2007年度作品。日本映画。
2001年に放映された連続ドラマ「HERO」の映画版。
型破りの検事、久利生公平はある殺人事件の裁判を任される。容疑者は自白しており、簡単と思われた事件だが、容疑者が起訴事実を否認し状況は一変する。弁護を行なう大物弁護士の蒲生は冷静な答弁で久利生を苦しめる。
監督は「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」の鈴木雅之。
出演は「武士の一分」の木村拓哉。「隠し剣 鬼の爪」の松たか子 ら。
テレビドラマの映画化であり、監督もテレビドラマの演出を手がけている人物だ。
だから当然といえば当然だが、映画の中にはテレビドラマの演出手法やテレビドラマ的なエピソードが多く使われている。
中盤の雨宮の拉致しかり、法廷の傍聴席に検事メンバー全員がつっこむところ、タモリの「何だって?!」と叫ぶタイミング、大物弁護士の中途半端な行動論理、一列になって二人を待つメンバー、ラストシーンとわかりやすすぎて安っぽい演出や造形が目立つ。
別にテレビの演出のすべてが悪いわけでもないし、テレビドラマは好きだが、金を払って見る映画でまで、それをやられると少しだけげんなりしてしまう。もう少し工夫をしてほしかった、というのが率直な思いだ。
しかし映画自体はそれなりにおもしろい。
ところどころに笑いはあるし、エピソードも多く盛り込まれていて退屈することがない。韓国のシーンのように捨てエピソードもあるが、そこそこうまく伏線を張っている。
それに代議士を前に語る久利生の熱い言葉は胸に響くし、その浪花節的な語りにはほろりとさせられる。
何もこれを映画にする必要はない、と言われたら、そうだろうね、としか言いようがないけれど、それでも僕は楽しめたし、不満はあるものの、それも許容範囲内だと思う。
他人に強く薦める気にはなれないが、個人的に楽しむ分だったらありだ。
評価:★★★★(満点は★★★★★)
制作者・出演者の関連作品感想:
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「武士の一分」
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