□ bt / "These Hopeful Machines"
♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>Suddenly
♪ Forget Me
Release Date; 02/02/2010
Label; Nettwerk
Cat.No.; 0 6700 30849 2 5
Format: 2xCDs
>> http://www.btmusic.com/
>> tracklisting.
Disc 1
01. Suddenly (feat. Christian Burns)
02. The Emergency (feat. Christian Burns, Andrew Bayer)
03. Every Other Way (feat. JES)
04. The Light in Things (feat. JES and Airwave)
05. Rose of Jericho
06. Forget Me (feat. Christian Burns)
Disc 2
01. A Million Stars (feat. Kirsty Hawkshaw, Ulrich Schnauss)
02. Love Can Kill You
03. Always (feat. Rob Dickinson, drums by Greg Collins)
04. Le Nocturne de Lumière
05. The Unbreakable
06. The Ghost in You (back vocals by Ameria June)
Produced & Engineered by BT.
Mastered by Emily Lazar & Joe Laporta at the Lodge.
Creative Directon: BT & Gavin Taylor
Painting: Aaron Jasinski
□ Related Link:
>> lens,align.: BT / "This Binary Universe" Review.
作曲、パフォーマンス、プログラミング、エンジニアリングの全てをこなす、エレクロニック・ミュージックのジェネラリスト、Brian Transeauの6th Album。二枚組に及ぶ長編アルバム。スリーブアートは今作から先行リリースされたシングル・ジャケットを繋いだ形で、好みの絵柄で飾れるようになっている。
デジタルアート、グラフィックとのコラボレーション・アルバムであった前作、"This Binary Universe"では、BT自身よって開発された複雑なプログラミングを織り込んだ作曲技法が、ジャズやクラシックといった要素にも十分有効に働くことが証明されたが、この"These Hopeful Machines"においては、デビュー時よりBTが持ち味としてきた、眩いばかりのダンス・フィーリングや、如何にもなアメリカナイズド・ロックを再び前面に押し出した作品となっている。
楽曲中心の正統なスタジオ・アルバムとしては"Emotional Technology"の流れを汲むものであるが、ややポップ・シーンに目配せが過ぎる印象のあった"E.T."と比べると、今作はやや冗長と思える程のアーティスト指向が窺われる楽曲が連なっている。一曲一曲の長尺さはクラブ・ミュージックとして考えると何ら不自然ではないものの、ポップに根ざしながら変化に富んだ多様な楽曲性は、とてもその範疇に括れる物ではない。
"BT Stutter"と呼ばれる彼自身のプログラミングによる独特な音響処理は、現代の電子音楽において既に確固としたアイデンティティを担っていて、21世紀の音楽史にも重要項として刻まれるだろうと評されているが、その超巧微細なグリッチや、ミクロレベルの組み木細工のような音像の分解性そして立体感は、今作において更に磨きがかけられている。
もちろん、彼は自身が開発したソフトウェアにただ出力を任せているのではなく、様々な機材を用いて一手間も二手間も経由して楽曲にサンプリングするという拘りを見せている。今作のスリーブにも、楽曲ごとに異なる使用機材やソフトウェアが掲載されている場合があるので、後進のクリエイターには聴講の価値アリと言えるだろう。
Kirsty HawkshawやRob Dickinsonといった華々しい著名なボーカリストの他にも、Remixerやパフォーマーとして多くの実力者が参加している。カースティ嬢の声が星芒を散らしたような" A Million Stars"は、エレクトロニカ・シューゲイザーシーンの気鋭Ulrich Schnaussが共作し、更にミキシングはSultan & Ned Shepardという豪華な面々が関わった楽曲となっている。
リード・シングルとしてリリースされ、本アルバムのハイライト・トラックでもある"Suddenly"は、最近クラブ・シーンのヴォーカリストとして引く手数多のChristian Burnsが担当。彼は他数曲でもBTと共にメインヴォーカルを務めている。
そんな彼とともに、今回ひときわ存在感を放つのが、プログレッシヴ・ハウス・コンポーザー、Andrew Bayerや、彼の盟友であるBoom Jinx、そしてMatt Lange(あの名プロデューサーとは別人物)という一連の人脈。特にMatt Langeの手掛けた"T.H.M."最初のシングル"Rose Of Jericho"は、最先端のミニマル・ダンスの手法を吹き込んで、このアルバムにエッジの尖った新味を与えることに貢献している。
BTといえば、甘く透き通った女性ヴォーカルを配したエピック・チューンも忘れてはならない要素だが、今回その役回りを担うのは、トランス系ヴォーカリストのJES。彼女は暖かい音色とメロディが印象的な"Every Other Way"(このメイン・モチーフはDisc.2においても瞬間的に登場する。)、続く"The Light In Things"においてBT恒例の爽快なエピック・ダンストラックを披露。しかもここには、プログレ・トランスの一時代を築いたAirwaveも参加している。
"These Hopeful Machines"の大きな特徴として、テクニカルな音響処理が施された、より進化的なポップ・パフォーマンスの追求が挙げられるが、その要素としてライブ・インストゥルメンタルも、これまで以上にふんだんに取り込まれている。Kevin Sawkaのドラムが冴え渡る"Forget Me"は、そんな次世代的音楽の一つの完成形と言えるだろう。この曲のアウトロに登場する歌声は、BT最愛の一人娘、Kaiaである。
円熟のミュージシャンが集うDisc.2では、特に"Love Can Kill You"、"Always"、そして"The Unbreakable"などの曲で、それらの手法がより深化して突き詰められている。80年代英国のサイケロック・バンド、The Psychedelic Fursのカヴァートラック"The Ghost In You"の導入も、BTの指向性とルーツが同時に垣間見えるようで興味深い構成だ。
BTがブラジル上空から見下ろした、雷雲のなす幻想的な光景にインスパイアされたという"Le Nocturne de Lumière"は、Disc.1の"Rose Of Jericho"と対を為すようなトラックで、もっと実験的かつ叙情的に描写される世界観が、アルバムに壮大なスケールの広がりと奥行きを加味する佳曲。
以上12曲二時間に及ぶ、アウレッシヴなサウンド・エクスペリエンス。粒子状に微分されていくビートのギミックは、その背後に遠ざかり沈んでいく夕影の如きアトモスフィアと相俟って、聴く者の原体験に自然とテクノロジーの希望あふれる融和性を情緒的に訴えかける。
音楽のもたらす共感は、時に映像や物語を超えることがある。まして音楽という手法でしか表現し得ないものであれば尚更だ。BTはいくつかの映画音楽を手掛けているが、脚本家が頭から捻りだしたシナリオよりも、彼の楽曲は常に信頼が置け、視覚よりも感情のもっと深い所まで響いてくるようだった。音楽にこういった可能性を感じられるなら、それを支えるテクノロジーにももっと希望があるはずだと、間違いなく言えるのかもしれない。
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"Forget Me"
I'll give to you if you give to me
I always want to hear what's on your mind
And from the other side, can you still answer me
'Cause we all crave to be understood...yeah
And what I want to see
And what I need to hear
And what I want to feel
Is in those arms
And I'll sing to you if you sing to me
Because I long to hear what's on your heart...yeah
Forget me
I'm tired and wasted
Hopeless and faded
Listless and jaded
Forget me
I'm tired of waiting
I'm still underrated
I'm hopeful but jaded
But just remember
This is a beautiful mistake
I really need you
As our silence starts to break
It's stronger than fire
Greater than all the wars we wage
And I don't know what you want me to be
But I don't want to be perfect anymore
I'll share with you if you share with me
I always want to hear what's on your mind
And from the other side, can you still answer me?
Because I live to speak what's on my heart...yeah
Forget me
I'm tired and wasted
Listless and jaded
Hopeless and faded
Forget me
I'm tired of waiting
Still underrated
But I'm finally awake
Let us remember
Life's such a beautiful mistake
It's precious and fragile
Sometimes more than we can take
It's stronger than fire
Greater than all things men create
And I don't know what you want from me
But I don't want to be perfect anymore
Let's just remember
Life's such a beautiful mistake
It's precious and fragile
Sometimes more than we can take
It's stronger than fire
Greater than all the wars we wage
Letting go of fault and blame
'Cause I don't want to be perfect anymore
Yeah, I don't want to be perfect anymore
And you don't have to be perfect anymore
But your love, your love, your love, your love
Is perfect just the same
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お前がそうするってなら、俺も全てをくれてやる
いつも気になってんだ あんたが何考えてるのか
今はあの世だってのに まだ答えてくれるかい
みんな本当に知りたがってんだぜ yeah
俺の見たいものだって
知る必要があるものだって
感じてみたいものだって
全部その腕に抱えられてんだ
お前が歌ってくれるなら 俺だってそうする
ずっと焦がれていたんだ お前の心の声に
でもいいんだ
疲れ切ってしまったから
希望も消え失せたし
ほんとうにうんざりだ
もう忘れてくれ
待ちぼうけはご免
浅はかだったんだ
期待はとうに打ち砕かれた
だが憶えていろ
これは素晴しい過ちなんだ
こんなにも求めたからこそ
俺たちの沈黙は破れたんだ
それは炎よりも強く
かつて行われたどの戦争よりも偉大だ
あんたが俺にどうなって欲しいとか
知ったこっちゃ無いけど
もうパーフェクトなんて目指しっこないんだよ
お前が与えてくれるんなら 俺もそうする
いつも気になってんだ あんたが何を考えてるのか
今はあの世だけど まだ答えてくれるかい
だって俺は心の内を語る為に生きてるんだぜ yeah
でもいいんだ
疲れ切ってしまったから
希望も消え失せて
うんざりなんだ
忘れてくれ
待ちぼうけはご免
まだ甘かったんだ
だけどようやく気付いた
俺たちに思い出させてくれ
人生はこんなにも素晴しい過ちだって
得難く壊れやすい
時に俺たちが思っているよりもずっと
それは炎に勝り
人々が造り出した何物よりも偉大
あんたが俺から何を取り上げようが
もうパーフェクトじゃいられないんだよ
俺たちに思い出させてくれ
人生はこんなにも素晴しい過ちだって
得難く壊れやすい
時に俺たちが思っているよりもずっと
それは炎よりも強く
かつて行われたどの戦争よりも偉大だ
もう咎めるのはよしてくれ
パーフェクトじゃいられないんだから
そうだ もうパーフェクトじゃいられない
あんただって パーフェクトじゃなくたっていいんだぜ
それなのにあんたの愛は あんたの愛だけは
どうしようもなくパーフェクトなんだ