私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「きっと、うまくいく」

2013-07-16 20:01:14 | 映画(か行)

2009年度作品。インド映画。
インドで製作された、真の友情や幸せな生き方や競争社会への風刺を描いたヒューマン・ストーリー。入学したインドのエリート大学で友人たちと青春を謳歌(おうか)していた主人公が突然姿を消した謎と理由を、10年という年月を交錯させながら解き明かしていく。主演は、ボリウッド映画の大スターであるアーミル・カーン。『ラ・ワン』のカリーナー・カプールがヒロインを務める。抱腹絶倒のユーモアとストレートな感動を味わうことができる。
監督はラジクマール・ヒラニ。
出演はアーミル・カーン、カリーナー・カプールら。




インド映画を見るのはたぶん初めてと思うのだが、いい映画は国籍を問わないのだな、とつくづくと感じる。

全体的に明と暗のバランスはとれており、最後は明るい気分で映画館を出ることができる。
そして三時間近い長尺にも関わらず、長さを感じることなく、映画の世界に没頭できた。


物語は大学で出会った三人の男たちの話だ。
どこの国でもそうらしいが、男は集まるとアホになるらしい。
学長に対する仕返しやいたずらなどはドタバタ劇の雰囲気があってなかなか楽しい。

インド映画らしい、突然の歌やダンスもその楽しさをいい感じで助長している。
つっこみどころのたくさんある作品だが、それを含めて愉快な作品だった。


しかしそんな陽気さの中で、多少の重たさも入り混じる。
インドはエンジニア信仰が強いらしく、親は子どもをエンジニアにさせたがるようだ。
しかしそれは子どもにとっては抑圧になる。

実際この映画での主人公たちも、親や外部からの抑圧をある程度受けている。
それに学科をクリアするのは厳しく、そういったことのために自殺する奴らもいる。
トータルで見れば明るい作品だけど、多くの現実がそうであるように、決して明るいことばかり起こるわけではない。


だけど三人はときに友だちのために行動し、前向きに生きている。
個人的には自殺未遂した友人を回復させるために、いろいろな嘘をつくところが好きだ。
ちょっと笑えるし、少し感動もできる。

そしてそのエピソードのような、ちょっとの笑いと感動が、映画全編を貫いて忘れがたい。
映画のパワーを感じさせるような作品だった。

評価:★★★★(満点は★★★★★)


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