行ってきました、新宿高島屋1F ジェイワン広場。
屋外での展示だったので汗だくになりながら、じっくり一時間ほど触ってみましたので、
いろいろと感じたことを書いてみたいと思います。
1.片手でギリギリ使えるサイズ
手にしてみるとW-ZERO3に比べるとかなり小さくなった印象を受けます。横幅が短くなったので、片手で持ちやすくなりました。そして表面がディンプル加工されているので滑りにくく、角もちゃんと丸くなっているので手に収まります。
とはいっても普通のケータイと比べるとやはり厚みがあり大きいので、片手で持ってテンキー操作をするのはそれなりに手が大きい人じゃないと厳しいかもしれません。相変らず重量バランスはいいので片手で使えないこともないですが、テンキーモードで使うには利き手でテンキーを操作し、もう片方の手を本体上部に添えると安定して使いやすいですね。
702NKIIと比べるとこんな感じ。
幅は同じで縦の長さが[es]の方がかなり長い。
2.意外とイケる2.8型液晶
PocketPCの液晶サイズは3.5型か3.7型か4.0型のものがほとんどです。rx1950の3.5型、Jornada525の3.7型、Genio e550GXの4.0型と、私はその三つのサイズは全て使ったことがあるわけですが、2.8型のものはこのW-ZERO3[es]で初めて体験しました。でも、あまり使い辛いとは感じませんでした。文字サイズの調整さえすればそれなりの視認性は確保できそうです。もちろんリアルVGA化してしまったら文字が見えなくなっちゃうでしょうけど。
また、スタイラスによる手書き入力も、予想よりもSIP領域が小さくなく問題無く使うことが出来ました。スタイラスを取り出すのが面倒なときに指で画面を押してしまう「指タップ」に関しても、思っていたほど誤操作が起こらないですね。指での操作も十分可能だと思います。どうやらこのサイズはPDAとして快適に使える下限ギリギリのサイズのようです。
3.テンキーは便利
Today画面で発信キーを押すと電話アプリが立ちあがります。旧機種ならここで画面に表示されたテンキーをタップするのですが、[es]ならテンキーを用いることができます。やはりダイヤルするにはハードウェアキーのほうがしっくりきますね。
[es]のテンキーのアップ写真。
ボタンは真ん中の盛り上がったドーム状になっていて、
押しやすいようになっている。
それからテンキーでもスライドキーボードでも、文字入力をするときはATOKの予測変換が使えます。これは[es]の目玉機能の一つです。特にテンキーモードでは打鍵回数を減らせるので便利。ただし、この予測変換のウィンドウの動作が少し重いと感じました。一度候補が表示されてしまえば変換候補の選択はサクサクできるんですが、予測変換候補が表示されるまでにほんのちょっとだけもたつきを感じます。少なくとも702NKIIのATOKの変換候補ウィンドウよりもゆっくりと表示されていました。とはいえ私はPocketPC版のATOKを使ったことが無いので、ひょっとしたらこれがPocketPC版ATOKとしては普通なのかもしれません。
それからちょっと面倒なのが、テンキーモードでの文字モードの変換です。文字キーを押すごとに文字モードが、ひらがな→カタカナ→半角カタカナ→全角英大文字→全角英小文字→半角英→数字という変化をします。なので特にテンキーでの数字の入力は面倒だと感じました。702NKIIのようにどのモードでもテンキー長押しで数字が入力できるようになっていればよかったです。
私としては702NKIIの入力に慣れてしまったせいか、[es]の文字入力に関してはまだまだだなと感じてしまいました。それでも少し前のケータイ並の操作性はあり、確実に前機種よりも進化しています。文字入力の弱かったPocketPCがここまで快適な文字入力環境を手に入れたということ、このことは非常に評価できることだと思いました。
4.スライドキーボード
[es]のスライドキーボードはW-ZERO3のものを縦に押し縮めたようなものになっています。もちろんW-ZERO3よりもキートップが小さくなっていて指の腹ではなく先で押さないといけませんが、それでもクリック感がしっかりしているのでポチポチとしっかり押せます。ただ、最上段の数字キーとBackSpaceキーを押すときに指が本体画面側の土手にぶつかってしまうところだけは気になりました。
また、スライドキーボード使用時に画面が右側に寄ってしまうのがイヤだと思う人もいるかもしれませんが、実際に使ってみると実はそれほど気にならなかったりします。おそらくW-ZERO3[es]のキーボードのホームポジションが右に寄っているおかげでしょう。あとは人によっては昔使っていたポケコンみたいだから問題無し、なんてのもあるかも(笑)。
5.スタイラスに不満あり
スタイラスには色々不満があります。まず質感ですがW-ZERO3と同様に飾り無しのまったくのプラスチックで非常に安っぽい質感で、長さも短く使い辛いです。さらに収納位置ですが、縦向きで向かって左奥にあります。この場所は右利きの人間にはちょっと扱い辛いんですよ。しかもこのスタイラスを取り出すには本体左側面にあるイジェクトボタンを押さないといけません。そんなわけでこのスタイラスは[es]の数少ない欠点とも言えるでしょう。でもテンキーとスライドキーボードがあって、なおかつWindows Mobile5.0そのものがスタイラス無しでも扱えるようになっているので、スタイラスの使用頻度は低めでしょうから、このスタイラスでもなんとかなる気もします。上で書いたように指タップでの操作も可能ですしね。
6.無線LANはminiSDタイプ?
タイムズスクウェアのブースには、W-ZERO3[es]用のオプションもいくつか展示されていました。
その中で特に気になったのが無線LANアダプタ。ケータイWatchの記事で「今回出展された無線LANアダプタは、改造により本体基盤に直付けしている」と書いてありましたが、今回出展されていたものは明らかにminiSDカードタイプでした。説明員の方に聞いてみると、確かにSDIOでminiSDスロットに挿して使うとのこと。無線LANがついていないのがW-ZERO3[es]の一つの懸念でしたが、このサイズで無線LANアダプタが出てくれるなら嬉しい限りです。miniUSB・USB変換アダプタ-USB無線LANアダプタなんて構成では、見た目がちっともスマートじゃないですからねぇ。
ただしBluetoothユニットについては、miniUSB・USB変換アダプタ-Bluetoothアダプタということになりそうな感じ。アダプタがフレキシブルに動くのがわずかな救いですが、できればminiSDで出してほしいものです。
左がminiUSB-USB変換アダプタにBluetoothアダプタを挿したもの。
右がminiSDとおぼしき無線LANアダプタ。
7.総評
W-ZERO3での不満点だった本体サイズを縮小し、データ通信中の着信も可能にし、さらにテンキーを付けることでよりPDAからケータイに近付けたW-ZERO3[es]。私は無線LAN非搭載というところが気になっていたのですが、無線LANアダプタがminiSDサイズでコンパクトに収まってくれると分かってしまっては、まったく欠点の見つからないデバイスになってしまいました。ここまで作りこまれたPDAはなかなかないのではないでしょうか。
何度も言っていますが私はW-ZERO3[es]の購入は見送り、まずはボーダフォンから出るWindows Mobileスマートフォンを待ちます。ヨーロッパではボーダフォンにPalmのTreoの新機種が投入されるというニュースもあったことですし、詳細が明らかになるまでは静観する予定です。しかしもしもボーダフォンのWM機がイマイチだった場合は、W-ZERO3[es]に乗りかえてしまうかもしれません。
私の記事へトラックバックをありがとうございました。
とても丁寧にご説明なされていたので、
私の記事からもリンクを貼らせていただきました☆
私も有楽町の方に夕方頃行ってかなり触れました。
遅く行って正解でしたよね♪
いつもながらツボを押さえたレビューですねー。
そこらへんの記者のものより分かりやすいと思いましたわ。
es、USBホストとかATOKとかが入ってるのは非常に魅力ですけど、携帯としてはやはりまだまだデカイですね。
私もesはスルーです。
しかしTero日本上陸は期待したいですねー。
ハード的な部分に性欲をもてあまします(笑)
有楽町の方は朝からなにやらとんでもないことになってたみたいですねぇ。
私は有楽町・アキバ・新宿とどこでも行けたのですが、
午前中に有楽町に行かなくてよかったなぁと。
ちなみに新宿の方は朝10時ではちっともでした。
お互いいい時間帯に触れたみたいですね。
今回は事前にチェックするべきポイントを書き出しておいて、
触ったあとすぐにスターバックスに入ってSig3にレビュー記事を書き出したんです。
本業そっちのけでライターみたいなことをしてみました(笑)
なので前回のW-ZERO3のレビューよりはよくなったのかもしれません。
Treoは日本のボダから出ると決まったわけじゃないですが、
ついに新機種がW-CDMAに対応するようなので、最悪の場合は海外版を買って
ボダのSIMを挿して使ってしまうなんてことも可能ですね。
ようやく日本でTreoが使える時代がやってきます。
ガジェット好きにはあのデバイスはたまりません(;´Д`)b