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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

ロシア大統領選挙で投票率7割以上、得票率9割でプーチン大統領が「当選」。最大の政敵ナワリヌイ氏を刑務所で死に追いやり、対立候補の立候補を認めず、占領地域では武装兵士が投票させた選挙に正当性など全くない

2024年03月18日 | ロシアによるウクライナ侵略

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 2024年3月15日から17日まで3日間行われたロシア大統領選挙は全土で投票が締め切られました。

 ロシアの中央選挙管理委員会は開票途中の暫定値としてプーチン大統領が驚異の約87%の得票率を獲得したと発表し、プーチン氏の圧勝が確実となりました。

記者会見が始まる前のプーチン大統領の表情。

 

投票用紙を入れる投票箱が透明なのも驚きだ。

 

 

 といっても、実質的な対立候補の立候補をすべて認めず排除し、最大の政敵であるアレクセイ・ナワリヌイ氏はシベリア送りにした上で死なせてしまったわけですから実は全く驚きはありませんよね。

 中央選挙管理委員会による開票途中の暫定値も出口調査もウクライナ戦争開戦前の前回からおよそ10ポイント増加したということで、目標としていた過去最高の得票率での圧勝が確実となりました。

 前回でももちろんプーチン政権は専制支配をしていたわけですが、ウクライナ戦争を機にさらに言論弾圧を目指す法制度をこれでもかと整えた効果が出た形です。

 また、投票率も7割を超えていて政権が目指していたとされる数字を達成しています。

 これについては、大統領選挙で初めて導入された電子投票により、データの操作が容易になったとの指摘もあります。

ナジェージュジン氏の立候補が認められていたら結果は全く違っていたろう。

ロシア大統領選でウクライナ侵略反対の反戦候補の登録を拒否しプーチン氏と親政権の4候補だけに。国連の委員会がロシアにウクライナからの子ども強制移送をやめるよう要求。ロシア軍は即時無条件に完全撤退せよ。

 

 

 驚異的得票率でロシア大統領選を制したプーチン大統領は17日深夜、大統領府に近いモスクワ中心部の選挙対策本部に姿を見せ

「国民が権力の源泉だ。皆さん、ありがとう」

と自分の陣営のスタッフに大満足の様子で謝意を示しました。

 ただ、日付をまたいだ記者会見では、ウクライナ戦争反対を公言したナデジディン元下院議員が選挙から排除されたことなどについて米メディアの記者から

「民主主義といえるのか」

と質問されて

「われわれの選挙は民主的だ」

「米国では大統領選の候補者に司法の力を使って政権が圧力をかけている。お笑いぐさで、米国の恥だ」

色をなして反論したそうです。

 自分の選挙では自分のお気に入りの候補者しか立候補させていないのによく言うよという話なのですが、ここでもトランプ前大統領とプーチン大統領がいかに関係が強いかを示す発言にもなりました。

ドナルド・トランプ大統領候補がロシアがNATO加盟国に攻撃してきても米国は支援せず、むしろ「好きに振る舞うようロシアをけしかけてやる」。プーチン大統領に戦争へのゴーサインを出すトランプ氏は最悪だ。

 

 

 またこの記者会見で、プーチン大統領はロシアの反体制派の指導者ナワリヌイ氏が死亡したことについて

「ナワリヌイ氏の死は悲しいことだ」

と述べて初めて彼の名前に言及し、死を悼む姿勢を示しました。

 そのうえで、ナワリヌイ氏が死亡する前に、欧米側で拘束されている人と交換する交渉があったとして

「私は同意すると言った。しかし、死亡し、できることは何もない」

と述べました。

 実はナワリヌイ氏については、支援団体の幹部がナワリヌイ氏が死亡する前日にドイツに収監されているロシアの元工作員の受刑者と交換し、釈放する交渉が最終段階にあったと主張していました。

 その直後の翌日にナワリヌイ氏は刑務所内で非業の死を遂げたわけで、プーチン大統領がナワリヌイ氏の釈放に同意していたどころか、その交渉が公開されたからあわててナワリヌイ氏を死に至らしめたことはむしろ明らかでしょう。

ロシアの反体制派ナワリヌイ氏がシベリアの刑務所=矯正労働収容所で死亡。懲罰房に27回入れられ絶え間ない寒さにさらされ3年間の拷問に苦しんだ。プーチン大統領の政敵として「殺された」「処刑された」が正しい

 

「プーチン大統領の天敵」ナワリヌイ氏の葬儀で数万人が「戦争反対」「プーチンなきロシア」「ロシアは自由になる」との声を上げる。数日経った今も墓参者と献花の列。ロシアの民主主義はいまだ死なず。

 

 

 ロシアのプーチン政権は、軍事侵略によって一方的に併合を宣言したウクライナ東部や南部の4つの州でもロシアの大統領選挙だとする活動を強行し、中央選挙管理委員会は開票の結果、プーチン大統領がそれぞれ9割前後を得票したと発表しました。

 これを受けて、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派の代表プシリン氏はロシア国営メディアに対し

「プーチン大統領は、この地域の住民にとって、真の祖国の擁護者で、責任を恐れない人だ。その行動によってロシア全土を結束させた」

などと述べて、占領地域の住民からも支持された結果だと主張しています。

 しかし常識的には、プーチン大統領の得票率がロシア本国より占領地域のほうがどの州でも高くなるなんて、それはいくらなんでもありえませんよね。

ウクライナの首都キーウの市民の感想。

 

 

 実際には、ロシアが違法な強制併合を宣言したウクライナの4州では「安全上の理由から」期日前からの投票が実施され、しかも占領当局は投票所を設置していましたが、同じ当局が投票箱を持った人を各戸に派遣したので有権者はそこに行く必要はなかったのです。

 さらに、占領当局は武装した兵士を引き連れて有権者を探して投票させているのですから、投票率が高くなるのもプーチン大統領の得票率が高くなるのも当たり前です。

 そもそも占領地域で選挙をすること自体がハーグ陸戦法規という戦時国際法に反していますし、ましてや銃剣で脅して投票させるなどもってのほか。

 ここはウクライナのゼレンスキー大統領の

「この選挙まがいの行為に正当性などあるはずがない」

が当たっています。

 投票の自由や平等が重視され、議員定数に不均衡で1票の価値が2倍以上になるならもう憲法違反だとされる日本の常識からは、立候補の自由も投票の自由もないロシアの大統領選挙は当然無効でやり直しが必要となりますし、50か国以上の国連大使が非難声明を出したのはもっともなのです。

 もちろん、大統領選挙が無効ですからプーチン大統領の当選も無効です。

ロシア大統領選挙で投票率を上げるために占領しているウクライナ4州では武装兵士が投票箱を持って戸別訪問。反戦運動が高まらないように発展途上国から兵士を人身売買で確保。これがプーチン政権の「民主主義」だ。

 

 

プーチン(上):生誕から大統領就任まで

フィリップ・ショート山形 浩生 | 2023/4/29
 
 

プーチン(下):テロから戦争の混迷まで

フィリップ・ショート山形 浩生 | 2023/6/2
 
 
 

リベラルブログの代表格である村野瀬玲奈の秘書課広報室さんが

日本人がプーチン批判・ロシア批判をしていると、日本の民主主義が空洞化、無意味化します。

という記事を書いておられます。

これは他国のことにかまけて自国の民主主義の欠陥を放置することへの注意喚起でしょう。

確かに、他国のことばかり書いているリベラルブログは自分の国はどうするんだと思いますし、例えば韓国政治の欠点を言い訳に日本の政治の免罪符にしているネトウヨブログは最悪です。

しかし、ロシア軍による国連憲章違反の侵略を可能にしたのは何度も言うようにプーチン政権によるロシア国内の言論を弾圧し、人権を蹂躙している状況をそのままにしてきたことです。

例えば、中国でのウイグル族に対する強制収容所を批判できないのに、日本で杉田水脈議員によるアイヌ民族や朝鮮民族差別の発言を批判していても説得力がないでしょう。

うちでは日本の民主主義を正すためにも、イスラエルを含めて他国のこともどしどし批判して行くつもりです。

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ロシアの大統領選挙は開票がほぼ終わり、プーチン大統領は得票率が90%に迫り、圧勝しました。

国営メディアは過去最高の得票率だと伝えていますが、欧米からは公正な選挙ではないという批判が相次いでいます。

今月15日から17日にかけて投票が行われたロシアの大統領選挙は、中央選挙管理委員会によりますと、開票率98%の時点で、プーチン氏は得票率が87.34%で、ほかの候補を圧倒して勝利しました。

国営メディアは、旧ソビエト崩壊以降のロシアの大統領選挙で最も高い得票率だとしています。

また、投票率は投票を締め切った日本時間の18日午前3時の時点で74.22%です。

首相時代を含めておよそ四半世紀にわたって実権を握り続けてきたプーチン氏は、大統領としては、通算5期目に入ることになります。

新たな任期は、2030年までの6年間です。

極東の中心都市ウラジオストクではプーチン氏の勝利を歓迎する声が聞かれ、このうち50代の男性は「プーチン大統領は国を正しい方向に導いてくれると思います。ウクライナの状況についても賛成しています。大統領に感謝しています」と話していました。

一方、今回の選挙では、各地の投票所で放火など選挙への反発とみられる動きや、先月、刑務所で死亡した反体制派の指導者ナワリヌイ氏の妻のユリアさんや支援団体の呼びかけで抗議の意思を示す投票も行われました。

欧米や人権団体などからは対立する主要な候補の立候補などが認められず、公正な選挙ではないという批判が相次いでいます。

プーチン氏は日本時間の18日朝に行った勝利宣言で「誰が私たちを威嚇し、抑圧しようとしても国民がまとまれば、成功することはない」と述べ、欧米との対決姿勢を改めて鮮明にしていて、選挙で圧倒的多数の国民から信任を得たとして、ウクライナへの軍事侵攻などこれまでの路線を続けるものとみられます。

“ウクライナ東部や南部4州でもプーチン氏 9割前後得票”

ロシアのプーチン政権は、軍事侵攻によって一方的に併合を宣言したウクライナ東部や南部の4つの州でもロシアの大統領選挙だとする活動を強行し、中央選挙管理委員会は開票の結果、プーチン大統領がそれぞれ9割前後を得票したと発表しました。

これを受けて、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派の代表プシリン氏はロシア国営メディアに対し「プーチン大統領は、この地域の住民にとって、真の祖国の擁護者で、責任を恐れない人だ。その行動によってロシア全土を結束させた」などと述べ、地域の住民からも支持された結果だと主張しています。

ロシアがウクライナ東部や南部で大統領選挙だとする活動を行ったことについて、日本やアメリカなど55か国以上は共同声明で「国際法上、何の効力も持たない」として、ロシアを非難しています。

プーチン大統領 勝利を宣言

 

プーチン氏は、日本時間の午前5時半すぎ、首都モスクワ市内にある選挙対策本部で、支持者の前に姿を見せ「私たちは1つのチームで家族だ。この選挙は、国民からの信頼の結果だ。感謝する」と述べ、勝利を宣言しました。

また、ウクライナへの軍事侵攻について「特別軍事作戦における主導権は、ロシアにあり、日々前進している」と述べ、継続する考えを改めて示しました。

また、反体制派らがプーチン政権への抗議の意思を示す行動を実施したことについて「投票の呼びかけは称賛する。しかし影響は何もなかった」と述べ、効果はなかったとする見方を示しました。

そのうえで、各地の投票所で建物の中で放火したり、投票用紙を汚したりと選挙への反発とみられる動きが相次いだことを念頭に「投票用紙を台なしにした人は人々を混乱させるもので民主主義ではない。罰せられるべきだ」として、非難しました。

このほか、ロシアの反体制派の指導者ナワリヌイ氏が死亡したことについて「ナワリヌイ氏の死は悲しいことだ」と述べ、名前に言及し、死を悼む姿勢を示しました。

そのうえで、ナワリヌイ氏が死亡する前に、欧米側で拘束されている人と交換する交渉があったとして「私は同意すると言った。しかし、死亡し、できることは何もない」と述べました。

ナワリヌイ氏については、支援団体の幹部がナワリヌイ氏が死亡する前日、ドイツに収監されているロシアの元工作員の受刑者と交換し、釈放する交渉が最終段階にあったと主張していました。

さらに、ウクライナ侵攻をめぐりフランスのマクロン大統領が地上部隊の派遣の可能性を言及したことについて問われたのに対し「今の世界ではあらゆることがあり得る。これが第3次世界大戦の瀬戸際になりうる」と述べ、けん制しました。

一方、「ロシアは和平交渉に賛成しているが、敵の弾薬不足のためではない」と述べて、和平交渉に応じる構えを示しました。プーチン大統領は、これまでもロシアの安全保障を前提にした和平交渉に応じる構えを示していて、欧米側に揺さぶりをかけています。

ナワリヌイ氏の妻 ドイツロシア大使館の前で抗議

 

ロシアの大統領選挙の投票最終日となった17日、ドイツの首都ベルリンでは、在外投票が行われている現地のロシア大使館の前に、2月に死亡した反体制派の指導者ナワリヌイ氏の妻ユリアさんら多くの人が集まり、プーチン政権への抗議の意思を示しました。

ベルリンにあるロシア大使館の前には17日、在外投票に訪れた人たちの長い行列ができ、中にはプーチン政権の批判を続け、先月死亡した反体制派の指導者ナワリヌイ氏の妻、ユリアさんの姿もありました。

訪れた人たちは「ユリア。私たちは共にある」と声を上げて連帯を示したり「戦争をただちに止めろ」などとウクライナ侵攻に反対するシュプレヒコールを繰り返したりしていました。

ユリアさんや支援団体は、投票用紙にナワリヌイ氏の名前を書くなどして、プーチン政権への抗議の意思を示すよう呼びかけていて、ユリアさんは訴えに賛同する人たちから握手を求められていました。

ユリアさんは、多くの支持者らを前に「私と一緒に並んでくれてありがとうございました」と話し、プーチン政権への抗議の意思を示す行動に参加した人々に謝意を示しました。

またユリアさんは「ナワリヌイ」と書いて投票したことを明かしたうえで「大統領選挙の1か月前に、すでに投獄されていたプーチンの主要な政敵が殺害されることなどありえない」などと述べ、改めてナワリヌイ氏はプーチン政権によって「殺された」という認識を示し、強く非難しました。

投票に訪れた26歳の男性は「これまでの大統領選挙で在外投票にこのような長い行列ができたことはないと思います。ほとんどの人はプーチン氏に反対していると思います」と話していました。

また、25歳の女性は「プーチン氏は本当に悪い人物で多くの人の命を奪いました。ロシアで本物の選挙が行われないことをとても残念に思います」と話していました。

一方、ロシアの人権団体によりますと、投票を妨害したなどとして17日に国内21の都市で少なくとも85人が当局に拘束されたということです。

ヨーロッパ各地で抗議の声

 

17日、ヨーロッパ各地でプーチン政権に抗議の意思を示す集会などが開かれました。

このうち、フランスのパリでは、エッフェル塔前の広場におよそ80人の市民などが集まり、プーチン大統領について非合法な活動をしていると非難したり「ウクライナと連帯を」などと声をあげたりしていました。

このあと、参加者たちはプーチン大統領と違い「ロシア人は戦争に反対だ」などと書かれたプラカードを掲げながらパリ市内を行進しました。

また、イギリスのロンドンでは在外投票が行われている現地のロシア大使館前に大勢の市民などが集まり「ロシアに自由を。ウクライナに平和を」などと声をあげていました。

投票のために大使館を訪れたロシア人の女性は「ウクライナへの支持を示すため、ウクライナの国旗を身に着けて来ました。私はこの戦争に反対です」と話していました。

キーウ市民 “選挙は公正なものではない”

 

ロシアの大統領選挙でプーチン大統領が当選する見通しとなったことについて、ウクライナの首都キーウでは、市民から選挙は公正なものではないなどと指摘する声が聞かれました。

このうち63歳の男性は「武装した人間に『ここにサインしろ』と言われそうしない人がいるだろうか。民主主義の国に住む私たちには理解できない」と話し、選挙は当局の圧力のもとで行われたとして批判しました。

48歳の女性は、プーチン氏が9割近い得票率を得たとされていることについて「そんなのはうそだ。ありえない。ロシア国民は彼のことを恐れているのだ」と話していました。

その上で「ロシアで変化が起きることを信じている。革命のようなものが必要だ」と話し、ウクライナへの軍事侵攻を正当化しているプーチン政権を終わらせる必要があると主張しました。

また、23歳の男子学生は「あまり注目していなかった。私たちにとっては、アメリカ大統領選挙のほうが関心がある」と話し、ウクライナへの軍事支援が1つの争点となる、ことし11月のアメリカ大統領選挙のほうが重要だという見方を示しました。

ゼレンスキー大統領 “正当性などあるはずがない”

 

ロシアの大統領選挙でプーチン大統領が当選する見通しとなったことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は17日新たな動画を公開し「この選挙まがいの行為に正当性などあるはずがない」と述べ、選挙に正当性はないと非難しました。

そして「この人物が、ただ権力に溺れていて、永遠の支配を手にするためあらゆる手段を講じているということを、世界中の誰もが理解している。個人的な権力を長引かせるために、悪事を尽くしている」と述べたうえで、プーチン大統領は戦争犯罪で裁かれるべきだという考えを改めて示しました。

ホワイトハウス NSC “選挙 自由でも公正でもない”

アメリカ・ホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議の報道官は17日、声明で「結果は驚くものではなかった。プーチン氏が政敵を投獄し、対立候補が立候補するのを妨げてきたことを考えれば、選挙が自由でも公正でもないことは明らかだ」としました。

イギリス キャメロン外相「自由で公正な選挙とは言えない」

ロシアの大統領選挙について、イギリスのキャメロン外相は17日、SNSに投稿し「ロシアで投票が締め切られた。 ウクライナ領内で違法に選挙が実施された。有権者の選択肢は限られ、独立した監視もなかった。これでは自由で公正な選挙とは言えない」として、軍事侵攻によって一方的に併合を宣言したウクライナ東部や南部でも選挙だとする活動を強行したなどとして、選挙の正当性に疑問を示しました。

ヨーロッパ各国から批判相次ぐ

ロシアの大統領選挙について、ヨーロッパの各国からは批判が相次いでいます。

このうち、G7=主要7か国の議長国、イタリアのタヤーニ外相はXへの投稿で「ロシアの選挙は、自由でも公正でもない。選挙は不法に占領されたウクライナの領土でも行われた」と批判しました。

またドイツ外務省はXへの投稿で「偽の選挙であり、誰も結果に驚きはしない。プーチン大統領の統治は権威主義的で、検閲と抑圧、暴力に頼っている」と指摘しました。

ポーランドの外務省もホームページで声明を発表し、「ロシアでは、ロシア側が、大統領選挙だとする選挙が実施された。ウクライナの一時的な占領地域で選挙を実施するというクレムリンの不法な決定は、特に非難に値する」と強く批判しました。

林官房長官“ウクライナ国内でも『大統領選挙』認められない”

林官房長官は、午前の記者会見で「わが国としてロシアで実施された選挙についてコメントすることは差し控えたい」と述べました。

そのうえで「ロシアは違法に併合したウクライナ国内の地域でも、いわゆる『大統領選挙』を実施したとしているが、明らかな国際法違反で決して認められない。1日も早くウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するべく、国際社会と連携して厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援にしっかり取り組んでいく」と述べました。

北方領土の元島民 “交渉の進展を”

ロシアの大統領選挙でプーチン大統領が圧勝したことを受けて、北海道の根室市に住む北方領土の元島民からは領土問題の解決に向けて交渉の進展を望む声が聞かれました。

歯舞群島の勇留島出身で千島歯舞諸島居住者連盟 根室支部の角鹿泰司 支部長(86)は、プーチン政権継続の是非について明言を避けました。

そのうえで、ロシアが一方的に中断すると表明した北方領土問題を含む平和条約交渉について「プーチン大統領は安倍元総理大臣とも20回以上にわたり会談をしているので、交渉を続けるうえでは北方領土問題をよく知っているのだと思う」と話していました。

そして「今生きている元島民は一日でも早く島に渡って墓参がしたいと願っている。このままこう着状態を続けるのではなく日本とロシアの双方が打開のために声をかけ合ってほしい」と話していました。

プーチン氏とは

 

ウラジーミル・プーチン大統領は、71歳。

大学で法律を学んだあと、旧ソビエトの治安機関、KGB=国家保安委員会に所属し情報工作員として旧東ドイツなどでも諜報活動にあたりました。

ソビエトの崩壊後、ロシア第2の都市で生まれ故郷のサンクトペテルブルクの副市長をつとめた後、大統領府の副長官やFSB=連邦保安庁の長官を歴任し、1999年、当時のエリツィン大統領に首相に抜てきされました。

この年、南部チェチェン共和国の武装勢力に対して軍事作戦を行い、その断固とした姿勢が国民に広く支持されました。

この年の12月31日に任期の途中で突然辞任を表明したエリツィン大統領から大統領代行に指名され、翌2000年の選挙で初めて当選を果たし、大統領に就任しました。

大統領就任後は「強いロシアの復活」を掲げてソビエト崩壊後の混乱した政治と経済の立て直しをはかり、国益を前面に押し出した外交を進めました。

3期連続で大統領を務めることが憲法で禁じられていることから、2008年の選挙では側近のメドベージェフ氏を後継者に据え、自身は首相に就任して影響力を持ち続けました。

そして、2012年、プーチン氏はメドベージェフ氏とポストを交換する形で大統領に復帰しました。

この選挙でプーチン氏は、64.2%の得票率で当選しましたが、前年12月の下院議会選挙での政権側による不正疑惑をきっかけに、かつてない批判の声にさらされ、勝利を宣言した際には涙を流す場面もありました。

2012年からは大統領の任期が1期4年から6年に延長され、プーチン氏は2018年に行われた選挙でも当選しました。

ウクライナを巡っては、2014年に南部クリミアを一方的に併合したのに続き、2022年2月に全面的な軍事侵攻に踏み切りました。

軍事侵攻に対して欧米側などは激しく非難し制裁を科しているほか、ICC=国際刑事裁判所は戦争犯罪の疑いでプーチン大統領に逮捕状を出しています。

プーチン氏は、これまで20年余りにわたって実権を握り続けてきましたが、4年前に憲法が改正され、2036年、83歳まで続投することが可能となっています。

 

 

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6 コメント

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いっそ (時々拝見)
2024-03-18 18:48:51
皇帝になって選挙やめた方が、茶番劇を演じるより、筋が通るんじゃないかと思うくらいです。ハイレセラシエ?以来の皇帝を名乗った大バカ野郎として歴史に残るでしょう。
占領した国に、~人民共和国を名乗らせているのも変ですが。
今回圧勝して (raymiyatake)
2024-03-18 19:23:26
初めて公的な場でナワリヌイ氏の名前を口に出せた。

盤石に見えるプーチン氏の立場も意外ともろいことを彼自身がよくわかっているのかもしれませんね。

手ごわい相手です。
理想論 (津木野宇佐儀)
2024-03-19 00:50:49
トピズレすみません

キューブリックの映画「博士の異常な愛情」を観てから、ドキュメンタリ―「Flash War」(NHK BS
)を視たのですが、その感想です。
戦争犯罪に「使用された凶悪兵器を開発した者・企業のトップ」も入れるべきではないかと。
法的にはハードルありすぎでしょうが…

もちろん、プーチンは生け捕りにして、戦犯として余生をかけて償わせなければいけません。(これ絶対!)
日本でも着々と…(苦笑) (ロハスな人)
2024-03-19 08:42:20
☆改憲勢力、緊急事態条項の具体化主張 >
☆立民は国民投票の法整備を優先 >

“日本国憲法を停止させる”緊急事態条項を導入したい人たちは『今のロシア以上の専制政治を行おう』として虎視眈々と機会をうかがっていることを我々はしっかり認識する必要があります。

『人の頭の上のハエを追う 前に 自分たちの頭の上のハエを追え 』というのが日本人には言えますね。
マスメディアは『わかりやすい(利権に絡まない)悪人』プーチン大統領は徹底批判し(その批判の内容自体はともかく)『利権に連なる悪人たち(岸田政権やバイデン、トランプなどのイスラエル等“軍産”利権)』批判には及び腰なことはしっかりと踏まえておきたいですね。
(※宮武さんたちのように『自分の頭の上のハエも 人の頭の上のハエも両方追う 行動をされている方たちはいいのですが…。
 ↓のかなりまともな東京新聞ですら、『緊急事態条項は“ナチスの全権委任法と同じ”と報じない』時点で、“マスメディアのダメさ”が現れていますね。)

そして、彼らよりは“少しだけまし”な立憲民主党は『“改憲勢力”が国民投票を骨抜きにしようとしている』ことをしっかりと主張し、『ナチスの手口に従って憲法を無効化』させようとしていることを徹底非難する必要があるわけですが……それを“ヘタレ”な立憲首脳陣がしない現状では、我々国民が『改憲勢力を叩き潰す』必要がありますね。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234252
☆改憲勢力、緊急事態条項の具体化主張 立民は国民投票の法整備を優先 今国会初の衆院憲法審【詳報あり】
2023年3月2日 東京新聞

 衆院憲法審査会は2日、今国会で初めての討議を行った。自民党や日本維新の会などの改憲勢力は緊急事態条項の新設を巡り、意見集約に向けた議論の加速や、条文案の策定などを主張。立憲民主党は「時期尚早だ」と反発し、国民投票の公正性を確保する法整備を優先すべきだと強調した。
わが幹事長殿 (村野瀬玲奈)
2024-03-26 23:46:50
>これは他国のことにかまけて自国の民主主義の欠陥を放置することへの注意喚起でしょう。

もちろんそのつもりで書いていますし、記事タイトルも読者の目を覚ましたくて言葉を選んでいます。

こちらのエブリワンブログの記事は海外の独裁国家への批判と日本の自民党の酷政と維新の不正と泉健太から日本共産党の権威主義などなどなどなど、必要な批判がバランスよく行われている印象が残るのですが、一般報道業者の記事はそういう印象がめったに残りません。まさに上のコメントでロハスな人さんが書いているように、「かなりまともな」はずの「東京新聞ですら、『緊急事態条項は“ナチスの全権委任法と同じ”と報じない』時点で、“マスメディアのダメさ”が現れて」いるとしか思えないので...。
ネトウヨが (raymiyatake)
2024-03-27 14:47:41
韓国政治の悪口ばかり書いて留飲を下げているのも本当に情けないですよね。

韓国では大統領を終えると刑事告発されることが多く、果ては自死にまで追い込まれる例まであるわけですが、それは韓国政治の自浄作用、まともさを示していると思います。

日本なんて悪い政治家を逃げ切らせてばかりなんですから!

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