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検察統計 2012年分 までによる 不起訴率 の試算

2013年09月17日 | 道路交通法関係

 

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以前も検察統計から地検での不起訴率を割り出し、「赤切符の非反則行為を否認した場合の不起訴率」を試算しましたが、今回は2012年発表分(データ内容は2011年分まで)を入れて再集計してみました。まずは資料をご覧下さい。

検察統計比較2012

以下しばらく、以前の記事の内容をコピペします。後半に今回書き足したコメントが続きます。

刑事処分における、道交法違反の処理の流れがわかっていない方の為に簡単に説明しますが、検察庁には大別して4つの組織があります。
1:最高検察庁:最高裁判所対応
2:高等検察庁:高等裁判所対応
3:地方検察庁:地方裁判所対応
4:区検察庁:簡易裁判所対応

青切符(反則行為)を否認した場合、及び赤切符(非反則行為)で検挙された場合は、4の区検察庁が処理します。

青切符に関しては、都市部ではこの区検察庁併設の「警察」の交通執行課や交通警察室が調書だけを録り、被疑者が検察官に会うこともないまま不起訴が出ることが多いです。どうせ不起訴ですから会うだけ無駄ということでしょうね。一方で暇な地方の検察庁の場合は、青切符であっても区検の検事や副検事が取り調べをして、「裁判になると手間暇かかって大変だから略式に応じて無条件で罰金を払え」とか脅してきます。脅しに屈して認めると略式命令が出て罰金刑。脅しに 屈せずに否認すると不起訴で終了です。

赤切符に関しては、多くの被疑者は区検で違反を認め、略式に応じることによって罰金刑の前科一犯となって帰宅していきます。どうしても納得がいかずに否認した場合、区検の検事の選択肢は3つです。

①青切符と同じように不起訴にする。
②簡易裁判所に公判請求(起訴)する。
③面倒なので地検に移送して丸投げする。

アップしたファイルの「一覧」のシートを見てもわかりますが、区検全体の不起訴率は99.9%です。この0.1%が何かと言えば、そのほとんどが赤切符の 違反に対して区検が②を選択し、起訴した事例です。オービスのように検察の勝ちが余裕で確定しているようなケースでは、たまには公判を開きたい副検事あたりが簡裁に公判請求するケースが見受けられますね。元が反則行為の起訴事例は、どれだけ探しても年間10数件程度しか見つかりません。基本はオービスで稀 にネズミ捕りの事例がある程度で、検察自体が異常としか思えない高知を除けば」速度超過以外の反則行為の起訴事例を私は見たことがありません。もし起訴事例をご存じの方がいらっしゃれば、判例などのソースを添えて教えていただければ幸いです。ただし、わざと略式に応じてから不服申立をして強制的に正式裁判を開かせた物は除きます。

つまりこの時点で、反則行為は否認すれば99.9%を遥かに上回る確率で不起訴で終了するということがわかります。反則行為のほとんどは区検で処理され、地検まで上がる事は稀ですから。

東京のように他の犯罪が多く、軒並み不起訴になってしまう場所では、赤切符であっても区検段階で不起訴になってしまうことがよくあります。この数は正確には調べようがありませんが、地検の不起訴率が「下限」であって、実際の不起訴率はもう少し高いと思われる根拠はここにあります。赤切符でも区検で不起訴は珍しいことではありません。

それでも、赤切符の否認事件の大多数は地方検察庁へと移送されます。地検の検事は、他の刑法犯も扱っている普通の検察官ですので、道交法違反の被疑者に対する見解は人によって様々です。とにかくドSでひたすら起訴したがる検事。面倒だし速度超過程度なら起訴するほどではないと考えて不起訴を連発する検事。 面倒だけど不起訴を連発はしたくないと考えていて、被疑者の話を聞いて違反が事実だと確信したら起訴する検事などなど。どれに当たるかという運次第の側面 がここにはあります。

しかし、前述の通り、地方検察庁は他の刑法犯も扱いますから、他の刑法犯罪の処理がどれだけ忙しいか、事件数に対して検事や裁判官の数が足りているのかいないのか、その地検あるいは支部の上司が不起訴を容認するタイプか起訴率・有罪率を気にするタイプか、などの様々な要素が絡み合い、地検における不起訴率には大きな地域差があります。それがわかるのがこの検察統計比較です。


人口の多い東京都の不起訴率は7年平均で76.3%。2012年(2011年のデータ)に限ってみれば86%が不起訴です。東京では、一発免停ラインの速度超過で検挙されても、否認すれば8割前後は不起訴になるということです。これほど不起訴率が高い都道府県はありません。人口と犯罪の多さが故の特殊事情と言えるでしょう。

不起訴率万年最下位を続けていた和歌山地検が、ここ2年を見ると11%→17.8%と不起訴率を急上昇させています。検事の異動などで今までよりはまともな地検になってきたのでしょうか?


高知白バイ冤罪事件に始まり、信号無視だろうが一通逆走だろうが、軽微な反則行為でも起訴しまくっている「異常な高知地検」ですが、統計を見る限りは大きな変化は見られません。2012年の18.3%というのは、地方都市としてはそれほど悪くない不起訴率とも言えます。信号無視まで起訴しているというのに、不起訴になっている18.3%とは一体どんな違反なのでしょうね?

何かとお騒がせな高知ですが、区検のデータを見ると、平均50件程度は区検で不起訴になっています。普通に考えれば青切符の否認事件は区検で不起訴を出すというわけです。しかし、地検まで上がってしまうと赤青関係なしに起訴しているようにも思えます。

暇な読者の方は、上記比較データの「一覧」のシートを眺めてみて下さい。「公判請求」の年次進行を見ていると、東京や横浜などの大都市では、不起訴率の変動とは別に公判請求数自体が減少傾向にある事が見て取れると思います。例えば東京では2006年の618件から、2012年では386件まで激減しています。横浜も522件→209件ですね。ところが高知は148件→150件と変化なし、松山に至っては118件→172件と増加しています。横浜と松山で公判請求件数が30件程度しか変わらないのって、どうなんですかね?

これらのデータから読み取れる事は、以下の数点です。

①不起訴率には明確な地域差があり、変動はあるにしても、「大都市ほど不起訴率が高い」という傾向がある。

②つまり、ニホンでは「どの都道府県で違反をしたか?」によって、罪の重さがコロコロ変わる。

③そんなクニを法治国家とは呼ばない。

こんなところですかね。

いずれにせよ、検事が何を言おうと不起訴は常に存在するのですから、納得がいかなければ否認を貫くしかないでしょう。東京では40km/h超過で検挙されても不起訴で、高知では交差点に黄色で突っ込んでも「信号無視だ!赤だった!」とか言われて起訴されるのですから、こんな検挙を真に受けるだけ時間の無駄です。ちなみに高知の信号無視起訴事件では、警官の目撃証言が不確かだという事で無罪判決が出ました。無罪を出した裁判官はさいたまに異動になったようですが、警官の目撃証言のみで有罪を出すのはそれなりにハードルが高いという事ですね。

イメージだけで物事を捉えるのは危険です。このような統計資料などを用いて数値化して考えてみれば、少なくとも青切符の反則行為を否認する際に、「サインしたのでもうダメでしょうか?」というような頓珍漢な不安を感じずに済むでしょう。青切符の不起訴率は99.9%で不動のようですから。


 

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