ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

マイベストシネマ2006

2006-12-29 00:45:00 | 映画全般
 2006年、劇場へ足を運んで見た映画のベストテンを今年もやってみよ~(^o^)

 テレビやDVDで見た映画は含まない。今年は43作品で、そのうち20作品が邦画だった。もうすこしで5割を超えるところだった。最近の邦画は面白い。今年は「絶対これ!」というのが見つからなかった。でも、いい映画はたくさんあって、ベストテンに入れたいか入れたくないかは、わりと分類しやすいが、ベストテン候補が20本以上あったりして、その中で無理やり順位をつけるのは難しい。ついこのあいだ見た映画と、1年近く前に見た映画では、印象に残っている程度が違うので、なおさら迷う。だからほとんど気まぐれに近い番付になってしまった。でへ、でへへ。でへへへ、でへへ、でへ、で。

 1 :硫黄島からの手紙 / アメリカ人が作った、日本人の映画だな。
 2 :長い散歩 / 見たばかりだから印象が強いのもあるけど、泣けた。
 3 :THE 有頂天ホテル / すごく面白かった。
 4 :ユナイテッド93 / 休みなく続く緊迫感がよかった。
 5 :DEATH NOTE 前編 / テーマが印象的だった。
 6 :嫌われ松子の一生 / 転落人生を演じた中谷美紀がよかった。
 7 :花田少年史 幽霊と秘密のトンネル / バカだけどおもしろかった。
 8 :プロデューサーズ / これもバカなミュージカルだった。
 9 :日本沈没 / 小松左京に乾杯。
10 :パプリカ / 筒井康隆に完敗。

 以下、順不同。

カジノ・ロワイヤル / 意外といつもどおりで迫力があった。
武士の一分 / 徳平じいさんがよかった。
UDON / 見終わってからうどんを食いに行ってしまった。
ワールド・トレード・センター / よかったけどユナイテッドのほうを選んだ。
父親たちの星条旗 / よかったけど日本人だから硫黄島のほうを選んだ。
地下鉄に乗って / ちょっとノスタルジックだった。
寝ずの番 / すごくわいせつでくだらなくおもろかった。
サイレン / サイレンの音が怖かった。
時をかける少女 / 筒井作品にしては垢抜けているA級アニメ。
日本以外全部沈没 / 筒井作品はこうあるべきという顰蹙的C級問題作。
X-MEN:ファイナルディシジョン / 3作目はド派手だった。
グエムル 漢江の怪物 / 怪物の姿がよかったけど、悲しい場面で笑った。
太陽 / イッセイ尾形の一人芝居。
スーパーマン リターンズ / 新型スーパーマンも役にはまっていた。
ゲド戦記 / ジブリ的な雰囲気はあった。
M:i:3 / 張り切りすぎて面白い。この映画は自動的に消滅する。
トリック劇場版2 / あいかわらずあほな映画。
インサイド・マン / インサイドってそこだったのか。
間宮兄弟 / そこはかとなく軽微な笑い。
ダ・ヴィンチ・コード / 前評判が高すぎた。
ピンクパンサー / スマートに笑えた。
ファイヤーウォール / ご老体ハリソンが気の毒にみえた。
ナイト・ウォッチ / ロシアSF,それなりに面白かった。
サウンド・オブ・サンダー / タイムトラベルモノは好き。
イーオン・フラックス / シャーリーズ・セロンのせくしい。
PROMISE / 真田広之はかっこよかったが、マンガみたいな映画。
ジャーヘッド / 手持ち無沙汰な米軍兵士の話。
フライトプラン / 意地でも娘を取り返すジョディ・フォスターはかっこいい。
レジェンド・オブ・ゾロ / 出たぞ怪傑ゾロ! 来たぞ解決ゾロ!
トゥモロー・ワールド / 意外に重い映画だった。
DEATH NOTE 後編 / 戸田恵梨香がよかった。
クリムト / ちょいと眠かった。
Tokyo Loop / オムニバスアニメーションだもん。
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TOKYO LOOP

2006-12-26 00:45:49 | 映画[た]

TOKYO LOOP オフィシャルサイト

 16人のクリエイターによる1時間ちょっとのオムニバス・アニメーション。東京をイメージした作品、と思えるものや、ぜんぜん思えないものや、雑音で気が狂いそうな作品や、目がチカチカして気が狂いそうな反則作品や、あれや、これや、それや、どれや、いろいろあった。

束芋 「公衆便女」・・・原美術館でやってたやつの改造ダイジェスト版みたいな小作品だった。

和田淳 「声が出てきた人」・・・鼻くそが出そうな、すこぶる意味不明で不思議なアニメだった。

清家美佳 「釣り草」・・・ブドウを食う女と釣られる男、妙な雰囲気がよかった。

しりあがり寿 「イヌトホネ」・・・変な歩き方のイヌに笑った。

佐藤雅彦+植田美緒 「TOKYO STRUT」・・・ドット・ラインアートのリズミカルな面白さが出ていた。
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長い散歩

2006-12-23 23:58:26 | 映画[な]

長い散歩 オフィシャルサイト

 人生は長い散歩。愛が無ければ歩けない。奥田英二監督。緒形拳主演。定年退職した初老の男が、家庭の事情でアパート暮らしを始めるが、隣家で虐待を受ける少女を見るに見かねて、空を見つけに、自分を探しに、一緒に旅に出る。そんなメルヘンチックなことばかりを言ってもいられず、誘拐事件として警察も動き出す。虐待される少女は新人子役の杉浦花菜。虐待する淫蕩女をエロい美人の高岡早紀が演じる。やるせないが、すごくいい。いろいろ考えさせられる映画で、緒形拳がいい味を出している。背中に羽をつけた少女が、映画のテーマを象徴しているようでインパクトを強くしていて、まさに天使のようなその姿が涙を誘う。
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ビル・ヴィオラ展

2006-12-17 23:47:45 | 美術[は]
ビル・ヴィオラ:はつゆめ@森美術館

 六本木ヒルズの森美術館に、ビル・ヴィオラ展を見に行った。アメリカのヴィデオ・アーティスト。短い時間をスローモーションで再現した作品が多い。その中で下記の3作品が気に入った。

「ストッピング・マインド」・・・四方のスクリーンに映された静止画像が突然大音声とともに崩れ落ちるような映像になる。この繰り返しだが、最初はかなり不安定な気分になる。効果満点だ。

「オブザーヴァンス」・・・列を作った人々が入れ替わり立ち替わり何かを見ながら悲しげな顔で去って行くスローモーション映像。何を見ているのかは判らないので、観覧者があれこれ想像を巡らすことになる。いったい彼らは何を悲しんでいるのか。何を気の毒がっているのか。

「ラフト/漂流」・・・十数人の人々が立っているところに左右から物凄い勢いで放水される。慌てて転ぶ人や逃げ惑う人の動作や表情などの短時間の様子がスローモーションで再現される。

 他のスローモーション作品でも、普通のスピードでは見えない、微妙な表情などの変化にポイントを置いている。あまりにも遅くて写真に見えるような作品もある。根気良く見ていると微妙に変わっていくので、逆に、写真が動いたような不思議な錯覚にとらわれる。
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千住博展

2006-12-14 23:58:13 | 美術[さ]
 山種美術館に千住博の、フィラデルフィア「松風荘」襖絵を見に行った。行くつもりはなかったんだけど、日曜美術館で制作風景をやっていたので、見たくなってしまった。白いアクリル絵の具を上からたらして、滝の水を描くという安易な手口だが、それで「絵」が完成する。重力の力を借りて、その偶然性も生かして、アクリル絵の具とエアブラシという素材や道具を使って描く「日本画」。それが妙な抽象画にならずに、水しぶきの立つ滝の絵になっているから面白い。フィラデルフィアには行かないだろうから、これで見納めである。

 「博」は右上の点が無い漢字だそうで、IME泣かせな「博-、」である。

http://www.hiroshisenju.com/
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硫黄島からの手紙

2006-12-09 23:19:09 | 映画[あ]

硫黄島からの手紙 オフィシャルサイト

 クリント・イーストウッド監督の硫黄島2部作。ふたつめは日本人側からみた硫黄島決戦。「父親たちの星条旗」には、ギターを弾くシーンがあったり、華やかなパレードシーンがあったりして、ほっと一息つけたり、気楽な日常場面を垣間見ることができたりするが、敗戦色の濃い日本人には息つく暇も無い暗さがつきまとう。「父親たちの星条旗」では星条旗が明るい話題の種として存在したが、「硫黄島からの手紙」には明るい種が何も無い。援軍は無い、水も無い、食料も無い、勝ち目も無い、なにもない。日常の回想シーンでさえ憲兵が目を光らせて、冗談ひとついえないような緊張した雰囲気だからしかたない。その中を、御国の為と散って行くのだから、さらに暗い。この映画も死ぬ場面は壮絶で、なおまた暗い。このチャキチャキの日本人映画がアメリカ人クリント・イーストウッドによって作られたってのが、なんか凄い。ともあれ、渡辺謙の栗林忠道中将はかっこよかった。いちばんこわかったのは愛國婦人会のおばさん・・・

 ついでに今夜フジテレビでは「戦場の郵便配達」というドラマをやっていて、硫黄島まで電車男が手紙を運んでいた。
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武士の一分

2006-12-06 00:09:54 | 映画[は]

武士の一分 オフィシャルサイト

 キムタク主演のいちぶん映画。毒見役の武士キムタクが毒に当たって盲目になってしまう。そしてキムタクにはキリタイネズミがあらわれる。とはいえ、盲目の座頭市みたいに手当たり次第に切り捨てるような映画ではない。いやいやながら毒見役をしなければならない下級武士の生活を描いた作品。徳平じじい役の笹野高史がおいしい役どころを演じていて、ところどころに笑いも織り交ぜて、見やすい映画にはなっている。エンディングもスパっといさぎよくていいやね。なんかお年寄りがたくさん見に来ていた。さすが時代劇である。
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ダリ回顧展リターンズ

2006-12-05 22:41:07 | 美術[た]
ダリ回顧展@上野の森美術館

 平日の午後で、意外に混んでいなかった。もう一段落したのかな。9月に行った時に図録も絵はがきもフィギュアも買っちゃったので、今回は食い物に走った。「ごまたまご」と「チュッパチャップス」。「ごまたまご」なんてダリ展の紙プレートをくっつけただけで、わざわざダリ展で買わんでもいいようなものだが、ダリ展でもなけりゃ買わないかもしれないので、たまたまたまごがあったから買ったというものである。

 ミヅマアートギャラリーで、山口晃の展覧会「ラグランジュポイント」が始まったので、ちょっと行って、5階で青い顔をした美人の持国天に見とれて、2階でたくさんの兵士に取り巻かれて帰ってきた。

 ときは今  ゴマが舌汁  師走かな
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デザイン・フェスタ vol.24

2006-12-03 23:56:41 | 美術[た]
 東京ビッグサイト「デザインフェスタVol.24」に行ってきた。「GEISAI」と似たような感じだが、表彰式とかいうものが無く、芸能人呼んできたりもしないので、その分、まったりした雰囲気がした。自作ものなら何でもありってことで、コミケみたいなのもあり、フリマまがいなのもあり、ライブステージあり、パフォーマンスあり、焼きたてメロンパンありで、もうあかちゃかごちゃごちゃであった。

スイカの彫刻 http://members2.jcom.home.ne.jp/mzm-silkroad/
粘土の動物 http://25plan.com/
はなみず屋 http://www.asahi-net.or.jp/~sa6s-hsn/
ひげラク商店 http://www.pleasure-p.co.jp/higeraku/index.htm
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カジノ・ロワイヤル

2006-12-02 21:41:44 | 映画[か]

007 カジノ・ロワイヤル オフィシャルサイト

 ジェームズ・ボンドが007になりたての頃の物語という設定だが、そんなことは、黙っていればわからないようなストーリー展開。時代も現代だし、ちょっと無鉄砲でやりたい放題で人殺しが大好きな新人ボンドをMがたしなめたりするくらいで、あとはいつもと同じである。懐かしいアストンマーチンDB5も登場。相変わらずの、一難さってまた一難、迫力満点のスピーディな展開は時間を感じさせないが、2時間半の長さはトイレを我慢するにはけっこう大ハードである。水の飲みすぎに注意。映画の途中でトイレに立ったことは、今までに1度しかない。1分でも見逃したくないし・・・何のハナシだ?

 いつものようにすごく大掛かりでかっこいいんだけど、
「そうきたか、でも、やっぱ、こうなるんだろうなぁ・・・あ、やっぱり」
みたいな感じに、先読みできてしまったりするするのは、寅さんシリーズの宿命だからしかたないかな。ダニエル・クレイグの6代目新ボンドは、最初のほうこそ、「こいつが犯人だな」と言いたくなりそうな悪役っぽいツラに見えるが、だんだん慣れてくる。もしこの人で何作も続ければ、それが当然みたいになるのだろう。何作も続くかどうかは知らんけど。
バスルームで座っているシーンがよかった・・・
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