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速度超過 に 関する 判例 研究

2010年11月25日 | 道路交通法関係

 

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私は大卒ですが法学部卒ではありません。

裁判の傍聴も好きですが時間がなくて行けません。

簡単に判例を調べられる図書館とかがあるなら行ってみたいとは思いますが本気で調べていません。

しかし、ネットでちょっと調べた程度でも以下の判例くらいはすぐにヒットします。

つまり何が言いたいかと言うと…

警察と対峙しようと言うのなら、少し調べてみればわかる事くらいは調べる習慣を付けましょう!ということです。このブログの熱心な読者の方々は私を過大評価して下さいますが、素人がちょっと調べるだけでも今は簡単に情報が手に入る時代なのです。少なくとも否認する際に必要な知識は、まずは自分で調べてみて、私が知らないような情報があればむしろ教えて欲しいのです!

さて、赤切符(非反則行為)の否認に関する記事を書いて以来、赤切符を否認したい方からのご相談が後を絶ちませんが、その多くは速度超過によるものです。記事にも書いた通り否認した場合の不起訴率は9割程度と予想されますが、1割の起訴に当たってしまった場合はどのような結末が待っているかを知っておいて損はないでしょう。

まずは不起訴率に関して以下のデータを見てみましょう。

最近の不起訴率

では、このデータからわかる事を整理してみます。

①全体の不起訴率はここ数年は93~94%で推移

青切符の反則行為はご存知の通り不起訴率100%ですから、赤切符自体の不起訴率は、低めに見積もっても70~80%と予想されます。ここから、起訴率が100%近いと言われる飲酒・オービス・過度の速度超過(80km/h超過以上がライン)を差っ引いて考えると、30~50km/h超過程度の速度超過では否認すれば不起訴になる可能性が90%程度だろうと予想されるわけです。

例えば2008年の送致件数は約52万件(略式・公判請求・不起訴を足せばよい)ですが、別のデータで酒気帯び9.7%(5万件)無免許7.7%(4万件)とあります。公判請求は全部で1万件しかないわけですから、この中から「常習の酒気帯びで公判請求されたケース」や「酒気帯び+無免許で公判請求されたケース」がどの程度あるかにもよるわけですが、これと80km/h以上超過の過度の速度超過を加味してしまったら、1万件の公判請求などほとんど埋まってしまうと予想されるわけです。従って、ネズミ捕りや追尾式の速度超過を否認した場合は、酒気帯び等の他の違反がなければ、公判請求される確率はかなり低い事が予想されます。

②公判請求のキャパはせいぜい12000件

2001年と2002年は検挙数が少ない割には略式を含めた送致件数が多く、公判請求も最多の12000件程度あります。2001年はどんな年かと言うと、飲酒運転の罰則が強化された最初の年です。だから周知の為に飲酒運転を重点的に検挙したらそれに人員が取られてしまって検挙件数が伸びず、送致件数と公判請求が伸びたという寸法でしょうね。飲酒の罰則は2007年にも再び引き上げられていますがこの影響はあまり感じられません。既に飲酒運転は悪いという常識が浸透し、飲酒運転の検挙にも本腰を入れていないという事でしょう。ここ数年は公判請求は1万件を上限としているかのように推移しています。要するにそれが裁判所のキャパシティであると。

③不起訴は15万件が相場になってきている。

2009年は送致件数が少ない(反則行為ばかりを取り締まった)から例外とすると、不起訴は15万件を突破して16万件を超えた年もあります。反則金未納付も含めれば、否認しなければ不起訴にはならないのですから、少なくとも15万人以上が否認した事になります。これは悪い事ではないと思いますね。いずれにせよ、公判請求のキャパがある以上、否認する者が増えれば不起訴を増やさざるを得ません。不起訴がこれ以上増えれば法改正を唱える者が出てくるでしょう。それが私の目的でもあります。もちろん、その時に放置違反金制度のような行政制裁金システムに変えられてしまっては改悪でしかありませんから、そんな法案が出た時にはクーデターでも起こすしかないわけですが…

④略式を受ける人は過去最小。つまり反則行為ばかりを検挙している。

警察がいよいよ本腰を入れて(?)事故防止を目指さなくなったという事です。飲酒運転は多少は減ったでしょうが、速度超過が減った印象がありますか?送致件数自体が減少の一途ということは、赤切符の取締りを減らし、検挙しやすきを検挙して反則金徴収を主眼とした検挙をさらに進めたということですね。本当に警察は腐っています。

これらをまとめて言える事が一つ。

否認が増えれば不起訴も増える。警察は否認する者の不起訴には目を瞑って反則金を払う者さえいれば構わないという姿勢に変化してきている。

これでも警察を信じるシンパがいることが信じられませんね。不幸な事故は飲酒・無免許・過度の速度超過で起きてるのではないでしょうか?


では、次に速度超過で起訴された場合の判例を研究してみます。まずは過度の速度超過から。

84キロオーバーでの検挙

これは酷いですね。おまけに銃刀法違反で服役後に2回も速度超過で捕まっていて、3回目の速度超過が84キロオーバーです。さすがに懲役4ヶ月を求刑した検察官の気持ちがわかります。

しかし、判決は罰金10万円。速度超過の罰金刑の上限が10万円ですから、50キロ超過でも出る事がある額と変わりません。しかも量刑の理由を見ると、「前科があるから懲役にすると実刑しかないが、道交法違反での起訴は初めてだから実刑は可哀想だから罰金でいいや」ということになっています。銃刀法違反での服役暦のある前科者に対してこの優しさ!おまけに起訴は初めてでも出所後に2回も速度超過で捕まっているのに、です。

これでも罰金で済んでしまうなら何の為の懲役刑かと思いますが、どうも前科があって実刑しかないというあたりがこの被告には有利に働いたようで、前科がなくても懲役3ヶ月執行猶予2年なんて判例も見た事がありますから、一般人にとっては執行猶予より罰金刑の方がありがたいんですが…というツッコミを入れたくなりますね。

いずれにせよ、起訴されてもこんなもんなんです。宅建や教職免許などは禁固刑以上で剥奪されてしまいますが、そういう縛りがない業種についているのであれば、執行猶予判決をもらえばむしろ罰金がなくなるわけで、何もしないならそちらの方が得とすら言えてしまう。もちろん固い職業への就職は無理ですが、「既に土建屋か運送業に就いてる」なんて人であれば、別にどうという事はない前科ではないでしょうか?しかも、圧倒的多数が罰金刑で収まっています。


次に、割合軽微な速度超過での起訴例を見てみます。

赤色なしでも有効とされた判例

これは酷い判例ですよ。パトカーが赤色灯を点けずに追尾しても「パトカーの違反が成立するとしても、測定値は有効だから検挙は有効」というわけです。ならば罰金5万円になった被告と同じだけの罰金刑をパトカーに運転手に科さなければなりませんがそれはしないようです。まあ元々そういう最高裁の判例があるから踏襲しただけなのですが、「パトカーも違法となる可能性があるが」とかいう一言で済ませてるんじゃねぇよ!測定値によってパトカーの速度超過も立証されてるんだからちゃんと罰金刑にしろよって話ですね。

この判例は他にもツッコミ所が満載なのですが、面白いのはこの被告は医者と考えられ、「担当の患者が重篤という事情があった」として情状酌量をしたのか、一般道44キロ超過なのに罰金5万円で済んでいます。これは略式裁判の相場よりも安いです。検察官が6万円で求刑していますが、一般道44キロ超過なら安くて6万円で7万円もありうる数値です。これが5万円で済んだのですから、この被疑者に関しては否認した分安くなったとさえ言えますね。いずれにせよ、赤色なしでも検挙自体は有効とされてしまうのですから、現場で赤色なしを警察が認めたら、「俺に切符を切るなら自分にも切れ。違法となる可能性があると判例でも言っているのだから、違法かどうかの判断は検察官以上にやらせろ」と粘るべきですね。


次によくある負けパターンを敢えてお見せします。リスクを理解しておくことは重要です。

普通の負けパターンはこんな感じ

今度は33キロ超過なのに罰金6万円ですよ。もはや量刑の基準がわかりませんが、40キロ制限だったからかもしれませんね。この判例で興味深いのは、「署名を強制されたと被告は言っているが、警官は否認しているから警官が正しい」と明確に書いてある事です。そう、署名は強制されても裁判では任意で書いたと認定されるのです。警官が署名を強制する事はこのブログの読者なら誰でもご存知でしょう。でも、奴らは裁判でははっきりと嘘をつき、裁判官もそれを認めるのです。ここから学ぶべきなのは「後から強制だったと主張しても無駄なんだ…」という消極的な考えではなく、「警官は嘘をつくし裁判官もそれを認める」という日本の危機的状況を学ぶべきなのです。本当にこんな国で良いと思いますか?


次に私自身がびっくりした判例を見てみましょう。

警官の証言を裁判官が認めなかった例

この判決文は面白いですよ。時間が掛かってでも読む価値があります。要するに被疑者が走行していたのが第一車線なのか第二車線なのかという話なのですが、警官は「第二車線を走っているところを測定した」と明確に証言し、現場で作成されたカードにもそう書いてあるのに、被疑者が現場段階から「歩道側(第一車線)を走行していた」と供述している事から供述の信用性が認められ、さらに「複数の警官の証言が一致しているが、これは後日行われた実況見分(私は今まで誤字を使っていましたね、今から全てを見分に直すのは面倒なので理解して下さい)調書の内容以上のものはなく、書面の記載に合うように供述したものであって当時の記憶に基づくものかどうかは疑わしい」というような事を書いています!これは凄いことですよ!何故なら

裁判官が「警官の供述が一致しているのは後から示し合わせただけだろ。被疑者の供述の方が当初から一貫していて信用できる」と言っているのです!

一応探した限りでは上級審で覆されたというような判例は出てきませんでしたし、上級審で覆された場合は下級審の判決が判例として残る事はないはずですから、検察は控訴しなかったという事でしょう。

この判例からは本当に大切な事を学ばされます。

現場段階からの首尾一貫した否認が重要。後からこのブログで学ぶのではなく、事前にこのブログで学んでこそ、無罪判決への一縷の望みが持てる!

という事ですね。多くの方は理不尽な検挙に遭ってからこのブログを見つけているわけですが、その検挙についてはもはや不起訴が上限なわけです。しかし、次回からはしっかりと否認を貫ければ、このような無罪判決が出る可能性はゼロではなく、無罪なら行政訴訟を起こしても勝てる可能性も少しはあるのではとすら期待してしまいます。

無罪判決はもう一つ見つかりました。

測定方法が無効とされた例

これは珍しく簡裁の判例です。通常禁固刑以上を求刑する場合は地裁にするのですが、罰金刑だけなら簡裁での正式裁判も可能なようです。ただし、罰金刑の求刑でも地裁が使われる事もありますから、ここらへんがどうなっているのかは私にもよくわかりません。

さて、この判例も面白いですよ。要するに「25度でレーダー設置したら、正しく計測できるのは11m先なのに、37m先の車両を計測したというのはおかしい」ということです。ここらへんは屁理屈に近い部分もあって、判決文でも「電波が当たったのは被告の車両で、74キロと計測されたのも被告の車両」とまで認めておきながら、「25度で設置したという前提での公訴事実は認められないから有罪には出来ない」となっています。

だったらもっと浅い角度で設置したと言い換えて起訴すれば有罪になりそうですが、一事不再理の原則なんですかね?公訴事実を変更せずに控訴は出来ないのですかね?このへんが法学部卒でなくてつらいところなので、どなたかわかる方がいらしたら教えて下さい。


さて、判例研究はこんなものにしておきましょう。皆さんはこれらのデータ・判例から何を学びましたか?

私は有罪率100%だと思っていた公判請求に無罪があることを知って一筋の光を見た思いです。また、懲役を求刑されても罰金で済むケースが多くこれにも驚きました。罰金額が減らされているような判例では、むしろ公判請求された方が略式よりマシではないかとすら思ってしまいますね。速度超過での赤切符を否認しようとする方は、これらの判例なども参考にした上で最終判断をして下さい。


 

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うわ (芥子)
2010-11-26 12:23:21
ここまで腐った思考をするDQNドライバーは初めてみました☆
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反論も出来ないバカへ (rakuchi)
2010-11-26 13:24:05
>>芥子

わざわざそんな短文での中傷をする為にコメント欄に打ち込んだアホさ加減には感動すら覚えますね。

どうせ何がどう腐っているのかも、どういう点で違法性があるのかなどもわからず、単に「法律を守れよ」とかいう警察よりも浅い思考回路でしか考えられない知能指数の低い方なのでしょう。最後に☆を入れるあたりが知能の低さを物語っていますね。

わざわざコメントするなら論拠くらいは示すべきですが、あなたの知能指数では議論にすらならないでしょうね。

そんなサル以下の知能指数の人間が走る凶器となり得る自動車なんか運転してはいけません。早く免許証を返納した上でムツゴロウ王国にでも保護を申し出て下さい。
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正しい未来のために (さすけ)
2010-11-27 15:01:03
私は管理人さんを全面的に支持します。この問題(冤罪、天下り先が受ける温床、警察の横行など)は非常に大きいと思います。我々は何なのでしょうか?日本国憲法ってなんでしょう?自由って何?国民平等の権利って 何?そもそも公務員ってどうあるべき?色々と考えさせられる非常に中身の濃い素晴らしいブログだと思います。罰金の額が知れてるからとか裁判や手続が面倒だからとか 警察が怖いからとか そんな理由で納得出来ないことでも泣き寝入りしている国民が これまで何万人何十万何百万人いるのか…。そして そんな被害者から巻き上げた被害者が汗水たらして稼いだ貴重なお金が一部の天下り先の人間(人間の姿に化けた悪魔)の手に渡っていると考えたら激しい憤りを感じない人こそ、魂が腐っていると私は思います。ムツゴロウ王国どころか 北朝鮮へ行って金正日の下僕になれば良いと思います。
日本は世界でも有数な自由な国であると日本人なら誰もが感じていると私は思うのですが それと引き換えみたいな感じで「悪かったね」で自由を逆手にとったような役人の暴挙を許したままで良いのでしょうか?マスコミに思想をコントロールされ 間違ったことを正面から否定したり 相手が国家権力であろうと正々堂々と意見することが出来なくなった無気力な哀れな人が存在してしまったと思うと悲しみの極みです。
そろそろ我々は立ち上がる時なのです。今 動かなければ この国に未来はありません。私は そう考えます。
私はこのブログの管理人さんを全面的に強く強く指示することを宣言します。
返信する
アンケートをしてみました (tiger)
2011-08-11 19:54:50
会社内に置いて、取り締まりに対してのアンケートをしてみました。

部署内だけで社員全員ではありませが、殆どの人が理不尽な取り締まりに遭遇した経験があり、皆さんが免許提出は強制か‥もしくは命令だと思っていました。
取り締まりに異議を唱える事は警察権力及び国家権力に対向するものでは?と、殆どの社員が思っていた事には驚きましたが‥私の経験したサイン拒否と違法性がある卑劣な検挙には断固拒否した事を話した所、そんな事ができるのかと逆に驚かれました。

あくまでも任意なのを伝えても‥そんな事ができるのか?と信用できない人が多かったです。

部署内と言っても数人ですが、視聴率に例えればおそらく殆どの人々が任意なのも知らずに警官の命令と思っている人が多いと思いました

サイトとは言え、いつか誰かが異議を唱えなければ、腐った交通取り締まりはなくならない所か、警察OBの収入確保の取り締まりは次々と手を変えて増長し続けると思ってならないです。

Nシステムも甘く見ている人々が多いのか‥システム自体を知らないと推測されますが、Nシステムは警察に移動を監視されている事は人権無視の問題を含んでいるのは明らか憲法違反でしょう


軽微な違反を「違反は違反だ」と異議を唱えているrakuchiさんを支持します

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Unknown (愛知の名無しさん)
2012-06-12 09:49:56
(芥子)さんのコメントを承認しなければ表示されないのにわざわざ表示するあたりが、rakuchiさんの考え方がしっかりしていることを表していると感じました。
これからもこのサイトを利用させて頂きます。
ありがとうございます。
本文に関係のないコメントをして申し訳ありません。
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