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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Back to the Future [DVD Collector's Box]

2008-08-10 10:31:48 | 映画
Bttf


>> http://www.bttfmovie.com/


□ Back to the Future [DVD Collector's BOX]

It's been real educational
Overture
Doc Returns (Part III)

Release Date; 07/ 08/2008
Format: 4xDVDs


Michael J. Fox
Christopher Lloyd

Director: Robert Zemeckis
Writers: Robert Zemeckis (written by) &
    Bob Gale (written by)
Scored by: Alan Silvestri



「ヘイドク!ここじゃ時速88マイルに加速するには道が足りないよ」
「道?道など必要ない。」

「未来とはまだ書き込まれていない白紙のようなもの、自分で切り開いていくものなんだ」



"Back to the Future"、私の幼心に衝撃を与え、情緒形成に大きな影響を及ぼした神話のような存在。子供時代に三部作をほぼ同時に観たせいか、I、II、IIIはどれも不可分な一体の作品としての印象が強くて、一般的な評価とは違って、アメリカ開拓時代に舞台を転じた完結編、"Part 3"への思い入れが特に強いです。

小学校低学年時ながら、ほぼその全容を理解出来た普遍的なストーリーテリングの面白さ。当時から現代に至るまで「タイム・パラドックス」という素材を使って考えられる映像・脚本上の試みは、既にこの作品において出し切られています。

Back_to_the_future



しかし意外というか、子供の頃はテレビ録画したビデオテープを擦り切れるほど観ていたのに、中高生になってからは、まるで想い出を心の奥底に仕舞うかのように、全く反芻することが無くなりました。今後リリースされる予定のBlu-ray版に先駆けたこのコレクターズBOX、私が本編を目にしたのは実に14年振りでしたが、ストーリーの末端から映像の細かい描写まで、完璧に記憶通りで驚きました。


Backtothefuture



さすがに今見直すと、幼い頃には読み取れなかった様々な暗喩や寓意が目につくわけだけど、重要なテーマはただ一つ。このドラマの本筋である部分。「青春」とは、自らの存在をかけて過ごすものだということ。生涯における「その時期」を通り過ぎてしまった今思い返すことは、様々な困難を乗り越えて未来へ帰ろうとするマーティのように、私は人生を賭して自身の未来を築こうとしただろうか。。

「もしタイムマシーンがあったら・・・」という安直な夢想を、この映画は軽やかに皮肉ってみせる。たとえ自在に時を超え因果を変えようとしても、未来は等しく自身が対峙すべき局面であり、困難が付きまとう。本当に、人生とは常に「切り拓いていくもの」なんですよね。でも次元転移装置(Flux capacitor)が実在すれば、きっと胸のすくような冒険が出来ることには違いありませんね。


Btf

「バック・トゥ~」といえば、まず何よりも音楽!(笑)
私が人生初めて買ったCDが、"Back to the Future - Part.2"のSoundtrackでした。当時は個人経営でのCDショップが沢山あったのですが、サントラの待遇は頗る悪く、"Part.3"のスコアは上京してやっと入手したぐらい。

アラン・シルヴェストリによるメインタイトルは、一作目と同年に公開されたチャック・ノリス主演"Delta Force"との姉妹作にあたり、モチーフが酷似しています。SFコメディという枠付けにありながら、仰々しく荘厳なスネアのマーチが付けられたのも、その功用と言えるでしょう。また、「クララのテーマ」なんかは今聴いても(´;ω;`)ブワッと涙腺が緩んでしまいます。


※ 今回リリースされたDVD Boxは、2005年に発売された"20th Anniversary Box"と同内容による廉価版。ただ、この由緒正しい(?)絵柄でのパッケージは初なので、それだけでコレクター価値は高いのかもしれません。


South Ossetia conflict.

2008-08-10 04:49:45 | 国際・政治
Sod
(Photo: BBC)


>> 南オセチア紛争年表 (telegraph.co.uk)

グルジアのサーカシビリ大統領は同日から15日間の「戦争状態」を宣言する大統領令を出し、徹底抗戦する構えだ。旧ソ連構成国を舞台とした戦闘は、グルジアのNATO(北大西洋条約機構)加盟問題を軸に影響圏を争う構図ともなっている。(中略)ロシアは8日にグルジアの首都トビリシ近郊の軍基地を空爆したのに続き、黒海に面するポチ港や旧ソ連の独裁者スターリンの出身地、ゴリ近郊を軍用機で爆撃。ゴリではアパートが空爆を受けて民間人に死者が出ている。ロシアが支援するグルジア北西部の独立派地域「アブハジア自治共和国」のグルジア支配地域も空爆を受けた。ロシアが、アゼルバイジャンからグルジアを経由、トルコへ原油を輸出するBTCパイプライン周辺を攻撃したとの情報もある。

(引用元:msn産経ニュース 2時間前)

Sod2


世界中の国々が集う平和の祭典の一方で勃発した悲劇。アパート空爆などによる一般市民も含めた犠牲者は既に2000人を超え、ロシアが激戦地ツヒンワリの解放宣言を出す一方、アブハジア自治州での民族紛争にも飛び火、戦渦は拡大の様相を見せています。

アメリカとグルジアの利害関係に起因するダブルスタンダードによって機能不全に陥った国連の停戦勧告には、今のところ実効性を期待できません。アメリカの主張する「領土権」は表向きの理由としては説明不足もいい所。


直接的な火種はロシア革命から1920年代のグルジアによるオセット人迫害に辿ることが出来ます。その後、スターリンの政策によって、旧ソ連時代からロシアの楔として存在していたオセチアは、チェチェン、イングーシといった周辺民族の怨恨を受けることに。一方で、ロシアへの復帰を求める南オセチア自治州へのグルジアの圧力が、独立/分離派の勢力にしびれを切らして侵攻に至った形。


と、簡単に説明しましたが、当然ながら現在までの経緯には、もっと複雑、重層的な絡み合った事情が存在します。そもそも昨今の国際倫理に照らして、ナショナリズム無視の緊張を強いていたグルジアの主張が、アメリカによる軍事介入の確約を得られるほど説得力を持つとは考え難い。ロシアも承知の上だから思い切った衝突に踏み切ったと思えるのですが、パイプラインを攻撃している以上、アメリカへの牽制も充分に意識したものなのでしょう。

しかし事実上、南オセチア自体はグルジア政府から独立した後、ロシアと周辺国との密輸拠点として憂慮すべき問題を抱えており、また同様にアバシゼ自治州もグルジアの支配を逃れようとしていることで、ここでどうしても踏みとどまりたいという思惑も理解できます。

また、事の顛末次第では、同じアメリカを牽制する利害によってロシアが後ろ盾になっているイランと、対立国イスラエルとのバランスに波及する可能性もあり、事態は表層的に捉えられるよりも深刻と言えるでしょう。


何より国家主導の下、戦争を支持しようと拒否しようと無関係に、民衆が殺されていくという事実。私たちが最も重き尊厳として掲げるはずの「人命」は、生存するというだけで権利と執行力を担っており、それは自ずと攻撃対象となる。依て人間の存在と暴力は不可分で背離できないものなのです。そして利害関係が絡んだ上で、倫理に先行した国家/民族衝突は、世界の至る所で起こりうるということ。

奇しくもオリンピックの最中、世界の「民衆」はこの有事にもっと関心を注いで、これが遍在しうる問題であることを自覚し、自らの帰属する国家に取るべきスタンスを支持していかなければならない。ここで踏み止まれるか否か、それはグルジアだけではなく、人類にとって大きな指針を示す恒久的な命題となる。とにかく停戦に至る解決の過程として、更なる軍事衝突と犠牲の拡大を見るのか、それは本当に平和に至る均衡なのか、私たち一人一人には、刮目して行方を見守る義務があります。