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韓国vs日本【親善試合】

2010年10月13日 | 日本代表(ザックJAPAN)
■ 親善試合
   韓国(0-0)日本


この試合の詳細は、ブログランキングにてサポーターの方のエントリーをご覧下さい。


■ 非常に収穫の多い、アウェイでの日韓戦

◆ 試合雑感
日本は負傷者などの問題もあり、さらに、ザッケローニ監督が選手を試したかったのだろう、そんな感じが見え隠れするスターティング・メンバー。
フォーメーションは日本はアルゼンチン戦と同じ[4-2-3-1]。
前田
香川、本田、松井
遠藤、長谷部
長友、栗原、今野、駒野
西川

しかし、前半15分くらいに韓国選手とのヘディングの競り合いで駒野が負傷交代し内田が投入。(腕が香港の方に向いていたね)(-人-)

◆ 韓国化
韓国は、変則的な[3-4-3]。実質[4-1-4-1]的な感じにも。
最初に言及しておけば、過去の韓国代表に比べて脅威が感じられなかった。
韓国の強さと言えば、「フィジカルとサイドの縦へのスピード、そして無尽蔵のスタミナ」ってのが、私なりの歴代韓国代表のイメージ。
監督が変わったからなのか、ヒディンク以降どうもこじんまりした印象を抱いている。もっとアグレッシブだったアジアの虎の方が脅威を感じていたけどなぁ。今だとサーカスの虎だよね。

「韓国化」という意味では、ベースとなる韓国の良い部分が薄れて行っているような気はする。まぁ他国の世話はこれくらいで、肝心のザックJAPAN。

◆ ディフェンス
まずは、恒例の守備面について
立ち上がり15分くらいまでは、アウェイということもあり、韓国の圧力に押されてボールが落ち着かなかったと思う。来年行われるコッパ・アメリカでは、対戦相手次第では、間違いなく失点をしてしまうであろう。

ところが、チームがリズムを取り戻すと、その後は、試合のアドバンテージを握っていたのはほとんどが日本だった。過去の日本代表でもアウェイの韓国でこれだけ落ち着いてプレー出来たチームはなかったと思う。やはり、この辺は、南アフリカW杯での経験がチームの中に継承されていると感じざるを得ない。あのグループリーグの列強相手に決勝トーナメントに進出した自信はチームの中にまだ生き続けていると思う。はやり、サッカーに限らずだが、「勝利して得られることの方が敗北よりも得られることが大きい」そう感じた。
そういう意味では、この試合もアウェイで勝利を収めたかったのだが…

ちなみに、守備面についてもう少し。
ザックJAPANは、岡田JAPANに比べると組織的なサッカーをしている。(効率性はまだまだだが。)基本的にはDFラインと中盤をコンパクトにしたゾーンディフェンス(ゾーンプレス)。サイドへ追いやって守る守備などは、ゾーンディフェンスの基本的な概念からすれば、特に真新しいことをしているわけではない。
ザッケローニ監督がしきりに手でジェスチャーをして「コンパクトに!」という指示を出しているのも、今後ザックJAPANの守備の基本形は、コンパクトなゾーンディフェンスになるのだろう。その際の、ディフェンス・ライン前後の高低差ってのは相手次第、はたまた試合の状況次第で変わる。また、ボールサイドと反対のサイドも横に対してコンパクトにする所も見え隠れしている。
とりあえず、現状では「日本がボールを奪えない」時は、このゾーンがコンパクトになっているかどうかを見れば良いと思う。

◆ オフェンス
次にオフェンス面について。
前回のアルゼンチン戦後の記事で「速攻感が強すぎの焦り過ぎの色が見えていた。」と書いたが、この試合では、遅攻と速攻のバランスが良かった。そういう意味では、ザッケローニ監督の手腕、選手たちの吸収・体現力は高いのかもしれない。ただ、アジアカップでは、グループリーグでは相手チームは引いてゴール前を固める戦術を取ると思う。あるいは、本田、遠藤辺りへのプレッシャーは相当きついものになると思う。その中で重要になるのが、SHとSBの縦への連動性と運動量になると思う。
それと、高さ…攻守のセットプレー時などの高さ(制空権)が今のチームには欠けている。この辺も今後はザッケローニ監督が着手するんじゃないかな?と思っている。

■ たまには、きちんとした選手評

一方で個々の選手の問題も見えた試合だった。非常に内容が良かったので、あえて厳しめに選手評を…(笑)

GK 西川
今日の試合の内容を見る限り、A代表の正GKを任せるにはほど遠い。せいぜい第3GK。
まず、前半38分くらいに韓国のFKの際に飛び出そうとしたシーンは目測を誤っている。韓国の選手が競り勝ってヘディングしたボールはゴールの枠を外したからよかったが、失点してもおかしくないシーンだった。
同じようなシーンが後半にもあり、たしかCKからのボールを飛び出すもののパンチング出来なかった。この辺の一瞬の判断のミス・プレーの精度は、今後大きな代償を払うことになり兼ねない。また、前線へのフィードキックの精度が低い。ここは結構現代サッカーにおいては致命的。GKのレベルが高いイタリアのコーチ陣はこういうプレーをどう考えるだろうか…

DF 駒野
負傷により交代した為、評価なし。

DF 内田
この試合ではあまり縦への突破からクロスという形を見せられなかった。やはり内田の武器は攻撃力だと思うので、クラブで頑張ってもう少し成長して欲しいかな?あと、サイドで相手の楔のボールへプレスに行ったものの、裏を取られてカウンターになったシーンがあった。個人的には一番嫌いな形。この試合、スタメンじゃなかったのもザッケローニが駒野を試したいという側面もあったろうけど、何か内田のコンディション等に問題を見出していたのかもしれない…。

DF 今野
前回の記事でFC東京でもCBをやっているらしい。(Jリーグはてんで見てないのですいません。優しく教えて下さい。)う~ん、悪くなかったけど、1度嫌な飛び出し方(ラインを捨てて前へプレス)をしているし、サイドで封じ切れずファウルってシーンもあったりと、どうも純正なCBって感じがしないんですよね…。個人的にCBに限らずDFってのはGKと同じくらい経験がモノを言うポジションだと思うんですよ。マーキングもそうだし、前へ飛び出して潰したり、カバーリングだったり、セットプレーの応対など…以前にもこの記事での結論はDFは経験みたいな締めをしていましたっけ。どうですか?ガチのFC東京のサポーターの方々?今野のCBについて客観的な意見を教えて下さい。

DF 栗原
この試合は、前回に比べて安定をしていた。この試合を見る限り、経験を積ませれば一番伸びる選手かな?と。まだまだ、闘莉王、中澤には及ばないけど、スタンディングの状態からのヘディングの強さは魅力。どのようなタイプのCBを目指すか!?を本人が明確にして今度Jリーグ、代表と貪欲に取り組めばいいCBになるような予感。あとはもっと闘志を前に出してもいいかな…。それと体幹を鍛えましょう。

DF 長友
経験ってのは、人を成長させるという好例。イタリアでプレーすることによりプレーに自信がみなぎる。抜かれてもカバーするスピードもあるし、クロスを上げさせない所だったりは、この数か月の経験が生きていると思う。ただ、やっぱり抜かせないスキル・判断力ってのは必要な訳で、この辺は真摯に取り組んでいれば、セリエAでプレーする限りは伸びると思う。
あとは、攻撃時のクロスの両足での精度を上げる。そして、攻撃時の判断の速さをもっと上げると、チェゼーナ以外のクラブ、セリエA以外でもプレー出来るだろうし、長年海外でプレーできると思うと思う。個人的には、ロベルト・カルロスみたいになって欲しいかなぁ。(ちなみに、ロベカルの化け物みたいなキック力はあれは、天賦の才能みたいなものですので無理でしょう)

MF 長谷部
正直、この試合の出来は悪かった。コンディションの問題なのか、考え過ぎなのか…。後半になるにつれてプレーは良くなっていったが、それでもベストの半分くらいのプレーしか出せてないように見えた。意外と長谷部を好評価している人は多いんだよなぁ~。個人的には、もっと攻撃に参加して欲しいかな?「ヤットさん、あとは任せる」みたいな気概でぐぁ~と前へいっちゃってもOKだと思うけどね(笑)
やはりキャプテンであるわけで、もっともっと成長出来ると思うので、ちょっと辛めの評価にしておきます。

MF 遠藤(代表100キャップ、おめでとう!)
この試合、日本が苦戦した理由の一つに遠藤への韓国のプレッシャーの高さがあった。ボランチの位置で色々と動いてボールを引き出そう、ボールを回そうとしているが、それでも試合全体を通して見れば、さすが韓国という感じで遠藤の良さを封じていたと思う。実は、今後、遠藤、中村憲剛辺りが、ザックJAPANのボールのコントロール源となると思う。ちょっと乱暴な言い方をすれば、ACミランのピルロをイメージすればよい。中村俊輔を右SHに置いたオシム・岡田JAPANのような形(起点)がなくなった。そして、ザッケローニ監督は、中村俊輔に与えたような起点の作り方をやらないような気がしている。
実はこの中村俊輔の存在については、これはオシム・岡田JAPANのころの問題として挙げることも多かったと思う。いわゆる「右SHの蓋」がなくなり、この試合で言えば、松井が縦への攻撃(相手SBの裏など)へのタスクを担っていた。ちなみに、ザックJAPANでは、両サイドの縦のユニット(SHとSB)が重要になってくると思う。この試合で言えば、「松井と内田」、「香川と長友」みたいな関係ね。

MF 松井
遠藤の項で書いたので書くことが減ったが、今後の松井はもう一つステップアップをしなければ、ブラジルW杯のメンバーには残らないと思う。松井の特徴である個人技とドリブルの使い分けにプラス安定感が求められる。勿論、もっとシュート(ゴール)も必要である。これまでのテクニックやドリブルという表向きの内容だけではなく、もっとベテランらしい上手さとプレーの重さが必要になってくる。正直、個人的には好きなタイプの選手ではあるが、90分間という試合の枠でみれば、チームの主軸となるスタメンに名を連ねるには厳しいと思うプレー、運動があると思う。

MF 本田
この日の本田は、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍だった。何よりもボールのキープ力が尋常ではない。ジダン並って言うのは言い過ぎだが(笑)
全盛期の中田英寿を追い越すのは時間の問題だと思う。そして、相変わらずのシュートへの意識も良い。この辺は、まだなんとも言えないことだが、この試合で、前のボールの起点・タメは、本田が作った。本来ならば、1トップのFWが起点・タメを作った方が、相手ゴールに近く、後方から上がってくる選手は前向きにプレーできる。この問題は、今後の課題なんだろう…

本田のプレーはチームに常に「ゴールを狙う」という思い出させてくれる。最後のシュートシーンに関しては、賛否分かれるかもしれないが、個人的にはあれはOKだと思っている。今後は、右足のシュートと相手陣内のバイタルエリアでのボール・ロストを減らして行くことだろうと思う。

これだけチームに対して影響力を及ぼすようになると、今後、何かの事情で本田が不在となった時のチーム力の低下が心配になる。
韓国は「パク・チソンがいたら…」なんて思っているだろうが、そもそも一人の選手がいなくなっただけでチーム力が落ちるチームは本当に強いチームだと私は思わない。本田が不在時の問題が今後いつか直面するだろう…。まぁこの辺は監督の手腕、チーム作りにも注目になると思う。

MF 香川
前を向いて、バイタルエリアに突入した場合は、同年代の中でもかなり良いものを持っている。本田同様、ゴールへの意識も高い。ところが、自分が得意なエリアから追い出されると急に輝きを失う。
実は、この辺はボールがない時のオフ・ザ・ボールの動きであったり、ポジショニングに難があるからだと思う。ただ、個人的には、今は(今シーズンは)その辺の細かいことを考えないで、クラブでゴールという結果をドンドン出してくれたら良いと思う。時々書いているが、欧州リーグで日本人がプレーするということは、その国のリーグ、チームにおいて外国人の傭兵に過ぎない。つまり、評価されるのは結果なのである。そういう意味では、現在の香川はブンデスリーガで結果を出している。あまり代表のことは考えずに成長していって欲しい。

FW 前田
正直、同じくらいの体格の本田と比べると体幹が弱く軽い。ポストプレーで非凡なスキルを2~3プレーで見せていたが、1トップのFWを張るならば、前田のポジションでキープして欲しいが、実際には本田の所でタメが出来ていた。正直、彼の磐田でのプレースタイルがどんなのかは分からないが、この試合を見る限り、西川、内田、前田、細貝の私の評価は厳しいと言わざるを得ない。

MF 細貝
後半、韓国が圧力をかけて苦戦している日本の中盤に、ザッケローニ監督は安定させようと起用したであろう…しかし、全くもって効果的ではなかった。正直、A代表の中盤の底を担うにはまだまだのような気がする。もしかしたら、プレーの特性との問題かもしれないが…。カバーリングの上手さはあると思う。そういう意味では、ボランチで起用した場合の今野と近いタイプなのかな?他にもJリーグで良い選手がいませんかね?

MF 金崎
評価なし。…というか、出ていた?ってくらい存在感ナッシング。この辺くらいの若手ならば、アジアの第3、4勢力くらいとのA代表の試合で経験を積ませてみるのがいいのかもなぁ。

MF 中村憲剛
評価なし。とりあえず、プレーヤーの特性としては良いものを持っているが、オシム・岡田JAPAN時代も、スタメン11人『「プラス交代3人」の枠』って位置づけだったと思う。なんだろうなぁ~。良い選手だと思うんだけど、何かが足りない。でも悪い印象は全くない選手。う~ん…。

後日、ザッケローニ監督についてやその他コアな内容などを書きたいと思います。

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5 コメント

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まるでフジTVみたい (ピノコ)
2010-10-13 22:48:21
記事タイトルがなぜ、韓国VS日本 なの?

日本人ならアウェーでも 日本VS対戦国名 だし

日本(0-0)韓国 って表記しますよね。
返信する
コメントのお返事 (コージ)
2010-10-13 23:22:17
ピノコさん

表記ですか…これが正表記だからです。
W杯など何かの大会時は便宜上日本を前にしたこともあるけど、基本的にアウェイの試合は日本を後ろ側に記載することで自分なりに分かり易くしているのです。


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どうもです (doroguba)
2010-10-14 00:51:29
どうもです。ケータイから失礼します。サイドの縦の関係は同意です。あとは今後のFWの人選に注目なんですかね。ちなみに、私どうしてもチェルシーとかリバプールとかと今の日本代表を比較しちゃうんですが、その目線で合っているのか不安だったりします。セリエAの中堅あたりと比較したほうがいいのかなって。まぁ、そのためにセリエA見るのは個人的に辛いし、正直プレミアリーグ観るので精一杯なので、チェルシー視線を貫き通すのが私には合っているんでしょうけど。関係ないこと書いて失礼しました。



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コメントのお返事 (コージ)
2010-10-14 21:51:34
dorogubaさん

こっちでは、お久しぶりです。
そうですねFWに関しては友人ともちょっと話していて1トップ系であれば、それこそドログバ、ニステルローイみたいなタイプが欲しいかなぁと。この辺は一つのポイントのような気がしています。
サイドの使い方って、要は俊輔不要論の答えが今回のようなスタイルなんでしょうけど、もっとウイング的な縦の深さは欲しいかなぁ~と。

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日本化への期待 (cska352)
2010-11-21 23:52:08
規律にうるさい監督は日本に向いてますね。
トルシェより大人で無理をしないのも合ってるとおもいます。

詰めは甘かったけど一対一ベースで守る韓国と比較して両国が違う道(スタイル)を進んで対等に渡り合っていることを興味深く感じました。
昔のようにしゃにむに向かっては来ない親善試合そして格上の余裕(驕りまではいかない)を韓国に感じました。

本田と松井がロシアリーグに来て守備が向上したんじゃないかと感じました。意識もスキルも。
マンマークは誰かがサボると穴になる。そんな規律とフィジカル重視のロシアリーグで本田はたくましく成長しています。

ドリブルで相手DFを数人ひきつけてフリーの見方にアシストするというプレースタイルは露西亜のチャンスメイカーが良くやるプレイ。バスケなんかでも東欧のチームは多用しますよ。
味方が走れば迷わず使い、逆に自分が走ってフリーならシュートでダメならマークを集めてアシスト。
彼のスタイルが見えてきました。
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