家賃不払いになると、敷金から不払い家賃を差し引くという 債務不履行の問題
〇 原状回復の定め
退去時に、原状回復という目的で敷金から差し引かれるケースが多かった。この原状回復が曖昧
「ハウスクリーング費用、畳表替え、壁紙の張替等」で足りない分は追加請求されるケースもありました。
ガイドラインはあったのですが、法的拘束力がなかったことも紛争の原因
改正でどう変わるか? 以下
「借主が部屋を適法に引き渡したとき、貸主(大家さん)は敷金を返還しなければならない」と法律で明文化されます。
また、通常の損耗も貸主(大家さん)が負担とされます。
そして、曖昧だった、「原状回復費用の負担割合」についても、法律で規定されます。
より、借主にとって保護される形ですが、貸主(大家さん)としては、賃貸経営に影響がでてきます。原状回復の費用負担をどうするかなど
賃貸経営者としては、この費用負担対策等、今後重要な課題かと思います。
今後も法改正の状況は適宜、このブログでご紹介したいと思います。
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公認不動産コンサルティングマスター FP 相続診断士 代表 中野