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遠藤・不要論

2013年09月08日 | 日本代表(ザックJAPAN)
■ 新戦力と旧戦力の統合

◆ ある違和感
グアテマラ戦、東アジアカップからの「昇格組」とコンフェデを経験した「ベテラン組」との融合が一つのテーマだった。しかし、試合を見ていてある違和感を覚えたポジションがあった。それはボランチである。いつもの「遠藤-長谷部」というコンビである。

長谷部は試合勘を考慮して90分間の起用だった。ヴォルフスブルクからニュルンベルクへと移籍が決定し何かが吹っ切れたのか、どことなく気持ち良くプレーをしている様子が感じられ、前線への走り込みなど好印象だった。

いつものように中盤の底でボールを散らしチームのリズムを形成していた遠藤は、ポジショニングやボール回しのリズムなど、他の追随を許さない選手であるのは間違いないが、どことなく存在感がなかった。何よりも長谷部に感じた気持ちよくプレーする様子が遠藤からは感じられなかった。

遠藤も来年には34歳になる。このチームの中では一番のベテランである。正直、ここ最近はプレーの質が以前に比べて低下しているように感じる。先日のウルグアイ戦での1失点目は、ゴールを決めたフォルランの(スローイン時の)マーカーは遠藤だった。ポジショニングを誤り(多分、オフサイドとセルフジャッジをして)追うことも出来なかった。吉田ばかりがやり玉に挙がっていたが、実は遠藤のプレーにも問題があった。

◆ 柿谷がもたらす功罪
コンフェデではっきりしたようにW杯ベスト16以上レベルの相手になるとある程度相手に押し込まれる試合展開になる。その中で有効なのがカウンターである。現在、前田、ハーフナーに変わって、柿谷、大迫、豊田というフレッシュなFWが虎視眈々とポジションを狙っている状況で個人的には柿谷のテクニックと電光石火のスピードに魅力的を感じている。もし柿谷がこのまま代表に定着し周囲を納得させるような結果を出せば、コンフェデでの守備から攻撃への課題が解消されることとなる。

その一方、前田のような前線からの守備力は期待出来なくなる。さらに、2列目の「香川-本田-岡崎」というメンバーを見ると、岡崎以外は守備面での期待は出来ない。もし柿谷がこのまま1トップと起用されるとしたら、後方の守備の強化は今まで以上に重要になってくる。例えば、グアテマラ戦、長友のオーバーラップが積極的で効果的だった。その空けたスペースを埋めるのは、左ボランチの遠藤か左CBの今野(グアテマラ戦では、吉田)である。はたして強豪相手にこれまで通り遠藤で大丈夫なのだろうか。ただでさえ、攻撃的ポゼッション志向の強いザックジャパンである。中盤の底で前後左右にダイナモの動きが出来る選手が必要な気がしてならない。

◆ 影響力の低下
もう一つ、これだけ2列目より前にタレントが揃った状況だと、中盤の底からゲームを作るということが必要じゃなくなってきているような気もする。例えば、グアテマラ戦でも「長友-香川」の縦のユニットは、遠藤を経由せずにクロスまで行ったケースもあった。(前半も清武、香川、大迫で形を作れていた)
また、香川にボールが入ると柿谷、本田とのコンビネーションで崩すことが出来た。それに長谷部が後方からオーバーラップして絡むケースもあった。以前ほど中盤の底でボールを散らしチームのリズムを形成するようなプレーが、今のザックジャパンにとって必要じゃなくなっているような気がする。つまり、存在感=影響力の低下を遠藤に感じている。

そもそも、イングランド、ドイツ、イタリアなどの1部リーグでプレーする選手がこれだけ揃った現状を考えれば、彼らが自分たちで考え状況判断をして試合のリズムなどを作れるような気がする。歴代日本代表の特徴でもあった中盤の司令塔的ゲームメイカーを置くスタイルからの脱却、変化の時期に来ているような気がする。

勿論、遠藤が前掛かりになった際のゴールへ直結するパスセンスはまだ健在で有効な武器ではあるが、「攻守のバランス」、特に「守備面」を考慮すると、キャプテンでもあり運動量のある長谷部をメインにして、他のフレッシュなボランチとの組み合わせをもっと積極的に試してもいいような気がしてならない。

◆ ボランチはアンタッチャブルなのか?
問題はザッケローニ監督である。
昨シーズン、ヴォルフスブルクで出場機会に恵まれなかった長谷部を招集し起用していることからザッケローニ監督は「遠藤-長谷部」というボランチに絶大の信頼をおいていることが分かる。これまでバックアッパーとして期待された、中村憲剛、細貝はコンフェデ後、招集されなくなり、そして高橋秀人も今回のメンバーには招集されなかった。代わりに、山口、青山の二人が招集されリニューアルしようとしているのか、いまだにテスト段階なのかは分からないが、とにかく、ボランチの「融合」ももっと積極的に推し進めるべきではないかと思う。

個人的には、年齢的な面も含め遠藤がブラジルW杯3試合、そして決勝トーナメントも考慮した場合に全試合に出場させるにはリスクが高い気がしている。それなら「ボール狩り」に秀でた山口蛍をこれまで以上に積極的に起用するべきだと思う。先を見据えた起用ということであれば、次のガーナ戦で思い切って「山口-長谷部」という組み合わせを試してみるのも手だと思う。つまり、 新戦力と旧戦力の統合を推し進めるならばボランチにも着手し、それもなるべく早めにすべきだと思う。

グアテマラ戦後、このボランチの問題について書いている人がいなかったので書いてみた。別に長谷部を持ち上げて遠藤を叩いている訳ではない。現実的な問題として、ボランチの守備力アップは吉田のミスよりももっと重要なポイントだと思う。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
昨年から同じ事を思い始めました。 (シャルツ1993)
2013-09-10 15:07:39
遠藤選手が、低調なプレーをし始めたのは昨年から。そして今年のコンフェデ、ブラジルのボランチのプレーぶりを見て、確信しました。
ブラジルW杯、遠藤に頼るのなら、アンカーを置かなければならない。でなければ、長谷部を引き気味にして4-1-4-1のフォーメーションにする。ですが、
本当は、別のボランチするが正解だと思います。大柄でよく走り攻撃力があり、自陣ペナから敵陣ペナまでカバーするボランチが日本にも必要です。しかし、今日本にそのような選手はいません。ザック監督は同答えを出すでしょうか。
コメントのお返事 (コージ)
2013-09-11 22:21:40
シャルツ1993さん

こんばんは、はじめまして。
このボランチの問題、ザックは最後の最後まで着手しないつもりでしょうかね。怪我などで長期離脱になれば、否応がなしに対応せざるを得ないと思いますが、実は、ここの部分をザックは黙殺しているような気がしてならないです。一抹の大きな不安ですね。
わたしは、ドラスティックに、いらん!エンド (はぶ)
2013-12-23 01:13:05
いや、わたしはサッカー素人なのですが~

はたでみてても、遠藤くんがボールを持ったときに相手がプレスをかけると~
シンパイでハラハラ(◎-◎;)します

実際、彼のところでピンチを招くシーンを度々みますし(ファールをとってもらって助かるとかはあるけど
かれが相手を止めてボール奪取!なんてシーンは、全く記憶にありません

スピードもパワーも、ない……
アジアと違い、世界は自由にボールを持たせてくれないんでしょう?
彼の自慢のパスにしても、得点に直結するような怖さがないのでは?

てか、柿谷にパス送らんかい!
どんだけ、有能なFWを潰してきたんだ?
蛍くんやキヨタケくんが入ったら、前線が活きてきたような気がするでしょう?

ブラジルW杯……
遠藤くん、ベンチ外
闘莉王、召集

これをやらなきゃ、一次リーグ敗退だと
勝手に個人的に思ってます
(遠藤選手のファンの方、ごめんなさい
コメントのお返事 (コージ)
2013-12-28 01:24:29
はぶさん

こんばんは、はじめまして。お返事遅くなりすいません。
全然、素人でもなんでもサッカー好きで見て、意見やら感想がある人なら良いと思っているので!

実は、この遠藤不要論は、私の友人が去年くらいかな?遠藤、以前に比べて衰えてないか?というのがきっかけでした。

ただ、11月の欧州遠征で途中投入した手法。
あれは、逆に、かなりの攻撃的な意味で、日本の武器になると思いました。

要は、相対的な問題で、日本がW杯で対戦するチームの攻撃力と守備力のパワーバランスみたいなもので、ボランチの守備力アップが欲しいと思った次第です。

山口は、かなり有効なカードとなる予感はあります。

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