私のPDA履歴書 3
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前述の通りiPAQ3630ではなくJornada525を買った私だったが、そのスペックは
CPU:HITACHI SH-3 133MHzというものだった。
RAM:16MB(プログラム実行領域・データ保存領域共用)
ディスプレイ:3.8インチ透過型STN液晶 256色、QVGA
拡張スロット:コンパクトフラッシュ Type2
CPUもメモリも液晶も今見てもかなり貧相なスペックだが、当時としてもあまりリッチなスペックではなかった。それはこの機種が、半年先に発売されていたJornada548からメモリと液晶発色数を減らしたエントリーモデルのPocketPCだったからである。
Jornada525のこのロースペックぶりには色々なところで悩まされた。まず、メモリが16MBしかないのが厳しかった。OSの安定した動作のためにプログラム領域を10MBは確保しておかないといけなかったので、データ保存領域は常に6MBほど。ソフトをいくつかインストールし、文書ファイルをある程度の数保存したらそれだけで一杯一杯という具合だった。
保存領域が足りないならコンパクトフラッシュを使えばいいじゃないか、と思う人がいるかもしれない。しかし2001年当時のCFの価格は1MBあたり100円ほどとまだまだ高価で、学生の身では48MBのもの(今では128MBの倍数の容量のものしかないが、昔は16MB単位だったのだ。我が家にはもう一つ、96MBという中途半端な容量のCFも存在している)を5000円で買うのが精一杯だった。今では1GBのCFが5000円で買えるというのだから、フラッシュメモリの価格はこの数年でとんでもなく安くなったものである。
Jornada525のスペック上のもう一つの問題が液晶である。当時はTFT液晶はまだまだ高価なものだったのでJornada525は比較的安価な透過型STN液晶を使っていた。この透過型STN液晶は発色の面でTFT液晶に及ばないものだったが、それ以外にも欠点があった。屋内であればそれなりの視認性があるものの、直射日光下においては全くもって表示が見えないのである。この「屋外で見えない」というのはPDAのアドバンテージである『素早く取り出してすぐに情報を確認できる』ということを殺してしまっていた。
『さっと取り出してすぐに起動、だけど何が表示されているのかさっぱりわからない』
では話にならないのである。現在では屋内はもちろんのこと屋外でも比較的見やすい反透過型TFT液晶が入門機にすら使われており、Jornada525のようなことはおこらない。科学技術の進歩は本当に素晴らしいものである。
それからJornada525の液晶にはもう一つ欠点があった。実は表示色数が256色だったため、他のPocketPCでできことがJornada525ではできない、なんてことがあったのだ。当時の他のPocketPCは65536色か4096色の液晶を搭載していたので、それに合わせて作られたソフトがJornada525では動かないことが多かったのである。CPUやメモリといった処理能力が足りないから動かないのではなく、表示能力が足りないから動かない、ということが起こっていた。特にゲームや動画再生といったものは軒並み動かず、私はエンターテイメントが楽しめずに悔しい思いをしたのだった。
また、Jornada525の上位機種のJornada548ではPCとの接続にUSBが使えたのに、Jornada525ではUSBによるPC接続はサポートされておらず、115.2kbpsシリアル接続しかできなかった。おかげでActivesyncによるファイル同期に時間がかかった。もしもJornada525に挿したCFに音楽ファイルを転送しようものなら5分近くかかってしまうという、非常にストレスのたまるものだった。
Jornada525を使ったのは2年弱ほどである。廉価版ということで上記のように色々と不満があったものの、2年弱の間毎日使いつづけていた。通学中の地下鉄の中ではCF内のWMAファイルをWindows Media Playerで聴き(このスタイルは結局Jornada525購入以来6年間ずっと続いている)、大学の実験の時間にはPocketExcelでデータ処理を行い、空き時間にはターガスの折りたたみキーボードを繋げて書きものをしていた。スペック的に物足りないところも多かったが、限定されたスペックの中でPocketPCを使いこなす術を身に付けられたという意味ではとてもいい機種だった。
ただ、このJornada525を買った1ヵ月後にはiPAQ3630の供給は安定しアキバで簡単に手に入るようになっていたというオチがあったりする。もしもJornada525を買い控えてiPAQ3630を買っていたら……などと考えると、今でもちょっと複雑な気持ちになるのだった。
当時はカラー版にしてバリバリ使う気満々でしたので、オプションも沢山買い揃えましたね。(専用外部バッテリーやハードカバー等)
カラーなのはいいですが、E-55の方が軽快に動いたりして、スペック的な限界を見せられた機種でした。
やはり、野外での液晶の視認性が致命的でした。
私の歴代の機種では一番短命で、約半年後にはiPAQ3950に乗り換えていました。(これも微妙な機種でしたが・・・。)
それにしてもCFメモリカードは当時は高かったですよね~。
悪い機種とまではいかないんですが、
直射日光下ではほんと、最大輝度にしてもなんも見えなかったです。
これを使って「PocketPCで重要なのはメモリだ」と気づいたんですが、
なんでか現在はrx1950なんか使ってますね(笑)
rx1950はほとんどJornada525とプログラムメモリ量が同じなんで、
飼いならしにはクロウしてないですけど。
CFの値段は何度も話題にしてますが安くなりました。
語ればその人のモバイラー暦が分かる、バロメータにもなりますね。
私より古い人はフラッシュATAカードなんかを使ってたんだろうなぁ。