安倍首相が「悪魔の証明」なんていう難しい?言葉を知っていたことに感心したのですが(笑)。
安倍首相は2016年2月3日の衆院予算委員会で、甘利明氏の現金授受問題に関し、TPPなどの政策が、政治献金で左右されていた可能性を指摘した民主党の岡田克也代表に対し
「ないことをあるように言うのは、ばかげた議論。ないものをないというのは、悪魔の証明だ」
と逆ギレして反論しました。
岡田代表は甘利氏が大臣室で50万円を受け取った問題で、安倍首相に対し
「面識がない人と会い、菓子折りを置いていき、後で確認したら祝儀袋に50万円が入っていた。これは政治資金と思うか」
「意図としては裏金と見ざるを得ない」
と述べました。
さらに、岡田氏が、献金によって政策が左右されることはないとする首相の発言の根拠を求めると、安倍首相は
「ないからだ」
と吐き捨てるように言ったというのですが、もうこの時点で意味不明で有名なアベ語になってます。
5分30秒あたりから今回の珍問答が始まります。
そこで、岡田氏が
「甘利氏はグレーだ。甘利氏が、大きな権限を持ってアベノミクスの司令塔、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の最終交渉をした。きちんと検証すべきだ」
と迫ると、安倍首相は
「週刊誌報道がTPP交渉や経済財政政策に影響するのか。するはずないじゃないですか」
と身ぶり手ぶりを交えて大声でまくしたてたというのです。
いやいやいや。週刊文春が書いたことが影響するんじゃなくて、書かれたようなことをした疑惑のある大臣がちゃんと交渉できたのか危ういものだといわれているわけです。
そこで、岡田代表も
「TPPは農家に死活問題だ。週刊誌報道ではなく、こうしたお金にルーズな事務所、あるいは本人が大きな権限を持っていたことに、危機感を持つべきだ」
と再反論すると、安倍首相は
「公党の代表として嫌疑をかけるなら、具体的にどの品目に影響を与えたかいわないと、ただの誹謗中傷だ。週刊誌報道に頼らず、具体的な案件をいってほしい。ないものをないと証明するのは悪魔の証明だ」
「交渉をけがすのはやめてほしい。甘利氏は命がけでがんばった」
と甘利氏をかばい、岡田代表は
「ない、と言ったのはあなただ。説明する責任がある」
と言い返しました。
と、ここでわたくしが思い出したのは、去年の安保法案審議での、山本太郎議員と安倍首相の質疑応答。
山本議員は、安保法案で日本がアメリカの戦争に加担する危険性が増すけれども、アメリカがイラク戦争でしたこんな残虐行為を知っているのか、とファルージャなどでの米軍による一般市民の虐殺などを例に挙げ、
『これ、一部のおかしな米兵がやったことじゃないですよ。米軍が組織としてやってきたことです。ファルージャだけじゃない、バグダッドでもラマディでも。
総理、アメリカに民間人の殺戮、当時やめろって言ったんですか?
そしてこの先、やめろと言えるんですか? 引き上げられるんですか?
お答え下さい』
と迫りました。
これに対して、安倍首相が答えた内容がすんばらしいかった。
「まず、そもそもなぜ米国、多国籍軍がイラクを攻撃したかといえば、大量破壊兵器、当時のサダム・フセイン、独裁政権が、かつては間違いなく化学兵器を持ち、そしてそれをイラン・イラク戦争で使用し、多くの人々を殺し、自国民であるクルド族に対してもこれを使用して、相当多くの自国民も殺したという実績があったわけでありまして、そして、それを既に、
大量破壊兵器はないということを証明する機会を与えたにもかかわらず、それを実施しなかった
というわけであります。」
山本太郎議員のイラク戦争加担追及に安倍首相「大量破壊兵器がないと証明できないサダム・フセインが悪い」
安倍さん、イラクに大量破壊兵器が「ない」ということを証明せよという。それを悪魔の証明というんですよ。
あなたは甘利大臣の不公正な態度がTPP交渉に影響を与えたのではないかと言われ、ないと答え、ないことを証明するのは悪魔の証明で不可能だというのですが、イラクにはその悪魔の証明を求めて、それができなかったから戦争をしかけられても仕方なかったのだとはっきり言っているわけです。
でっかいブーメランが返ってきて眉間のど真ん中に突き刺さったのがわかりませんか。
そんなご都合主義があっていいわけないでしょう。
イラクには悪魔の証明ができなかったといって戦争まで仕掛け、何十万人もの市民を殺し、何百万人もの難民を出し、今に至る混乱を招いて「イスラム国」の勃興まで許したというのに、問題ないという安倍首相。
ぜひ、甘利大臣が担当者でもTPPは問題ないという証明にチャレンジしてくださいな。
書いているうちにだんだん腹が立ってきちゃった。
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首相逆ギレ“甘利問題とTPP”指摘「悪魔の証明」
[2016年2月4日8時15分 紙面から] 日刊スポーツ
安倍晋三首相は3日の衆院予算委員会で、甘利明氏の現金授受問題に関し、TPPなどの政策が、政治献金で左右されていた可能性を指摘した民主党の岡田克也代表に対し「ないことをあるように言うのは、ばかげた議論。ないものをないというのは、悪魔の証明だ」と、逆ギレで反論した。
「お金にルーズな事務所や、甘利さんが(TPPで)巨大な権限を持っていたことに、危機感を持った方がいい」と指摘された首相は、「党の代表として嫌疑をかけるなら、TPPのどの品目にどういう影響があったのか言わないなら、単なる誹謗(ひぼう)中傷だ。週刊誌報道がTPPの政策に影響するわけないじゃないですか」と、声を荒らげた。
「影響がない証拠を示すのは、あなたの方だ」と逆襲されると、「あると主張している方が、立証責任がある」と指摘。最近の答弁では珍しいほど、色をなして岡田氏への反論を続けた。
2016.2.3 15:22 産経新聞
【甘利氏辞任】
安倍首相「TPPや経済政策に影響?するはずないじゃないですか!」 民主・岡田代表の甘利氏追及にマジギレ 衆院予算委
安倍晋三首相が3日の衆院予算委員会で、甘利明経済再生担当相の金銭授受問題が政策決定に影響したとの懸念を示した民主党の岡田克也代表に対し「具体的に何に影響したのか。言わないなら、ただの誹謗中傷だ」と声を荒らげる一幕があった。
民主党のトップバッターとして質問に立った岡田氏は甘利氏が大臣室で50万円を受け取った問題で「面識がない人と会い、菓子折りを置いていき、後で確認したら祝儀袋に50万円が入っていた。これは政治資金と思うか」とただした。政治資金収支報告書に記載された日付と、甘利氏が実際に受け取った日付が異なることも挙げ「意図としては裏金と見ざるを得ない」とも述べた。
首相は「政治資金にのっとって正しく対処していくことだ」などと淡々と述べるにとどめ、個別的な話には触れなかった。
しかし、岡田氏が、献金によって政策が左右されることはないとする首相の発言の根拠を求めると、首相は「ないからだ」と吐き捨てるように語った。
岡田氏が「甘利氏はグレーだ。甘利氏が、大きな権限を持ってアベノミクスの司令塔、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の最終交渉をした。きちんと検証すべきだ」と迫ると、首相はさらにボルテージを上げた。
首相は「週刊誌報道がTPP交渉や経済財政政策に影響するのか。するはずないじゃないですか」と身ぶり手ぶりを交えて大声でまくしたてた。
岡田氏は「TPPは農家に死活問題だ。週刊誌報道ではなく、こうしたお金にルーズな事務所、あるいは本人が大きな権限を持っていたことに、危機感を持つべきだ」と再反論。
首相はたまりかねたのか、「公党の代表として嫌疑をかけるなら、具体的にどの品目に影響を与えたかいわないと、ただの誹謗中傷だ。週刊誌報道に頼らず、具体的な案件をいってほしい。ないものをないと証明するのは悪魔の証明だ」とまくしたて、「交渉をけがすのはやめてほしい。甘利氏は命がけでがんばった」と甘利氏をかばった。
岡田氏は「ない、と言ったのはあなただ。説明する責任がある」と応戦した。
消費税増税時に導入する軽減税率による減収分1兆円を穴埋めするメドが立っていない点を岡田氏がただすと、首相は「腹案があるといって、なかったということにはならない」と述べ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で、「最低でも県外」「腹案がある」などと大風呂敷を広げた民主党政権当時の鳩山由紀夫首相を皮肉りながら、自信満々の様子だった。
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命懸けで交渉した、という表現も不適切極まりない。それだけ一生懸命に真剣に取り組んだと言いたいのだろうが、仮に現政権の目論見が外れてTPPが合意できていなかったとしても、誰かに殺されるとでもいうのか?別に成功しようが失敗しようが殺されたり死ぬわけでもないのに、このような大げさな間違った表現を使うところに狡猾さと思慮不足を感じる。TPP合意が国益になるかのような報道と共に、このような知らせるべきことをひたすら隠し続ける姿勢には、怒りを覚えると共に、辟易とします。
私もこの投稿を書いているうちに現政権にまたもや腹が立ってきました。
しかし,それでも甘利事件のあとで支持率が上がったとは驚くべきことです.
今日の日刊ゲンダイの記事
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/174706/1
もうなるようになれ,という気分にもなりますが,これって信じたくないですが,そうなんですかね?
16世紀フランスの人文学者エティエンヌ・ド・ラ・ボエシの名著「自発的隷従論」には、悪政がはびこると人々が自ら望んで支配されるようになる原理が書かれている。一種の思考停止に陥るのである。
そんな気がします.国民主権を忘れて思考停止・・
ご意見を頂ければ幸いです.
二酸化炭素地球温暖化仮説は、可笑しい、関連性が無いものを無い、と云いますと、関連性が無いことを証明せよ、と云われる変な人が多いですからね。。。
反対ですよ。 二酸化炭素のせいで地球温暖化するならば、その科学的証明は、主張者がするべきでしょう?
勝手にデッチ挙げたグラフ(ホッケー・ステック)を持ち出して、ほら、関連性がある、と云われてもね。。。
今ほどに化石燃料を使って居なかった中世に温暖期が存在した理由を、先ず説明して欲しいものですよね。
ところが、我々、温暖化懐疑論者へは、悪魔の証明を求めて、平然としている輩が多いのです。 サダム・フセインも可哀想に。
でも、我々、懐疑論者には、強力な味方がいるのです。 プーチン大統領です。 「地球温暖化は、ロシアの経済発展を阻む陰謀だ」なんちゃって。 ロシア国内では、温暖化なんて、何のこと? と言う国民が大多数になるのです。
安倍首相とプーチン大統領とで、討論すれば面白いですよ。 パリへ持参金を持っていったお人ですから、ロシアへも持って行けば良いでしょう。 それならば、プーチン大統領も安倍首相に同意するでしょう。 その時だけね。
しかし、この安倍と云う人、ホント、出来悪い政治家だこと。 政治家には、道徳心が無ければならないのに、その自覚も無いのか。
ハーバードへ行かなくても、ネットでサンデル(Michael Sandel)教授の講義を受講すると良いのです。
Justice What’s The Right Thing To Do?
http://www.justiceharvard.org/
理由は単純なものかも知れませんよ。
皆さん日々の生活で手一杯なので、閣僚が汚職で辞めようが「いつものことだ、政治家は汚いものだし」と思って意に介さなかったのかも知れません。
また、国民に政治の真実を知らせるべき報道機関が政権や政権応援団からの圧力で萎縮して事なかれ主義に陥って、上っ面を撫でたようなことしか報道しないのであれば、アベノミクスの隠されたリスクとか緊急事態条項の危険性など知る由もないことになりますね。
報道機関が、うっかり政治問題についての掘り下げた報道をすれば忽ち「偏向報道」などの攻撃を受けるので、政治問題には立ち入らずに娯楽エンターテイメントばかり面白ろ可笑しく報道しておけば良いということになったのです。
ま、報道機関の方にも国の現状と行く末を憂える真実の憂国の士や愛国者が居なくなり、残るは権力者に従順な人たちばかりになった結果ですよ。
◆ 安倍首相とメディア連日の会食:その反響
http://togetter.com/li/496589
◆安倍政権の支持率は4倍以上も膨らませている
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-4116.html
安倍政権
支持
不支持
福島民報6/29
28%
50%
埼玉新聞8/29
16%
83%
日本農業新聞10/28、pic
18%
59%
北海道TVが、生放送で調査10/8
18%
74%
MXTVも生放送で世論調査12/19
22%
77%
民主主義って結局正しい情報が国民に伝わらないと上手く機能しないんですよね
そもそも高支持率の真否を確かめる手段が保証されていませんからね。
私自身は、今の日本の大手報道機関を信じることは出来ませんね。
理由の第一は、記者クラブ制が胡散臭いからです。馴れあいに至る温床ですからね。
数年前の世界的な大事件であった「クライメート・ゲート」を殆ど黙殺しましたので、今では、テレビは勿論、新聞各紙とも縁を切っています。
この事件隠しは、環境省方針を慮った各社が報道自粛したことを知り合いの報道関係者で、私と同じく温暖化に疑問を持つ人が調査して分かったのですが、世界を揺るがす事件でも報道しない、と言う姿勢は、報道機関の存在意義を疑わせるのに充分でしょう。
日本の大手報道機関は、各官庁が記者クラブを通して流す公的報道を垂れ流し、時の政権の提灯持ちをするのが役割で、後は、一般民衆へ娯楽を提供する題材を面白可笑しく流すのみです。
全て、日本語が自然のフィルターになり、海外からの情報を一般民衆に届ける自然の障害になっていますしね。
従って、金融関係者等は、英語が必需品になるのです。 日本語のみの情報に頼れば、必然的に投資等で敗者になるからです。
或る意味で、この国は、香港と同じです。 香港では、英語は必須です。 その意味は、この国と同じですからね。
>MATZ-TSさん
常連の方とは違う視点なので、私の意見なんて聞きたくもないかもしれませんが、私は支持率に影響は無いか、むしろ上がるかもと思っていたので驚きませんでした(ただ、ここから膠着すればじわじわ下がるかもと思っています)。
ゲンダイの記事を読みましたが、小田嶋氏の分析
>消極的支持は、他に有力な対抗馬が現れない限り、ひっくり返らないのかもしれません
が、多くの有権者を代弁しているように思います。
清廉潔白なはずの民主党に政治を任せてみたら、素人同然の政権運営で、総理が親から月1500万お小遣いもらったり、その他結構金にまつわるスキャンダルも普通にあったので、失望と後悔をした有権者も多かったように思います。
一年ごとに首相が変わる不安な世の中の代わりに、「政治家」らしい人に安定して政権運営をしてもらう。
>もともと清廉さや品格、知性を期待されていない分、ちょっとやそっとのスキャンダルはダメージにならないのです
という分析にも納得できます。
恐ろしいのは安倍後に安定さを欠いた政権が続き、人気頼みでH下のような輩が台頭してくる事態になることで、そうなれば本当の地獄を見ることになると思います。
岡田氏との国会のやり取りは、ここで取り上げている部分だけ観ましたが、「国会でこんな事に時間を使うな」という印象はさておき、どちらの言い分にも一理あるなと思いました。
たしかに甘利氏秘書の金銭スキャンダルを見ると、甘利氏が特定団体から賄賂を受け取って、その分野のTPP交渉に便宜を図ったのではないかと疑う気持ちはわかります。
しかし、「そんなことはありえない」としか答えようが無いのであれば、やはり追及する側が具体的な疑い例をつかんだ上で追及しないと、単なる言いがかりになってしまいます。
>悪魔の証明を求めて、平然としている輩が多いのです。サダム•フセインも可哀想に
まさに、「安倍ちゃんも可哀想に」という印象を有権者が持って、ますます支持率が上がってしまうかもしれません。
例えば、HPの表題にあります”Separating Law and Morality”(法と道徳の分離)ですが、コメントが1,121件も寄せられていることには驚く程です。
米国は、資本主義のメッカであり、強欲資本主義批判や、その覇権主義への批判もありますが、民衆の民主主義擁護と発展への希求は、日本とは相違して、力強いものがある、と実感します。 その未来への可能性は、否定出来得ません。
私は、この国の対米従属には反対の立場ですが、民主主義の先達としては学ぶべきものがあり、また、従属を脱した後にあっても米国との友好は、発展させこそすれ、断じて絶ってはならない、と信じています。