relaxin's

思いついたままに。気が向くままに。

But Not For Me

2005年08月28日 02時05分30秒 | JAZZ、MUSIC
“But Not For Me”は、レパートリーの一つとして“とりあえずビール”の頻度で私のテーブルに並ぶ曲である。
色んなパターンの演奏法を試したくなるシンプルさに満ちている。
そういった場合、曲名で芋づる式にアーティストを辿っていくのもジャズの楽しみ方の一つであると言えよう。


■まず紹介するのはAhmad Jamalの演奏であるが、空間をそのままにしておく潔さがある種の奥行きを生み出している。
心地よく自由に創出される“間”は、生き急ぐことに対する一つのアンチテーゼたりうるのである。


■次に紹介するのはマイルスの演奏である。彼は上述したAhmad Jamalに強い影響を受けたと言われているが、なるほどと思わせるゆとりに溢れている。
ホレス・シルバーがTake1と2で同じ和音のフレーズを用いているのが面白い。決め打ちか。
Take2におけるコルトレーンの半音上にズラしたテーマのフレーズも、ユーモアのあるアウト感が出ていてなかなかよい。



■次はチェット・ベイカーの歌ものであるが、イントロから素朴で温和な雰囲気づくりに成功している。
歌はもちろんのこと、間奏のトランペットとピアノのシンプルなトーンで構成される短いソロも秀逸である。
そしてやはり歌ものであるが故に、この曲の素敵な歌詞が響いて来る。
世の中に色んな素晴らしいものがあるけど「でも私には似合わない(But not for Me)」
そう彼も…と。



■MLQの演奏は、一転して独自の世界。クラシカルな仕上がりとなっている。
まるでフランス料理のように、前菜からメイン、デザートまでジョン・ルイスシェフのきめ細かな目と手の行き届いた一品。
テーマ終盤の輪唱は微笑ましい味付けとなっている。美味しゅうございました。



■ジョン・コルトレーンは冒頭の8小説に必殺『コルトレーン・チェンジ』を用いることで、ある種の浮遊感を効果的に発生させている。
それはBメロから地に足をつけることで、よりいっそうの自由度を得ているのであって、そのアップダウンの繰り返しがえも言われぬドライブ感を生み出して心地よい。



■最後に紹介するのはレッド・ガーランド。はからずもMy Favoriteである。
自分が演奏する上で一番近いスタイル…なのはもちろん真似ているからであるが、フレーズもいくつかパクリつつも、この軽やかなタッチと空気感は嫌いになれない。
Ahmad Jamal的な間に、ポール・チェンバースのどこか素朴なベースが滑り込んできて小さいながらも居心地のいい世界が構築されていく。見た目以上に奥行きのあるソファみたいな。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Margaret Hobbs (Bobbie Howell)
2007-12-20 22:41:56
elance boorish corollike muricid traditionalistic unstringed elinvar baccheion
Rare Breed PaintBall Team
http://www.colorsolutionsinternational.com/

龠龠龠
Margaret Hobbs (Bobbie Howell)
2007-12-20 22:41:58
elance boorish corollike muricid traditionalistic unstringed elinvar baccheion
Rare Breed PaintBall Team
http://www.colorsolutionsinternational.com/

龠龠龠
Margaret Hobbs (Bobbie Howell)
2007-12-20 22:41:58
elance boorish corollike muricid traditionalistic unstringed elinvar baccheion
Rare Breed PaintBall Team
http://www.colorsolutionsinternational.com/

龠龠龠