サンクコスト 埋没費用。規模の問題。社会実験、ボトム。 マキャベリ
サンクコスト 埋没費用
サンクコスト 埋没費用
鈴木健:
いや、つまり議論をなめらかにしたいんですよ(笑)。対立するんじゃなくて両方認めることはできないものか。社会実験はもっとやるべきだと思っていてですね、たとえば経済特区*7といったものですね。またアメリカは州ごとに勝手に法律をつくって、うまくいくようならば全州に受け継がれるという仕組みがある。だからアメリカは発展できたと思うんですね。そして日本では中央集権性が強かったので、そういうことはあまり出来なかったわけです。ただ、これからの日本はいろいろそのあたりも変わってきますし、社会実験をもっとボトムレイヤーから盛り上げていこうという気運が高まっている。これはいいことだと本当に思う。
ただ、安全保障とか社会保障の一番下のレイヤーの話がある。自然権や革命権、あるいは戦争をどうするのか、餓死したらどうするかといった話が絡んでくると、非常にエグイわけです。でも、そういうエグイ話以外のレイヤーというのは社会にはたくさんあって、エグイ部分は5%の人たちがずっとその問題に取り組まないといけない。これは仕方がないのかもしれない。ただ残りの95%は、面白さを追求していくというのはいいことだと思いますよ。
楠:
すごく大事なことだと思いますが、そのためにはですね、政策が失敗することもあるということを積極的に認めていく必要がありますよね。
鈴木健:
認めなきゃいけないですよ、もちろん。人間がやってるんですから、しょうがないよね(笑)。
村上敬亮:
そうだそうだ(笑)。
石橋:
地方分権というのは本来そういうことだったわけですよね。
楠:
井庭さんもおっしゃったように、サンクコスト(埋没費用)*8が大きくなればなるほど引き返せなくなるというのは、経済学的にはそういうものなのかもしれない。でも、そうではない道筋をつけられないかということですよね。
鈴木健:
さきほど東さんが指摘した規模の問題も、サンクコストと似た話ですね。