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第2回 ポリバレントとスペシャリスト / アジアカップのテーマ

2007年07月06日 | アジアカップ2007
■ ポリバレント

◆ ポリバレントの真意は!?
第1期オシムJAPANの集大成となるアジアカップに向けて、これまで1年間のオシムJAPANの「テーマ(内容)」に関して、大会前に事前にチェックすべきポイントを上げおこうというこの企画、前回は『考えて走るサッカー』でしたが、今回は、第2回『ポリバレントとスペシャリスト』です。

まず、個人的には、ポリバレント性よりもスペシャリスト性の方が重要だと思っています。多分、オシム監督も同様だと思います。

オシム監督が就任当初「日本のサッカーを日本化」するという発言をしましたが、この発言の裏側には、「日本には世界と互角に戦えるだけのスペシャリストの不在」という根本的な問題があることに対しての裏返しなのかもしれないと最近は思っています。

例えば、オシム監督がブラジル代表の監督に就任した場合は、これほどポリバレント性のある選手を多く招集するとは思えません。日本の選手の中にスペシャリストが少ないことによる反動としてこれだけのポリバレントな選手が多くなってしまったという、一つの見かたも出来ると思います。

◆ ポリバレントは、リスクマネージメント
では次に「ポリバレントな選手」というのは、アジアカップのような一つの大会を戦い抜く中で起こり得る問題の対応策という見かたもあると思います。例えば、選手のコンディションの問題(怪我など)や累積警告などです。

今回もベトナムに行く直前合宿で播戸(G大阪)が怪我により離脱しました。その交代要員として、伊野波が選出されました。伊野波は直前合宿で一緒に練習をしていましたので、ドイツW杯の時の茂庭のように突然呼ばれた感はないと思います。

こういう部分を考えても、オシム監督のリスクマネージメントは、前任者に比べるとかなりしっかりしています。この二人の危機管理能力の違いは、山崎まさよしの曲セロリではないですけど「育った環境が違うから~♪」に起因しているのでしょうか?(笑)

■ ポリバレントの実効性

◆ 3バック←→4バック
続いて、これまでの試合でも実証されていますが、試合におけるポリバレント性についてです。これに関しては、すでに昨年書いた記事ですが、ジーコ前監督の黄金の中盤とオシム監督のポリバレント - オシム・コードの解明 2 この中で、ポリバレントの実効性について書いていました。(手前味噌で申し訳ないですが)
勘の良い方であれば、すでにお気づきかと思いますが、ジーコJAPANの時の「3バック→4バック」の際には、そもそも「4バック→3バック」という、逆に戻すことが不可能でした。(やろうと思えばやれただろうが、そういう方法論はジーコ前監督の中にはなかったと思われる)福西ではなく中田浩二であれば、ポリバレント的に出来たんでしょうけどね。

しかし、オシム監督の場合は、「4バック→3バック」「3バック→4バック」の切り替えが簡単に出来ます。つまり、守備的中盤の阿部・鈴木のポリバレントな選手のどっちかがいれば、「3バックor4バック」の切り替えは、容易に出来るというわけです。

基本的にポリバレントの実効性に関しては、このようなシステム的な部分での効果があります。つまり、3名の選手交代のカードを有効に使え幅を持たす事が出来るということです。

◆ジーコJAPAN「3バック→4バックへのシフト」◆オシムJAPAN「3バック→4バックへのシフト」
余談ですが、今回、上記図解をリンク先図解から新しく作ろうと思ったのです。出来ることならば、今回のアジアカップメンバーで作ろうとね。
で、ふと思ったのですが、「4→3」と切り替えた際にあまり形が良くないメンバー構成もありますね。例えば、コロンビア戦の前後半共に、3バックにした時に左SHが困ります。まぁ、よく考えれば出来ない事もないんですけどなんか違う。
コロンビア戦は1トップだったこともあるので、途中で「遠藤→巻」として2トップの形にしましたが、そうなると分かり易いんですけど。
まぁこの辺は、結構どうでもいい話でした。


◆ 守備面でのポリバレント
オシムJAPANのDF陣は相手のFWの枚数によって自分達のDFの枚数を変更します。
 「2トップならば3バック」、「1トップならば4バック(2CB)」
ところが、先日行われたキリンカップのコロンビア戦では、コロンビアの2トップに対して最後まで4バック(CBは中澤、阿部)で戦いました。この時、相手のFWの枚数によりDFの枚数を変更するのは止めたのかな?と思っていましたが・・・そうではないみたいです。あくまでも選手が考えて判断するみたいですね。

私としては3バックでも4バックでもどっちでもDF陣が守り易く、そして失点しない確率が高い方が適当だと思います。極端な話、試合中にポジションを変えたことにより、自分達が混乱に陥らなければそれで良いとだけ思っています(笑)

■ 中村俊輔のFKは、日本のストロングポイント

◆ FKを得る為に・・・
最後にスペシャリストですが、今回の日本代表には、世界に通用するFKのスペシャリスト中村俊輔がいます。ドイツW杯のオーストラリア戦でも、ラッキーな感じはありましたが、中村俊輔のFKが先制点のきっかけとなりました。

アジアカップのような一つの大会を勝ち上がる為には、FKなどのセットプレーは非常に重要となります。ある種、これは日本のストロングポイントだと思うのです。そして、その中村俊輔の飛び道具を使わない手はありません。(実際にペルーとの親善試合では2ゴールを演出しましたしね)

日本は、この中村俊輔のFKで効率良く得点を挙げる事が出来れば、チームとして幅が広がったと言えると思います。翻って考えれば、いかにして中村俊輔のFKが得点に直結するようなエリアでファウルを得る事が出来るか?って考えても良いと思います。では、その為にどうすれば良いでしょうか?

アジアカップという舞台でこのポリバレントが、どれだけスムーズに機能するか?
そして、中村俊輔に限らずオシムJAPANのスペシャリストがどれだけ太刀打ち出来るか?
必ず、どこかのタイミングでこれらの事に直面することがあるはずです。その時に、これまでの1年間の成果が試されるわけですが・・・そして見る側もこの辺の「内容」についてチェックすれば、漠然と応援して勝った負けたという「結果」についてもだけの評価にならないと思う次第です。

最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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 ■ 第1回 アンケート結果 / アジアカップの結果による オシム監督の去就を考える

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
3バック←→4バック (doroguba)
2007-07-07 00:59:13
どうもです。「3バック←→4バック」に関してですが、結局は何のためにそれを行うかが一番重要だと思います。たとえばモウリーニョは攻撃的な布陣にするために「人を投入」して3バックにして「人を動かして(ポリバレント=エシエン)」バランスを取る場合が多々あります。アジア大会でオシムがそういう積極策を取れるのか注目したいです。
返信する
4-3-3な5-3-2 (CSKA352)
2007-07-07 01:38:17
守備的だったモンテネグロ戦が参考になるかも知れません。
LBを阿部(本番は今野でよい)にして、山岸(佐藤)が左のウィングになったりWFになったりすることで3バックにも4バックにもなります。

アジア相手にはラインコントロール(アプローチ&カバー)のし易い、2バック+左は駒野で十分対応できると踏んでいるのかもしれません。
強い相手にはLB今野か阿部にして駒野をウィングにあげればいいわけです。

これは「監督の投入や指示」ではなく阿部を中心に選手たち自信が考えて対応することができるようオシムは教育してきたとおもいます。

伊野波はホントにCBのバックアップなのか?
この選手を鈴木に代わる理想の1ボランチとして育てて欲しい気もしますが。

オシムは播戸を気に入っているのでしょうか。
ハートがあって準備を怠らない選手ですし
怪我人を予備登録でも残すなんて、らしくないですから。



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コメントのお返事 (コージ)
2007-07-07 14:22:11
CSKA352さん

こんにちは。
駒野の左はやはり加地を使いたいからなんでしょうか?
それとも左がいないからなんでしょうかね?
この辺って意外と気になったり・・・^^;

伊野波の件に関しては、私はなんとも言えないです。
いかんせん、Jでのプレーをまともに見れてないので(苦笑)ただ、播戸は、合宿中の怪我だったのでFWとしての彼は評価していると思います。CSKA352さんの言うハートの部分とかは、オシムも感じているでしょうし、意外と熱い選手好きそうですもん。

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コメントのお返事 (コージ)
2007-07-07 14:24:47
dorogubaさん

こんにちは、毎度です。
おっしゃる通り、「3バック4バックの切り替え」は方法論でしかなくですよね。
多分、相手チームのデータはあって2トップであるとかは、事前に分かるはずなんですよ。

仮に、相手のFWの1人が2列目付近まで引いた場合には、3バックの必要はなくなり、リベロの選手なんかがマンツーマンでついて行く。そして、ボランチ辺りでプレッシャー掛ければ良いでしょう。

きっとこういう試合の中での自然な動きを求めているんだと思います。まぁ、この辺はdorogubaさんであれば、いわずもがなお分かりだと思いますし、抜かりなくチェックするでしょうけど。
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