私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「ゼロ・グラビティ」

2013-12-19 20:03:29 | 映画(さ行)

2013年度作品。アメリカ映画。
サンドラ・ブロック&ジョージ・クルーニー主演のSFサスペンス。スペースシャトルでの船外活動中に事故に見舞われ、宇宙に放り出されてしまったベテラン飛行士と医師。2人が暗闇の恐怖と戦い、生きて帰還すべく壮絶なサバイバルに挑む姿が描かれる。
監督はアルフォンソ・キュアロン。
出演はサンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニーら。




パニック映画をおもしろくする要因の一つに、ハラハラできるか否かという点がある。

そういう観点から見るなら、本作は紛れもなく及第点の作品だった。
最初から最後まで緊張感の連続で、ぐいと心を持って行かれる、すばらしい作品だ。


宇宙空間で働くクルーに、爆破した人工衛星の破片が飛来。それによって宇宙船に被害を受けた飛行士たちが地球に帰還すべく奮闘する、というのが主筋だろうか。

その宇宙空間での映像が見事だった。

当然宇宙は無重力なわけで、何らかの力でふっ飛ばされてしまえば、永遠に宇宙を漂うこととなる。自分の体を制御することもできず、体勢を安定させるのですら一苦労。
地球ではありえない動きなだけに、非常にこわかった。

こんな事態になったら、どうすればいいのだろう、と思うことの連続で、それだけに映画の世界に心をつかまれてしまう。


実際サンドラ・ブロック演じる宇宙飛行士には次々と危難が襲いかかる。
人工衛星の破片の飛来で宇宙空間に投げ出されてしまうし、やっと宇宙船に辿り着けても、飛行船は飛べる状況ではない。地球に戻るため、近くの宇宙ステーションを目指すも、そこでもまた危機が訪れる。
彼女の不安は相当なものだろう。

もちろん訪れる結末は容易に予想がつく。
だが、そこに至るまでの展開と心情や苦痛は、見ているだけでもきつい分、こちらにも訴えかけるものがあった。


シンプルな設定がよく生かされており、短い時間でテンポよく盛り上げる様はすばらしい。
「ゼロ・グラビティ」は今年を代表するパニック映画の一本である。

評価:★★★★★(満点は★★★★★)

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