マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『TAJOMARU』

2009年07月06日 | 映画
ユナイテッド・シネマ豊洲で、小栗旬主演の『TAJOMARU』の完成披露試写があったので出かけた。

日曜日の朝に完成試写があるのも珍しく、場所が行ったことがなかった豊洲であったので、これはおもしろそうだなと思い行ってみた。

『TAJOMARU』の原作は芥川龍之介の「藪の中」。

黒澤明監督の『羅生門』の原作も「藪の中」。黒澤作品は、言うまでもなく、世界中で注目され、多くのファンの心をつかんでいる傑作だ。『TAJOMARU』は『羅生門』で三船敏郎演じた伝説的な大盗賊にスポットを当て、小栗旬が演じる大盗賊「多襄丸」(TAJOMARU)として新しく蘇る。

 三船敏郎から小栗旬にバトンタッチされたわけである。

 作品そのものは、時代劇を現代タッチで描いているので、黒澤明の作品と比較してはいけない。あくまでも新生『TAJOMARU』は地位と名誉を捨て、愛する女に命をかける男の現代風トゥルーロマンスなのだ。

 衣装も斬新、役者たちの殺陣も迫力あり見事だった。主役を張った小栗旬さながら、八代将軍で男色の足利義政演じた萩原健一(私の世代ではショーケン)、旧多襄丸演じた松方弘樹の脇に回ったベテラン俳優陣の貢献度も大だった。

 ところで、この完成披露試写には、配給会社のワーナーブラザースのご配慮で、試写や記者会見を取材するプレスや一般観客すべてに、ドリンクとポップコーンのサービスがついた。これはとても有難い。

 売店はすでに長蛇の列だったので、最後尾に並んだ私。すると、なんと、左隣に、ワーナーエンターテイメントジャパン㈱社長のウイリアム・アイアトン氏が並んでいたではないか。

 私は思わずアイアトン社長に声をかけてしまった。

「社長自らドリンクの列にお並びになっているなんて、素晴らしいですね」と私。
 
「いえいえ、社長だからこそ、自ら現場に顔を出して、映画を鑑賞して下さる方たちと一緒に時間を共有することが大切なんですよ。皆様の生の声の感想を伺うことも勉強なんです。でも、時間がなくて、たくさんは来れないのが残念です。」と、ご堪能な日本語とお優しい笑顔でお話になった。

 売店に並んだ列越しというシチュエーションで名刺交換したことは画期的なことなので、私は大感激だった。

 ユナイテッド・シネマ豊洲の大きなスクリーンも見ごたえたっぷりで、見終えた後のショッピングモール「豊洲ららぽーと」でショッピングするたくさんのお客たちの活気にも圧倒されていた。

 何よりも腰の低い謙虚でお優しい紳士、アイアトン氏が『TAJOMARU』にかける心意気を知り、とても有意義な楽しい完成披露試写会だった。


TAJOMARU公式サイト

【監督】 中野裕之
【出演】小栗旬、柴本幸、田中圭、やべきょうすけ、池内博之、松方弘樹

2009年9月12日、13日、先行ロードーショー。全国にて公開




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