キュー・サムファンが逮捕された報道の時に、映画「キリング・フィールド」の映像を流していました。息子がその映像を見ていて、カンボジアで何が起こったのか知りたがり、「キリング・フィールド」のDVD を購入することにしました。こんな映画を10歳の子供に見せていいものかと悩みましたが、わたしも幼少時にベトナム戦争の写真を見ていたことを思い出し、「キリング・フィールド」を見せる決心をしました。
わたしが、この映画を初めて見たのが20歳の時でした。あまりの衝撃に映画を見終わった後に友人に電話をかけて話したのを今でも覚えています。
息子は映画を食い入るように見入って、「なぜ、ベトナム軍が入ってきているのか?」と執拗に聞いてきて、カンボジア内戦(内戦ではないと思っていますが)の説明からベトナム戦争まで話がさかのぼり、今度は、「なぜ、アメリカ軍がベトナムに来たのか?」と永遠と質問詰めに合い、ラオス内戦の話、米ソの代理戦争、中国の共産革命、最後は、第二次世界大戦まで話がさかのぼっていきました。
今、中東で起きている内戦(これも実際は外戦と思っていますが)、今後、アジアで起こりうる侵攻、すべては歴史上のつながりがあることを息子に説明していく間に、あらためて、第2次世界大戦で一つの時代が終わったのではなく、現在の紛争もその延長線上に過ぎないことを再認識させられる思いがしました。
今朝、イランのニュースをテレビで見ている時に息子が、「イランって、この前、パパが攻撃されるかもしれないと説明していた国でしょ?」と聞いてきました。一つの映画をきっかけに息子の眼も世界に広がっていったのかと思い、この映画を見せてよかったのかなと感じています。