□ "Seven Lives Many Faces" Pre-Listening (全曲フル試聴)
(12th September - 14th September 2008)
>> http://www.myspace.com/enigmaplanet
My heart is trembling.
This is the most artistic album ever!!
Well compression of Cretu's Retrospectiveness, Modern, Classical and the 80's pop-influences which blended with Reverations.
一昨日告知した、enigmaPLANETで行われているEnigmaのニューアルバム、"Seven Lives Many Faces"のリスニング・イベント(9/12-9/14)。正規収録された12曲がフル・レングスで鑑賞できます。(当初は技術的な問題から、楽曲のuploadが数時間遅れるトラブルもありました。)
上の英文は、昨日、興奮の坩堝と化したEMBにて、アルバムを聴き終えた私が発したファースト・インプレッションです。これ以上の言葉は抑えておきたいのが本音。レビューはCDが出揃ってから、もっと聴き込んでから記述したいと思います。
何よりも、この作品は過去作と同様、12曲で一体の音楽だということを忘れてはなりません。今回のイベントの意義はそこにあります。
今の段階で一つ言えることは、
「Enigmaはヘンタイ!」
そして、これまでで最も芸術的な試みが為された作品だということ。それは"MCMXC a.D."が1990年初頭に音楽界に打ち込んだ楔の裏側で、80'sから連綿と継承されてきたポップ・ディスコカルチャーの、20年越しの発露とも言うべきもの。
German Electro、Progressive Rockといったジャンルの垣根だけでなく、宗教・民族・観念の境界をも超えて、世界のあらゆる音楽文化をミクスチャーしながら、それら全てを"Cretu's Own (彼自身のもの)"に昇華。そう、実に今作は、彼が自身のソロや元妻のSandraも含め、80年代からプロデュースしてきた楽曲と、これまでになく相通じている部分があります。
時にはイギリスのバンド、Michael Dunfordの"Renaissance"を想起すらさせ、時にはAutechreの如くカッティング・エッジなビートを刻む。そしてアルバム中に散りばめられているのは、Gregorian Chant(グレゴリオ聖歌)や教会合唱、民族歌唱といった懐かしいエレメント、更に懐古的なオーケストラル・ヒットが迫力を添えつつ、未だ踏破されえなかった音の新境地として魂に響く。
全体的にMinor chordと不協和音が織りなすダークで刺々しい霧に包まれていながらも、3rd Album以来の感動的で豊穣なメロディが時に救いを齎し、尚且つ、地に足の着いたAdultyが屹然と存在。そして、Enigmaのビザーレと背徳性を最も強烈に印象づけてきた女性の官能的な囁きと吐息、鼓動が、聴く者の本能に共鳴し、衝動を掻き立てます。
楽曲中を突発的に劈くようなパッド展開と転調が多いのも特徴ですね。前作"A Posteriori"の流れを汲む曲調も。Cretuにとってのレトロスペクティヴであると同時に、全く新しいオーガニックな音楽体験がそこにあります。
取り留めのない印象を連ねてきましたが、実は私自身にとっては『Enigmaを客観的に批評』なんて、到底なしうる業ではありません。Enigmaはもはや、私を構成する抽象概念の宇宙と不可分な存在で、それは「音楽を聴く」と言うよりも、「世界をアップデートする」行為に等しいものなのです。
と、ここまでが一夜明けた今の総括。
レビューにも転用するかも。
□ "Seven Lives Many Faces" 2CD Bonus Track Sample.
>> http://www.jpc.de/jpcng/poprock/detail/-/hnum/918....
欧州盤としてリリースされる"Limited 2CD Edition"のBonus Trackが上記URLで試聴可能です。作風からして、この7th AlbumにおけるOut Trackと思われます。"We Are Nature"には、本編で起用されなかったRuth-Ann BoyleとMargarita Roigのデュエット、美しいアトモスフィアの調和が聴かれます。
綺麗。。
ただ、クレトゥは"Bonus is the Bonus"と、レコード会社への配慮として割り切った感のあるコメント。自身はやや冷淡な見方を示しているようです。常に完璧主義者であった彼のことなので、アルバム・コンセプトから外れた曲、納得のいかない曲を世に出すことには一定の抵抗があるのでしょう。