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3トップの傾向と危険な守備エリアの類型 - リバプール vs PSV 【CL06/07】

2006年12月01日 | チャンピオンズリーグ06/07
■ 試合結果 チャンピオンズリーグ06-07シーズン グループリーグ グループC
   リバプール(2-0)PSV (in アンフィールド)
    ・後半20分 ジェラード(リバプール)
    ・後半44分 クラウチ (リバプール)

この試合の詳細は、ブログランキングにてサポーターの方のエントリーをご覧下さい。

■ 軽くジェラードのポジションについて

◆負傷者、続出リバプール
この試合、リバプールは、3人の交代枠を前半の内に2人使いました。その理由は、負傷交代! 前半21分に「ジャビ・アロンソ→ゼンデン」、前半36分「マルク・ゴンザレス→ルイス・ガルシア」国内でのリーグ戦のリバプールの固定メンバーや交代枠の使い方のパターンについては良く分からないのですが、監督ベニテスが後半から使おうと思っていたカードを前半の内に使わざるを得なかったのは想定外だったでしょうね。

◆ジェラードは定位置で使うべき
また、この試合、論議を巻き起こしているジェラードの使い方について、ジェラードが望むような中盤での起用となっていました。私はジェラードをサイドで使った試合を(多分)見たことがないのでなんとも言えない部分もあるのですが、ジェラードの特徴として、中盤の低めの位置からゴール前までのミドルシュート(大砲)だと思います。

また、ジェラードはミドル~ロングフィードの精度と質がプレミアリーグの中でもトップクラスですね。具体的には、直線的な軌道で遅すぎず早過ぎないボールです。やはり、これらのジェラードの特性を十分に生かすには中央での起用がベストだと思う次第です。

この試合“普通に”2-0とホーム、アンフィールドで勝利をおさめたリバプールでした。正直、普通過ぎる試合にこの記事の切り口も見つからず、書かないでおいたのです(苦笑)そこで、この試合の両チームのサイドの使い方について分析してみました。

■ 守備時における危険なエリアの分類について

◆必ずしも危険なエリアは一つではない
現代のサッカーでは、サイドの攻守の面が重要になってきています。一般論ですが、ピッチ上のどのエリアが「攻撃において重要=守備において危険」ざっくり考えると左記の図の通りになります。(守備側のチームにとっての危険度:赤>黄≧青)

守備側のチームは、ゴールに近いエリアを中心に守備の人数を割いたりする為、攻撃側のチームとしては、必然的にプレッシャー(守備側の人数など)が弱いエリアを中心に攻撃を組み立てます。

次に[青]のエリアの方が[黄]のエリアより危険と考える人もいると思います。
勿論、サイドからの攻撃(クロス等)はディフェンスにとっては危険です。ディフェンスとしてはクロスボールで守備陣形が振られたりする可能性もありますし、ボールと(マークすべき)人を視野に入れる事が難しいので、それこそ2列目からの飛び出しなどにより失点の可能性は高いです。しかし、そのクロスの精度が問われますし、(特に欧州のトップレベルであれば)ゴール前での守備能力は高いので、なかなか難しいのも事実です。また、単純に言うと[黄]のエリアに比べると[青]のエリアから直接シュートが決まる確率は低いです。

◆攻守とは裏腹・・・
また、サッカーにおいてボールポゼッション(ボール保持)を中心に考えた場合「攻撃時」「守備時」そして攻守間に「トランジッション時」(攻守が入れ替わる時。要はルーズボールの時)があります。

そこで、攻撃側のチームが[黄]のエリアでボールを奪われた場合、どうなるでしょうか?!逆にカウンターを喰らい失点という可能性もあります。次に、攻撃側のチームが[青]のエリアの深い位置でボールを奪われた場合は、プレスを掛けタッチラインにボール出す事も出来ますしカウンターに対しての対応も[黄]のエリアに比べれば安心?楽?です。

つまり、サッカーにおいて攻守は裏腹で、攻撃側にとって効果的(有利)であっても次の瞬間には不利な状態になるということです。先日、アジア大会での日本がパキスタンにやられた2点目が象徴的です。(参照

ここまでの説明は一般論ですので、細かい事は気にしなくても良いかもしれません。要はケースバイケースです。例えば、ロッベン(チェルシー)がいる左サイドの[青]エリアは場合によっては、中央[黄]より相手チームにとっては怖いかもしれません。
つまり、それぞれのエリアにおける双方のチームの個々の選手の能力で危険度は大きく異なります。特に近年の欧州のトップレベルのサッカーにおいては“個々の選手の能力”の方が細かいチーム戦術より大きいかもしれません。

しかし、[赤]のエリアはいつの時代も危険です(笑)
■ 3トップが攻撃的とは限らない

◆イングランドvsオランダの典型
だいぶ前置きが長くなった感じがしましたが・・・いつものことですね(涙)
ちなみに、UEFA.comで確認しましたが、PSVは[4-3-3]で上記のような選手の配置だと思われます。一応、私もチェックはしましたが、PSVの選手良く分からないので、選手のポジションの表記が間違っているかもしれません。その辺はご了承下さい。

この両チームのフォーメーションは、実はイングランド代表とオランダ代表のフォーメーションの典型的な形だと思って見ていました。(イングランドは[4-4-2]の中盤がフラットが特徴。オランダは[4-3-3]のウィングを配置した形が特徴)しかし、突き詰めるとPSVは、若干違いのかもしれません・・・後述。
   
◆3トップが攻撃的だと限らない
そこで「リバプールvsPSV」の試合を例に上記の図に論理的に配置してみると上図のようになります。

リバプールは、[4-4-2]ですので教科書通りですね。
PSVは、3トップですが守備に回ると[4-1-4-1]のようになります。これは両ウィングがサイドの守備に回る為です。こうなると3トップだからといって攻撃的であると言えませんね。フォーメーション云々も結局は、相手がある事なので相対的な問題とも言えます。

一応、この試合でのPSVについてもう少し説明をしますと、リバプールがボールポゼッションを高めて攻め込むと(右上図のように)ウィングも引いて“ベタ引き”の状態になっていました。これはリバプールのホームゲームだったこともあると思います。

◆最近の3トップに関する疑問
余談ですが、オランダ代表の3トップのフォーメーションを基本形だと考えるならば、最近の3トップは[4-1-4-1]からの逆の派生形かもしれません。(守備的意図の度合いが強いという意味合いでね)もしかしたら、根本的に[4-3-3]からの派生形が[4-1-4-1]なのかな? 要するに、元来オランダ的な3トップは攻撃的アクションに重きを置いたフォーメーションだったと思うのです。しかし、近年の3トップは、(バルサを除いて)攻守のバランスの問題で守備に重きをおいているような感じがします。もう一つ、前述の守備時の危険なエリアを考慮すると以前より一層中央が厳しくなった結果かもしれません。この辺の詳細は、考えてまた後日(笑)
ちなみに、ガーナ戦での日本の3トップも近年の欧州の傾向・流れと同じだと思います。(システム的には異なるかな)

■ 世界のサッカーは3トップの流れに・・・

◆世界のサッカーは3トップ流れに・・・
近年、バルセロナを筆頭に3トップのチームが増えてきているような気がします。昨年のチェルシーも3トップでしたし、また今回のチャンピオンズリーグに出場しているクラブの中でも3トップという形は多い気がします。

私が見た中では、今シーズンのチャンピオンズリーグに出場しているクラブだと、ベンフィカも3トップでした。(攻撃のアクションが中央寄りが特徴)、レフスキ・ソフィアレアル戦で見たリヨンもかな?リヨンは[4-1-4-1]スタートだったしね。他にもあるかもしれませんが、全クラブ見てないので分かりませんが・・・この辺の流れ・傾向は分析してみる価値がありそうですね。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (九州っこ)
2006-12-13 20:29:41
欧州は3トップ系(4-2-3-1,4-1-4-1)が主流ですね
ご存じの通り、これらのフォーメーションはオランダから派生しているんですよね
ドイツWC(特に欧州)はこのフォーメーションが顕著に現れていましたね!?
チェルシーは4-3-3(4-5-1)から4-4-2(4-3-1-2)にしてから輝きを失った感じがします
フラットな4-4-2もいい感じですが、3トップのほうが輝いているように感じます

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コメントのお返事 (コージ)
2006-12-13 21:36:52
九州っこさん
>>こんばんは。
今シーズンのチェルシーに関してはバラック、シェフチェンコが加入したので、この2人を融合させた形を模索中だと思います。一応、それなりに勝っているので良いと思いますけどね・・・[4-3-3]を決して捨てたわけではなくもう一つの形を構築中って感じでしょうね。
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