タイ東北部から世界を見る

国際結婚、海外駐在、旅などを通じて感じたこと

タイの民主化デモ

2007-06-28 | タイ
ここ数日間、バンコクの王宮前広場を中心に民主化デモが行われています。5月30日にタイ愛国党の解体判決が出て以来、民主化を求める声が大きくなっています。

今回の民主化デモに参加している人たちのなかには、金でデモに参加するように雇われた人も多いと聞いています。

最近のタイの意識調査の結果では、8割くらいの人が自分の生活レベルが上がるなら、多少の不正をしてもかまわないという結果が出ています。

タクシン首相時代に行われた政策、つまり、一品一村運動や低所得者への融資などは、地方の経済活性化に対しての功績は大きいと一般的には評価されているようです。実際の話を聞いていくと、一品一村運動で各村にばらまかれた資金は村の団体旅行など、村興しに関係のない使い方がなされていて、残念なことに税金のムダ使いとしか言いようがない結果となっている面があるようです。
また、低所得者に対する低金利融資は、結果的には、ヤミ金融に活躍する場を与えたようです。低所得者が手ごろな現金を掴み、何に使うべきかが判断できず、オートバイなどを購入した人が多いようです。いざ、返済の時には、返済するお金を持っていないので、低金利融資の返済のため、高金利の借金をするはめになっています。

タクシン時代の政策は、賛否両論がありますが、実際のところどうだったのでしょうか?政策の思想自体はよかったのでしょうが、運営面でうまくいっていなかったように思えます。結果的に、目先の現金に惑わされた低所得者は前政権に政策を継続してもらい金を回して行くしかない状態になっているのでしょう。そうした人々は倫理を持って正当な政策を行われてしまうと目先の借金に苦しまなければなりません。

こういう状況が上述している意識調査あるいは大規模デモにつながっているのでしょう。今後の展開を見守っていきたいと思います。



人身売買

2007-06-26 | タイ
ひと月くらい前に、タイのローカル番組に、騙されてバーレーンに出稼ぎに行った被害者の女性2人が出演していました。

彼女たちの話では、レストランで働いて高い収入が得られると言われ、信じてバーレーンに行ったら、そこで、売春を強要されたそうです。この手の話は、タイでは、よくある話で、日本などに出稼ぎに行く人たちにも同様な被害が多いようです。友人が騙すケース、親戚が騙すケースなど、身近な人に売られるケースが多いようです。騙された人が別の人を騙し、被害者が加害者になる場合もあるようです。

イランで働いているときに、あるタイ人の労働者に「娘が日本で皿洗いをしていて、月に50万円稼いでいるのだけど、そんなに稼げるものなのか?」と聞かれました。「自分は、ここ(イラン)で、働いていても、現場の特別手当を別にしたら、そんなに貰っていない。皿洗いだけでは、そんなに稼げるとは思わない」と答えました。しばらく、沈黙が続き、別の話題に変えました。

また、タイでは、いまだに子供の誘拐が絶えません。ワンボックス・カーで徘徊しながら、一人で道路に遊んでいる子供たちを無理やり車に乗せて連れて行くという手口で誘拐していきます。誘拐された子供たちは、臓器移植や角膜提供を強要されたり、手足を切られて物乞いをさせられたりしているようです。
村内の絆が深いところでは、よそ者が入ってくると警戒心を持って観察しているので、この手の犯罪は防げています。今後、人のつながりが疎遠になってくると、こうした犯罪を未然に防ぐことは難しくなってきます。

最近、カール・ポランニーという経済人類学者の本を読みました。本で述べられている主旨ではありませんが、その中で、アフリカのダホメ王国は欧米列強と取引をする商品がないので、他国に戦争を仕掛けて奴隷をつれてきて、奴隷取引をしていたようなことが書かれてありました。奴隷制度などは、欧米が一方的に悪いように思われがちですが、送り出す側にも原因があるようです。

格差社会の解消がない限り、こうした人身売買は消滅することはないでしょう。先進国社会でさえ、格差は広がる一方です。人類の進むべき道はどこにあるのでしょうか?


100円ショップ

2007-06-25 | タイ
日本の100円ショップの大手であるダイソーは、タイにも進出しています。バンコクでは60バーツ均一です。チョンブリー県のアマタナコン工業団地にあるダイソーは65バーツ均一です。現在の為替レートを考えると60バーツは230~240円です。消費税を考えても日本の値段の倍以上。タイのスーパーでは購入できないようなちょっとしたアイデア商品や品質と値段とバランスを考えてダイソーの商品は、タイの主婦たちに人気が出てきているようです。

円安とバーツ高、インフレなどで、昨今のタイの物価が安いという印象は、もはや、払拭されようとしています。


封建制度と経済発展

2007-06-22 | タイ
最近、NHK の番組で日本の長寿企業の特集を放映していました。数百年以上継続している会社の技術力、また、職人技は伝統を積み重ねてできたものだと再確認させられます。

わたしは、友人と議論になるときには、「中国経済のバブル経済は地に足をつけていないので、停滞していくだろう。これは、この半世紀の共産主義の間に歴史的に築き上げられてきた伝統技、職人芸といったものが完全に崩壊されてしまい、計画経済のもとで大量生産のみをしてきて、町の工人レベルが落ちてしまっているに違いないから。その点、インドは職業カースト制度のもとで、本物のプロが多数存在している。これからは、インドの時代だよ」と語っています。

このNHK の特集を見て、持論に確信がもてる気がしました。実際に、中国では日本人の採用でそのギャップを埋めようとしているようです。しかし、日本人技術者をインドの会社で大量雇用していると言う話は聞きません。インドでは、裾野の広い分野の産業も育つ気がしています。

それでは、タイはどうかというと、やはり、ラーマ5世時代以前にあったサクディナー制度**の下に職業選択の自由にあまり期待が持てなかった歴史から職人のレベルはかなり高いと思います。実際に中近東に出稼ぎに行っている溶接工のレベルは日本人と比べても見劣りしません。

(**タイの歴史学者の間でさまざまな解釈がされているようですが、チット・プーミサックはこの制度を封建制度と断定しています。タイ語の原書では、かなり強調した表現となっています)

タイが東洋のデトロイトを目指し、実現しかかっている背景には、こうした職人技があることも忘れてはいけないと思います。もちろん、日本から技術指導している方々の力もあると思いますが。

日本も伝統技である刀造り、戦国時代の鉄砲造り、江戸時代の職業世襲制の間に培われた職人芸があったからこそ、高度な経済発展ができたのだと思います。

今後は、中近東なども石油以外の工業発展を目指していくようですが、このギャップをどう埋めていくのでしょうか?従来通り、インド人の出稼ぎ労働者に頼らざるをえないのでしょうか?こんな観点で世界中の労働力の流れを見ていると出稼ぎ労働者の動向には興味が尽きません。

オオトカゲ

2007-06-20 | タイ
タイの草むらや岩陰などには、オオトカゲがいます。
以前、妻がワニと同じくらいのオオトカゲを近所で見かけたと言っていました。話を聞いているときには、「オーバーだな、せいぜい5,60センチじゃないの?」と聞き流しました。

現在の住居にも胴体が30センチくらいで尻尾までいれると6,70センチくらいのオオトカゲが庭の池の岩陰に住み着いています。

先日、車で走っているときに道路を横断する物体が、、、。
一瞬、ワニか?と見間違うくらいのオオトカゲが歩いていました。携帯のカメラで急いで撮ったので上手く写っていませんが、尻尾まで入れると全長は2メートルを超えていると思われます。バンコクからわずか30キロくらいのところにこんな動物が生息しているとは驚かされます。

パンとジェームズのおつかい大挑戦 (タイのテレビから)

2007-06-05 | タイ
先日、毎週土日の夜9時にタイの現地のテレビで放映していたパンとジェームズのおつかい大挑戦が終了しました。この番組は日本の番組で、パン君というチンパンジーにジェームズというブルドックを連れさせていろいろなことをやらせるものです。

子供たちに人気があり、この番組を知らないタイ人はほとんどいないものと思えます。かなりの視聴率を稼いでいたのでしょう。終了間近では、番組よりもCMの方が長いのではないかと思われるほど、CMを流していました。スポンサーの申し出があるすべての会社のCMを受け付けたのではないでしょうか?一回のCMタイムで10数社のCMを流していました。日本の番組もCMが長くいい印象を持っていませんでしたが、タイでこの番組を見ると日本のテレビ番組構成に理解ができます。

数ヶ月前には、子供たちも喜んで見ていたのですが、終了間近の放送では、「また、CM?」とぼやいていました。