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気鋭の政治学者白井聡氏との対談がすこぶる面白かった栗原康氏。
『大杉栄伝ー永遠のアナキズム』で第5回「いける本」大賞を受賞した、白井氏よりさらに後輩の注目の政治学者です。
この時代に、二人してレーニンと大杉栄の話ばかりしているのですが、社会主義をよく知らない私が読んでも痛快!
気分はもう、焼き打ち——栗原康×白井聡対談【前篇】
気分はもう、焼き打ち——栗原康×白井聡対談【後篇】
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大杉栄伝: 永遠のアナキズム |
栗原 康 (著) | |
夜光社 |
暗い時代に乱れ咲く生の軌跡。米騒動、ストライキ、民衆芸術論…。破天荒な生き方というだけでは語りつくせない、その思想に光をあてた、新たな評伝の登場。
そんな栗原氏の新著「はたらかないで、たらふく食べたい」を紹介したのが、今、保守的と話題の朝日新聞(笑)の政治部次長、社説担当というから碌な人でなさそうな肩書の高橋純子記者。
しかし、彼女は朝日新聞に連載された憲法学者長谷部恭男教授と杉田敦教授の対談などを担当するなど、主に護憲派の立場の学者のインタビューをたくさんしています。
その彼女がこの本の中で感心したというのが
「ある工場のトイレが水洗化され、経営者がケチってチリ紙を完備しないとする。労働者諸君、さあどうする。」
という質問に対する答え。
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はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言 |
栗原 康 (著) | |
タバブックス |
やりたいことだけをやってはいけない、 かせがなければいけない、買わなければいけない—負い目を背負って生きることを強いられる「生の負債化」が進行する現代社会。今こそ新自由主義の屈折した労働倫理から解き放たれるとき!
労働組合の労働者なら
1 代表団を結成し、会社側と交渉する。
2 闘争委員会を結成し、実力闘争をやる。
などという答えが予想されるところ、皆さんはどうされますか。
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キ
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「船本洲治という1960年代末から70年代初頭にかけて、山谷や釜ヶ崎で名をはせた活動家は、第3の道を指し示したという。
3 新聞紙等でお尻を拭いて、トイレをつまらせる。
チリ紙が置かれていないなら、硬かろうがなんだろうが、そのへんにあるもので拭くしかない。
意図せずとも、トイレ、壊れる、自然に。修理費を払うか、チリ紙を置くか、あとは経営者が自分で選べばいいことだ――。」
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学生に賃金を |
栗原 康 (著) | |
新評論 |
ありえないほどの高学費。奨学金という名の借金。バイト・就活漬けの日々。…学生生活はなぜここまで破壊されてしまったのか!?想像してみよう、無償の大学を。万人の自由な生が花開く時空を。
その後の高橋記者の文章の展開は後掲するので読んでいただくとして、法律家に言わせれば、これが抵抗権ってやつですよ。
いま、トイレでしゃがんでいて用を足したところなのにチリ紙(ちりがみ。ちりしとも読む。昔のトイレットペーパーのこと。。。なんていう注釈いる?)がないのだから、ほかにどうしようもない。緊急事態なのだ。
人民をそのような切羽詰まった状況に追い詰めた権力の側が悪いのだ。
いま、我々はトイレで紙がないようなせっぱつまった状態に置かれているのではないか?
血税を吸い取れるだけ吸い取って、その税金で買って備えておくべきものを用意しないような政治。
安倍首相「税金は国民から吸い上げるもの」。「吸い上げた」血税は自分たちの汁にするな。正当に使え。
これに対して
4 あきらめてそのままパンツを上げて、それを汚す
5 あきらめて手で拭く(カミに見放されたものは、自らの手でウンをつかめ、ってやつ)。しかし、手を洗おうとしたら洗面所の水も出ない。
みたいな生活を甘んじてしているのが私たちではないでしょうか。
「暴れる力」を取り戻そう!
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現代暴力論 「あばれる力」を取り戻す (角川新書) |
栗原 康 (著) | |
KADOKAWA/角川書店 |
いま、わたしたちは、徹底的に生きのびさせられている。生きのびさせられるために、暴力をふるわれつづけてきた。そろそろ、この支配のための暴力を拒否したっていいはずだ。あえて現代社会で暴力を肯定しなおす!!
つまり、こういうことだ。
自己責任の名のもとに私たちを使い捨てる社会に、企業に、反撃を開始する!この国の生きづらさの根源を「働くこと」から解き明かす宣戦布告の書。
闘いのテーマは、ただたんに「生存」である。生きさせろ、ということである。
生きていけるだけの金をよこせ。メシを食わせろ。人を馬鹿にした働かせ方をするな。俺は人間だ。
スローガンはたったこれだけだ。生存権を二一世紀になってから求めなくてはいけないなんてあまりにも絶望的だが、だからこそ、この闘いは可能性に満ちている。
「生きさせろ!」という言葉ほどに強い言葉を、私はほかに知らないからだ。(「はじめに」より)
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生きさせろ!! |
雨宮処凜 (著) | |
太田出版 |
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横浜地方公聴会で「安保法案」に反対する市民らが、身を挺して議員らの車を止めたのは抵抗権の発露だ。
生活保護は生存権の具体化なのに、生活扶助費を毎年減額。寒冷地の暖房費まで減額。生きさせろ!
「俺は非暴力抵抗主義だから」
と言ったら、
「暴力をふるえる自由を持ち、なおかつ振るわないのが非暴力主義。お前は暴力がふるえないんだろ」。
去年言われて、ふるえるほど悔しかった言葉。
あばれる力を取り戻し、そして暴力は振るわない。
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P.S.
森川、今日の東京マラソン、完走だってよ、フルマラソンで。
むしろ、もう憎い(笑)。
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新聞紙でふく活動家の精神とのちがいを、よく考えてみていと思う。
だからこその発想です。
インドではホームステイしたとき、左手に水をためてお尻を洗いました。
これは今でもそういうトイレが多いです。
久しぶりに笑えて、心が高揚しました。
あなたなら、どうする?
シンキング・タイム・・・
「新聞紙で拭く。トイレなんか、詰まらせてやれ!」
答えは・・・
「おんなじだ!!」
ははは。
充分、反抗的です。
いつも、大人になりきれなくて、少し劣等感持ってます。
この記事を読んで、自分を肯定できました(大げさ)。
「はたらかないで、たらふく食べたい」、面白そうですね。次に本屋に行ったら、探してみます。
「生きさせろ」も、『積ん読コーナー』から引っ張り出して、読みましょう。
ネットを見る頻度が高いので、読書量が激しく落ちてしまいました。少し面白い本でも読んで、リハビリしないと。
それから、当方の家内は霞ヶ関で働いておりますが、デモや集会を行う皆さんの、交通法規や社会常識を守らない行為に甚だ迷惑していると申しております。
国民の権利を行使するのは結構ですが、飽くまで法律や社会常識を弁えた上で、その許す範囲内で行って下さるようお願いします。
身近な誰かを妬むでもなく
身近な誰かを蔑むでもなく
ただ自分の気持ちに正直になって
奴らに言ってやりたい。
もう、いいかげんにしろよ!
自分たちにで作った自分たちに都合のいいルールでゲームして
その結果上手くいかなかった人を「敗者」にして
「自己責任」だなんて調子にのるな!
これ以上私たちから時間を奪うな。
これ以上私たちお金を奪うな。
吸い上げたお金を自分たちに都合よく使って
足りないからって私たちにしわ寄せするな!
お前たちが戦争にいけ!そして勝手に死ねばいい。
誰も殺すな、殺させるな。
はぁ、すっきり(笑)
暴れる自由を持ちながら、暴れずに自分達の未来を自分達で選べるように、改憲は絶対阻止せねば。
リベラ・メさんが何度も尊敬するっておっしゃるだけの人物です。
が、彼女はもう偉人なので(天草四郎並み)、あまり自分と真剣に比べないでくださいね。あくまで目標として。
nanijiro-iさん、サラ金などいかがわしい商売のポケットティッシュを大量にもらって(うちのおふくろなんて二往復くらいして何個も同じ人からもらうらしい)、大企業のトイレを詰まらせてやりましょう。
バードさん、まさかドヤ街の活動家と発想が同じとは感服しました。
そのまま変に大人にならないで、すくすく育ってください。
すくなくともあなたは東大卒の弁護士や朝日新聞記者より優れもの。
むうさん、お褒めのお言葉をいただき感謝です!
お金もさることながら時間も気力体力も奪われてますよね。
楽しく生きさせろ!
個人的には、米国での、銃器規制が進捗しない根本的要因を話す折に、独立宣言にある革命権との兼ね合いで、説明するのに持ち出すことはあります。
(以下、米国憲法修正第2条)
Amendment II
A well regulated militia, being necessary to the security of a free state, the right of the people to keep and bear arms, shall not be infringed.
修正第2条
(人民の武装権)
規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。
これにあるとおり、銃器の所持は、米国憲法に定められた人民の権利なので、憲法改正に依らずして、人民の権利を制限することは出来ないのです。
何故かと言うと、独立宣言にあるとおり、人民の権利を侵害するような政府は、人民に依り倒されて当然であり、その権利を人民に保障するための「物的保障」として、人民には、武装の権利が認められている、と言う論理なのです。
抵抗権と言うより、革命の権利です。
これは、米国の歴史から観れば、当たり前でしょう。 英国からの独立を戦争に依って勝ち取った訳ですから、自己の権利は、武器を取って守るのが当然、と言う訳でしょう。
でも、刀狩りがあった日本では、馴染めないでしょうね。
この国では、手始めに、もっと、もっと、「権利のための闘争」を読んで奮い立つことが必要だと思われます。 この書を読んで、自分を鼓舞することが大事でしょう。
その抵抗権思想でアメリカに反逆くらわされたわけです。
「代表なくして課税なし」。
明日もしたたかに抵抗してまいりましょう。
サロン派の言葉は四の五の余分。