「政治資金オンブズマン」の調査によると、その詳細は次の通りだ。

2012年11月16日~同年12月16日まで休職(第46回衆議院選挙期間にあたる時期)

2013年6月21日~同年7月21日まで休職(第23回参議院選挙期間にあたる時期)

2013年8月1日~同年9月30日まで休職(堺市長選の直前2カ月)

2014年11月21日~同年12月14日まで休職(第47回衆議院選挙期間にあたる時期)

2015年3月19日~同年5月17日まで休職(大阪都構想住民投票の直前2カ月)

さらに大阪都構想の是非をめぐって、「出直し市長選」を強行するために橋下市長が辞職を申し出た後の2014年2月15日に奥下氏は退職し、選挙後の3月24日に再採用されている(退職金105万8585円が支給された)。国政選挙、地方選挙の度に休職して橋下氏の選挙活動を手伝っていたと思われる。

「政治資金オンブズマン」の谷真介弁護士が、奥下特別秘書に支給した金額の明細について大阪市に情報公開請求、給与1372万8050円、地域手当137万2795円、さらにボーナス471万7758円と退職金105万8585円が支給され、その合計は2087万7188円に及んでいることがわかった。

橋下徹後援会の奥下素子会長と息子の奥下剛光氏(市長の特別秘書)が、パーティ券
あっせんしたことを示す2008年の政治資金収支報告書。(写真アジアプレス)


不透明な奥下秘書の勤務実態
さて、それでは橋下市長の特別秘書の奥下氏は、本当に大阪市の仕事をしていたのか?

「政治資金オンブズマン」は、大阪市に奥下氏の勤務状況を情報公開請求したところ、市は2012年12月に回答。出勤を示す文書やタイムカードなどはなく業務内容を示す文書もなし。さらに秘書が会議などに参加したことを示す文書も、公務に関する活動をしていたことを示す文書もなかった。

そのため、2013年5月に大阪市民から、奥下氏の採用は市長の裁量権の逸脱だとして、奥下氏への給与の支払いの停止と既に支払われた報酬のうち629万円余りの返還を求める訴えを大阪地方裁判所に起こされている(現在係争中)。

「政治資金オンブズマン」の谷真介弁護士の話
「橋下氏と関わる選挙の度に休職と復職を繰り返している実態から、奥下特別秘書が大阪市民の税金を使って、大阪市の仕事ではなく、維新の会の仕事をしていたとみなされても仕方がない」

「政治資金オンブズマン」の阪口徳雄弁護士の話
「橋下市長の『身を切る改革』が、自らの足元では全く行わず『口からでまかせ政策』であることは、この奥下特別秘書への給与、ボーナス、退職金の支給実態が証明している。橋下氏は他人に対しては厳しく罵倒するが、自分のことになるとダンマリか開き直りばかりだ」

もっと多くの記事は、アイ・アジアでご覧になれます。 
http://www.npo-iasia.org

 

◆「勤務実態も不明 600万超の給与支払いは不法」とも

大阪市の橋下徹市長が条例を制定して、自身の後援会幹部の息子を市の職員として雇用している問題が司法の場で争われることになった。2日、大阪市の住民が、この職員の採用は市長の裁量権の逸脱だとして、職員への給与の支払いの停止と既に支払われた報酬629万円余りの返還を求める訴えを大阪地方裁判所に起こしたのだ。(アジアプレス編集部)

奥下秘書問題に関する質問に憮然として答える橋下大阪市長 3月11日 撮影リ・シネ
訴えを起こしたのは大阪市に住む10人。原告が問題としているのは、橋下市長が2012年1月に新たに市の条例を作って採用した特別秘書の奥下剛光氏についてで、ポイントは次の3点。

 

1市条例を作って特別秘書を雇っているケースは他の政令指定都市ではなく、大阪市だけが行っている極めて異例な措置だ。

雇用された奥下氏は橋下市長の選挙を実質的に支える一族の人間であり、採用の根拠も示されておらず不透明だ。

報酬が課長職級の給与と高額であるにも関わらず、その勤務実態を示す記録が一切なく不適切だ。
 
裁判所に提出された訴状などから、更に具体的に説明しよう。

1については、非政府組織(NGO)の「政治資金オンブズマン」が全国の政令指定都市を調べたところ、仙台市とさいたま市では同様の条例が制定されているが、実際に特別秘書は採用されていなかった。つまり大阪市だけで行われている措置だという。

2については、大阪府選挙管理委員会に提出されている橋下市長の政治資金収支報告書を調べればわかる。まず、奥下秘書の母親が橋下市長の後援会の会長であることを指摘しなければならない。

それだけではない。「橋下徹後援会」の2008年から2012年までの4年間の政治資金収支報告書を見ると、奥下秘書の親族が3479万円を支出している。これは4年間に集められた政治資金総額の3割ほどになる。

この数字を、奥下氏が秘書として採用される前の2008年から2011年までの3年間で見ると、実にその割合は5割を超える。特別秘書として採用された奥下氏は、橋下市長の最大の後援者なのである。

最後の3は、少し長くなるが詳しく説明する必要がある。これも「政治資金オンブズマン」による大阪市への情報公開請求で明らかになった。請求された文書について大阪市は、「存在しないため」との理由で非公開決定としたのだが、大阪市が「存在しない」としたのは以下の文書だった。

・特別職の秘書の業務内容を定めた文書
・その職に奥下氏を採用した理由などを記載した文書
・奥下秘書の出勤状況を示す文書
・奥下秘書の従事した業務内容を記載した文書
・奥下秘書が参加した会議、行事などを記載した文書 
・奥下秘書が関与した活動について記載した文書


※ 詳細資料 (PDFファイル)
住民監査請求書
公開請求に対する大阪市の「不存在による非公開決定通知書」


通常、役所で会議が開かれれば、その出席者は記録として残る。それが無いということは、奥下秘書は大阪市の業務に関わっていないのではないか、という疑いが生じる。

そして報酬だが、これについても、大阪市が「政治資金オンブズマン」の情報公開請求に応じて明らかにしている。

その報酬は課長職のもので、月給は最初の年が毎月40万円前後。賞与は最初の年の夏の賞与が81万円余りで、冬が74万余り。この冬の賞与は選挙に伴う1ヶ月の休職期間を加味しての額だ。

これらの問題と疑惑について住民監査請求が起こされたが、2013年4月5日、大阪市監査委員会は「監査の対象とならず」として訴えを退けている。「調べる必要無し」という判断だ。今回の裁判所への提訴は、監査委員会の決定に納得しない住民が起こしたものだ。

提訴について弁護団長を務める阪口徳雄弁護士は次の様に話している。

「橋下市長は表向き公務員の給与改革と声高に叫んでいるが、実は裏で自分の後援会を支えてくれた幹部の息子を大阪市の特別秘書に採用していた。同秘書への給与は年間600万円余りにのぼるが、その奥下秘書が日常どのような仕事をしているか、全く明らかにされない。本裁判の目的は奥下特別秘書の採用の背景、その秘書の日常の実態を公開の法廷で明らかにすることである」

一方の橋下市長は、3月11日に大阪市役所で行われた会見で「奥下氏が後援会の有力者の息子だから、特別秘書に採用したのではないか?」と問われ、
「全然問題ない。『特別職』だから。秘書としての能力が特に優れていた、それでいいじゃないですか」
と答えている。

また、奥下特別秘書に勤務実態示す出退勤簿(タイムカード)や業務内容を記した文書が一切ないことについて、
「特別職だから必要ない」
と述べていた。

 

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橋下市長の政治金収支報告書。(写真をクリックすると拡大されます)

 

※ 詳細資料 (PDFファイル)
「橋下徹後援会の政治金収支報告書」 2008年度分
「橋下徹後援会の政治金収支報告書」 2009年度分
「橋下徹後援会の政治金収支報告書」 2010年度分

 

 

橋下徹大阪市長に“暗雲”特別秘書の勤務実態を問う住民訴訟で、裁判所が異例の命令

日刊サイゾー 2015.03.10 火

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橋下徹・大阪市長

 統一地方選、都構想の是非を問う住民投票と、今年が正念場といわれる橋下徹・大阪市長。ところが、その前に意外なところから“暗雲”が立ち込めたようだ。

 その“出所”とは、大阪地裁第2民事部。2月27日、異例の命令が出されたのだ。在阪ジャーナリストは説明する。

「2013年5月、橋下市長の特別秘書、O氏に対する給与の支出が違法、無効であるとの住民訴訟が起こされました。以来、1年9カ月にわたった裁判で、裁判所が異例の判断を下したのです」

 O氏は、橋下氏の後援会会長の息子という、いわくつきの人物。勤務実績や普段の行動が見えにくいことから、「本当に秘書の仕事をやっているのか」といった声が漏れ伝わっていた。そこで起こされた裁判で、要は本当に秘書として働いていたのかどうかが争われたわけだ。

 その争点で、カギとなったのが「メール」だ。市長から秘書への指示は普段、どうやっていたのか。通常、文書やメモがあるものだが、橋下市長側は「すべてメールでやり取りをしていたから文書やメモは一切ない」とし、メールについて所持している(残してある)かとの質問に対し、橋下氏、O氏共に「所持している(残してある)」と回答している。

 ところが、そのメールの提出について橋下氏は「提出できない」と回答。その理由については「現在の市長業務の状況から、私個人が作業をするのは困難です」。

 さらに、橋下氏は上記のメール提出拒否の理由とともに、このようなことも書き記している。

「市役所を通じて送信したものは、市役所から出させます。O個人に直接送信したものはOから出させます」

 さらに、O氏の回答書には、裁判所への提出について「提出できる」としている。

 つまり、こと細かに市長職をサポートするよう、指示した内容のメールを提出すれば、疑惑が晴れるというわけだ。

 ところが、肝心のメールは出てこなかった。原告側弁護団の一人の弁護士は語る。

「公務の指示、つまり公文書といっていい資料を、任意で提出してこなかった。そこで業を煮やした裁判所は、メールを提出せよという異例の命令を下したのです」

 ちゃんと秘書の仕事はやらせている、正当な雇用だとしたものの、それを証明するものが出てこない。果たして、本当にメール自体が存在するのか、メールに指示内容が書かれていたのか。いくつもの疑問が残る中、時間は過ぎていく。今回の裁判所の決定は、14日以内に提出せよとの命令なので、期限は3月13日。

 前出のジャーナリストは語る。

「まさか、橋下氏側は抗告なんてしないでしょう(苦笑)。早くメールをすべて提出してすっきりさせ、統一地方選や住民投票に向けての準備に専念してもらいたいものですね」

 

 

喫茶店で10分休憩もダメ!?大阪市、職員3人を懲戒処分

2012.8.9 19:30 産経新聞

 大阪市は9日、外回りから職場に戻る途中、1~3回にわたり喫茶店に10分程度立ち寄った ことが地方公務員法上の職務専念義務違反などに当たるとして、固定資産税の滞納調査などを担当する財政局の男性職員(35)を減給1カ月、男女職員3人を 戒告の懲戒処分にしたと発表した。

 市によると、喫茶店での短時間の休憩を理由とした懲戒処分は前例がないが、橋下徹市長が職員の服務規律の厳格化を唱える中、「処分規定を厳しく適用した」としている。

 処分された4人は昨年秋~12月、調査先から市税事務所に戻る途中、喫茶店に立ち寄った。

 今年3月、市に匿名の通報が寄せられて発覚。4人は聞き取りに「税滞納者への説明で疲れてのどが渇き、職場へ戻る前に頭を切り替えようと思った」などと説明、処分への不服は申し立てていないという。

(後略)

 

松井知事の「身を切る改革」/「退職金ゼロ」→実は給料に上乗せ→ボーナス増えて手取り増

 府の特別職報酬審議会が31日、府公館で開かれ、松井一郎知事が諮問していた府知事らの退職金や給料について1日、知事に答申、松井知事もこれを受け入れる方向だと言います。

 マスコミ各紙はこれをうけて「大阪府知事退職金、全国初の『ゼロ』へ」(「産経」)、「大阪府知事の退職金廃止へ 月給に上乗せ」(「朝日」)など、あたかも、知事が自らの退職金廃止を全国に先駆けておこなうかのような報道がなされています。

 ところが実際には、知事の受け取る年間総額は増える計算です。
 知事は「民間と報酬のあり方について、非常に近くなってきてよかったです」などと語っていますが、実質賃金が減少し、消費抑制を強いられている市民の感覚と、離れているのは知事のようです。
 維新の会の「身を切る改革」の実像が姿を表した格好です。

 現行の知事給料は月額131万円で夏・冬の一時金を加えると年額2177万2200円になります。
 実際には3割カットを実行しているので月額91万7千円、年額1524万0540円です。

 今回の報酬審議会答申は、退職金をなくすかわりに、その分を月額の給料に上乗せして支給しようというもの。
 現行の1期4年の退職金1257万6000円をなくすかわりに48カ月で割り込んだ26万2000円を現行の131万円に上積みし(若干減額)152万円にしようというものです。

 退職金がなくなった分、知事への支給総額は減りそうなものですが、毎月の給料月額が上昇しているため、それをもとに算定する夏冬の一時金が増額。結局、知事が手にするお金は増えることになります。




 

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