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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

橋下市長「反維新が大阪府市3港の統合に反対するのはやる気がないからだ!」←実は港の性格が全然違うw

2015年10月11日 | 橋下維新の会とハシズム

 

 2015年10月9日、大阪市議会は本会議で、橋下徹市長(大阪維新の会代表)が提案した大阪府と市の港湾施設管理の統合に関する4議案を自民、公明、共産各党などの反対多数で否決しました。

 大阪市議会に否決されたのは、大阪港と堺泉北港、阪南港3港の管理権限を、大阪府市で共同設置する府市港湾委員会に持たせ、一元管理させる議案です。


 橋下市長は、これにより港湾戦略の意思決定を速め、国際競争力を強化できると説明していましたので、本会議終了後に記者団に

「結局、統合案件をやる気がないんですよ!」

へ不満をぶちまけた!

という『「やる気がない」橋下市長がぶち切れ 大阪の3港湾統合、市議会否決でなる記事が同日、産経新聞に載りました。

橋下徹大阪市長(頼光和弘撮影)

 

 

 橋下市長としては、11月の大阪ダブル選挙に向けて、大阪府の堺泉北港と大阪市の大阪港を統合することが、まるで大阪市を解体して大阪府に統合する大阪「都」構想になぞらえることができるとイメージしていたのでしょう。

 そこで、この統合に反対する反維新派は、統合案件をしたくないだけだと激しく批判したわけです。

 ところが、「維新の天敵」藤井聡京大教授がいち早く指摘したところによると、実は、堺泉北港は石油や天然ガスなどコンテナに積まない物を扱うバルク港で、大阪港はコンテナ港なので、統合管理する意味が全くないのだそうです。

コンテナ中心の大阪港。

 

 

 ところが、神戸港はコンテナ港です。

 そこで実は、港湾運営に関する業務を一元的に担う港湾運営会社として、2012年10月、全国で初めて神戸港埠頭株式会社、大阪港埠頭株式会社が国土交通大臣から特例港湾運営会社として指定されました。

 これにより、国有財産等の貸付を受けたコンテナターミナル等の一体運営が可能になるとともに、無利子貸付制度の拡充、税制優遇などの措置を受けることができるようになりました。

 さらに、2014年10月1日に両会社は経営統合を行い、新たに画期的な阪神国際港湾株式会社が誕生しています。

やはりコンテナ港である神戸港。素人が見ても大阪港との親和性は一目瞭然だ。

 

 

 橋下市長は大阪府市統合にこだわってますが、すでに大阪港と神戸港は統合して阪神港としてやっていくという国際戦略が進んでるんです。

 大阪維新、勉強不足!(というか、都合が悪いのでわざと無視したね)。

 

 

 

 これに対して、バルク港である堺泉北港をコンテナ港である大阪港と統合管理するだなんてナンセンス!

堺泉北港から出港するJX日鉱日石タンカー(旧・新日本石油タンカー)の「錦江丸」。原油を運んでいる。

 

堺泉北港に入港する関西電力の専用LNG専用LNG(液化天然ガス)船。

確かに、石油や天然ガスはコンテナには積まないよね。

 

 

 まあ、これが橋下・松井大阪維新の会が主張してきた大阪「都」構想のいう、「二重行政の解消」の実態ですね。

 たとえば、大阪府立大学と大阪市立大学は二つあると無駄だと橋下市長らは主張したのですが、両大学は場所も遠く離れているし、歴史や学風や学部もまるで違うのですから、両方が別々に存在する意義があるのであって、統合なんて百害あって一利なしなのです。

 橋下市長は、港の統合という問題を使って、「二重行政の解消」をうたう維新に大阪W選挙を有利に運ぼうとしたのですが、馬脚を現したというか、墓穴を掘ったわけです。

 問題は、そういう真実をマスコミが掘り下げて報道しないために、声の大きい橋下市長や維新に理があるように見えてしまうことです。

 あと一か月余り、権力が欲しいだけの屁理屈や嘘を丁寧に暴いていかないとなりません。

大阪「都」構想の嘘2 二重行政解消の嘘 大阪市を解体・廃止しても「財政効果なんて意味ない」程度

大阪市を解体→5つの特別区にすると、議員数・財源・権限が減って住民自治は村以下に! 「都」構想の嘘3

 ↓   ↓   ↓

髪型も言うことも変わってしまった(笑)。



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朝日放送「教えて!ニュースのミカタ」藤井聡教授出演部分書き起こし2 大阪「都」構想の嘘3 大阪市民大損

 


確かに、藤井教授を橋下維新が目の敵にする理由がよくわかります(笑)。

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 以下、藤井聡京都学教授のフェイスブックから。ではどうぞ!

『下記、あまりにも個人的にタイムリーなネタだったので、ご紹介します。

当方、政府の仕事で、京浜港、阪神港のそれぞれの実情について、ここ数ヶ月ヒアリングを行い、それぞれの港湾の国際競争力を如何に向上し、来たるべく巨大地震に対する強靭性を如何に確保するのか......という視点の政策構想を検討しております。

その中で、港湾の連携の議論というのがあるのですが、下記に報道されている「大阪港(大阪市管理)と堺泉北港(大阪府管理)の管理権限を、(府市に)一元化する」という議論に、ほとんどメリットが無い旨を、(「既得権益者」なぞと呼ばれかねない府や市の役人では無く)第三者の政府関係者から詳しくお聞きしていたところでした。

(大阪市が管理する)大阪港はコンテナ港が中心で、(大阪府が管理する)堺泉北港はコンビナートのバルク港が中心....ということで、両者を一元管理するメリットがさほど(というか、ほとんど)見いだせない、というのが実態です。

(※ コンテナとは、モノを入れる箱、のことで、その箱を扱う港がコンテナ港です。

 で、バルク港とは、石油やガス、鉄鉱石等、コンテナに入れないモノを扱う港です)

むしろコンテナが中心の神戸港と大阪港は、連携するメリットが大きく、したがって、全国に先駆けて、神戸・大阪の両港を一元管理する民営会社が設立され、画期的な港湾共同運営が実現している、というのが、現状です(!)。

そこに、コンテナとまったく発想の違うバルクが主力の堺泉北が参入しても、何をどうやればいいのか、ほとんどナンセンスだ....という事になっているという次第です。

意味があるとすれば、「府と市の事業が二重にあるのは無駄だ、港湾だって例外じゃない、だから、大阪港と堺泉北港を一体管理して、無駄をなくすんだ!」っていう、机上の空論を、現場の実情をみずに教条的に繰り返す勢力にとってみれば、「統合することが政治的成果になる」という意味があるでしょう。

さらには、現場の実情を主張する人々に対して「こいつらは改革に抵抗する既得権益者だ!」と政治的に攻撃するという意味があるでしょう。

逆にいうと、そういう「政治的アピール」以外に、港湾行政上、さしたるメリットを見出し難いのが、港における府市統合問題(大阪港と堺泉北港の統合管理問題)なのです。

....ホントに、いいかげん、(誰とは言いませんが)エエカッコしぃだけで政治するのはやめてもらわないと、大阪が沈没し、日本が巨大地震で破壊されてしまいます.....

まずは本件の「真実」を、一人でも多くの人々に、知っていただきたいと思い、メッセージ差し上げました。

 

 

阪神港(神戸港・大阪港)での取り組み
Efforts at Hanshin Port (Kobe Port and Osaka Port)

 国際コンテナ戦略港湾である阪神港において、我が国と北米・欧州などを直接結ぶ国際基幹航路の寄港を維持・拡大するため、両港のハブ機能の強化に向けたコンテナターミナルなどのインフラ整備や、両港への貨物集約、港湾運営の民営化等のハード・ソフト一体となった総合的な施策を集中して実施することで、その機能強化を図ります。


<ハード対策>
ハブ機能の強化のためのインフラ整備
  • 神戸港六甲アイランド地区及び大阪港夢洲地区において、既存岸壁の延伸、増深改良の機能強化を実施し、コンテナ船の大型化に対応した国際水準仕様(水深・広さ)を有するコンテナターミナルとしての機能を確保します。




<ソフト対策>
西日本地域からの貨物の集約
  • 欧米基幹航路への輸送において、西日本の港湾から釜山港等アジア諸国でトランシップされている貨物を阪神港に集約するため、フィーダー輸送機能の抜本的な強化を図るべく、広域からの貨物集約を推進します。



    「民」の視点を取り込んだ阪神港の一体運営の実現
  • 港湾運営に関する業務を一元的に担う港湾運営会社として、平成24年10月、全国で初めて神戸港埠頭株式会社、大阪港埠頭株式会社が国土交通大臣から特例港湾運営会社として指定されました。これにより、国有財産等の貸付を受けたコンテナターミナル等の一体運営が可能になるとともに、無利子貸付制度の拡充、税制優遇などの措置を受けることができます。また、平成26年10月1日に両会社は経営統合を行い、新たに阪神国際港湾株式会社が誕生しました。





 

2015.10.9 22:49 産経新聞

「やる気がない」橋下市長がぶち切れ 大阪の3港湾統合、市議会否決で 

橋下徹大阪市長(頼光和弘撮影)


 大阪市議会は9日の本会議で、橋下徹市長(大阪維新の会代表)が提案した大阪府と市の港湾施設管理の統合に関する4議案を自民、公明、共産各党などの反対多数で否決した。「維新」対「自民を中心とした非維新」を軸に争う11月の知事、市長のダブル選告示まで1カ月を切り、両陣営の舌戦も過熱している。

 「結局、統合案件をやる気がないんですよ」。議場の橋下氏は、否決の様子を憤然とした表情で眺め、本会議終了後に記者団へ不満をぶちまけた。

 否決されたのは、大阪港と堺泉北港、阪南港の設備管理や振興計画策定などの権限を、府市で共同設置する府市港湾委員会に持たせ、一元管理させる議案。市側は、港湾戦略の意思決定を速め、国際競争力を強化できると説明する。

 これに対し、自民の山本長助市議は、市側の提案による統合効果を疑問視。市が府から事務委託などを受ける方式の検討を求めた。

 否決について、市長選候補のうち、本会議後に市議辞職願を提出した柳本顕氏=自民推薦=は「都構想ありきの対応だ」と橋下氏の姿勢を批判した。一方、橋下氏の後継候補の吉村洋文氏は「まず一歩を踏み出すべきだった」と語った。

 港湾統合は、府市と堺市による大阪戦略調整会議(大阪会議)でも橋下氏や松井一郎知事(維新幹事長)が議題としたい意向で、開会中の府議会でも審議される予定だ。市議会の否決について、再選をめざす松井氏は「大阪会議で議論せずにどんどん否決。おかしなやり方だ」と批判。知事選に出馬する自民府議の栗原貴子氏は「否決させて批判する。政局利用がみえみえ」と反発した。

 市議会は他に、府市の環境・工業系研究所の統合議案も否決。総額17億2967万円の平成27年度一般会計補正予算は可決した。

 

 

橋下市長の府市統合案をまた否決…大阪市議会

2015年10月10日 読売新聞

 大阪市議会は9日、大阪府・市がそれぞれ持っている港湾や研究所の「統合議案」を、自民、公明、共産など野党側の反対多数で否決した。

 否決されたのは、▽市管理の大阪港と府管理の堺泉北、阪南両港▽市立環境科学研究所と府立公衆衛生研究所▽市立工業研究所と府立産業技術総合研究所――を統合、一元化する議案。過去にも否決されているが、「二重行政の解消に必要」とする橋下徹市長が再提案していた。

 野党側は9日の議会で、「それぞれの役割があり、統合の必要はない」「メリットが不明確」などと反対の理由を述べた。橋下氏は否決後、記者団に「反対の理由がわからない。(二重行政を解消するため)大阪都構想を進めるしかない」と語った。

2015年10月10日 Copyright © The Yomiuri Shimbun



2015年10月10日(土) しんぶん赤旗

大阪市議会 橋下市長提案を否決

市立幼稚園廃止・民営化など

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(写真)反対討論を行う瀬戸市議=9日、大阪市議会本会議

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(写真)反対討論をする小原議員=9日、大阪市議会本会議

 大阪市議会本会議が9日開かれ、橋下徹大阪市長が提案した市立幼稚園8園の廃止・民営化議案のうち7園=海老江西(福島区)、玉造(中央区)、五条(天王寺)、野里(西淀川区)、新高(淀川区)、城東(城東区)、墨江(住吉区)=について、「維新」以外の全会派で否決しました。堀江幼稚園(西区)については採決を見送りました。

 議会が統合を否決し、住民投票でも「二重行政ではない」と審判が下ったにもかかわらず、またしても橋下市長が提案した、大阪市の大阪港と府の堺・泉北港、阪南港の管理一元化の議案や、市立環境科学研究所と府立公衆衛生研究所の統合・独立行政法人化に関する議案、市立工業研究所と府立産業技術総合研究所の統合などに関する議案を、「維新」以外の全会派で否決しました。また、橋下市長が議会で否決されても地下鉄・市バスの民営化を強引に進めようと提出した民営化をするための手続き条例案は、この日は採決されませんでした。

 本会議では、日本共産党の瀬戸一正市議がマイナンバー制度実施のための一般会計補正予算案と関連条例案に反対討論、小原孝志市議が港湾の一元化に反対する討論をそれぞれ行いました。その中で瀬戸市議は、校舎等の施設を維持し補修するために計上された教育費については賛成を表明しました。

 大阪市立大学と大阪府立大学の統合関連議案が同日の本会議に上程され、委員会付託されました。

 



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2 コメント

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Unknown (とら猫イーチ)
2015-10-11 22:30:52
 橋下維新が言うところの「改革ごっこ」は、従来から地方(痴呆)自治体の長が行って来たところの似非行革の亜流なのです。

 従来は、当選した首長が実績作りで、当該自治体の中でやっていたので、簡単に出来ることでした。

 例えば、水道課(部でも局でも同じです)と下水道課を廃して、上下水道課にして、1課を行政改革で廃止し、行政機構をスリムにしました、と市民(県民でも府民でも同じ)を謀るのでした。 

 橋下維新は、より行政改革らしきものを大きく見せようとしているだけで、その謀りの手法は、同じ穴のむじなです。 

 そう言う眼で見れば、どこの自治体でも「組織改編」なり「行政機構改革」なりをしていますでしょう? 
 
 実際には、それらは、組織機構の名称を変えているだけで、中身は全く変わりませんし、変えることが出来よう筈もありません。 

 国民(市民、府民、県民)も好い加減に眼を覚まさねばなりません。 行革ごっこに長年付き合って来て何を得ることが出来ましたか? 空虚な時間のみが経過しましたが、何も変わっていません。 いったい、何時までお付き合いをするのでしょうか。

 看板を 変えて偽る 維新かな ・・・・なんちゃって。
返信する
完全に酔っている (リベラ・メ)
2015-10-13 10:31:27
この人、完全に自分に酔ってますね。「世の中を変えるために選ばれた、“正義のHERO”しかも、味方がいない孤立無援の闘いを強いられている自分、反対派は全て己の敵、彼等は、今正に、自分を潰そうとしている、さあ、その姿を見てくれ、W選挙で倒そうぜU+203C」みたいな。
返信する

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