PRESSMAN GOGO

ディレクター生野涼介が日々の気がついた事、取材した時の思いなど、日常のブログです。

サンデーファミリートライアル Special in 平谷

2016-07-26 18:19:30 | 日々の事
オートバイを通して人生をいかに楽しむか。
「サンデーファミリートライアル Special in 平谷」は、それを具体的な形にしたイベントでした。

標高1000m近い平谷高原の山の中に用意されたコースは、約60㎞。選手たちはここに7時間かけて深く分け入り、楽しみます。
25のセクションはほとんどが沢登り。

高いステアやきついターンはなく、危険度もかなり低いもの。
全日本トライルのようにセクション内での停止や振りはまず必要なく、どの選手もまるでノンストップルールのようにインからアウトまでを抜けていきます。
タイムでの5点もたまにはあるものの、その笛の音はひっかかってもがく選手に「はいお疲れ様、もう頑張らなくていいよ」とやさしく語りかけているようです。
これらの仕様のためオフロード車での参加も可能で、2016年は全部で108名ものエントリーがありました。

トライアルジャーナリストやショップオーナーの参加も沢山。みなさん「年に1度の、仕事ではないトライアルですよ♥」とニコニコしています。

ストレートオン 泥稔選手


フリージャーナリスト 藤田秀二選手


Tom's 吉川富美男選手


Trial exchange  高橋明男選手

今年はなんと遥かイタリアからマリオ・カンデローネ氏も参加。

世界を代表するトライアルジャーナリストのマリオ氏、過去の「平谷」の映像を見て何としても走りたいと思い、このためだけに来日したのだそうです。

前日夜のライダースミーティングでは、乾杯のご発声。「チンチン!」


昨年は快晴で気温も30度を越えたというこの大会。今年は25度ほどの曇り空。でも心配された雨は最後までのがれることが出来ました。まあ降ったら降ったでまた楽しみも深まったのだとは思いますが。

朝7時30分からスタートした選手たちは、地元の人でも知らないだろう、林道とも呼べない獣道を走ってセクションへ。辿り着いたセクションは沢登りに、また沢登りが続きます。
全日本でもそうですが水を含むセクションは、環境問題からなかなか許されなくなっているとのこと。下見するのも億劫になるくらいの長い沢やつるつるのガレ場を走ることができるのは、今や貴重な体験です。






これらのセクションをつなぐコースには、「オートバイってホントに楽しいですよね」の気持ちがたっぷり注入。言い換えれば、めちゃくちゃきつい。
セクション部分はオブザーバーが採点できるようにある程度広くとってあるのですが、コースはバイク1台がギリギリの幅しかなかったり、水が深かったり、曲がりくねっていたりの設定で、さらに登ったり降りたりとずーっと続くのです。






今年はリタイアが例年より少し多かったそうですが、こんなになっちゃったら舗装路まで引っ張りだすだけでも大変です。


写真で見ると、なんでセクションのこんなところで転んじゃうの?とも思いますが、コースに十分体力を吸い取られたあとだと思うと、当然ですね。




でも諦めずに頑張っていると、こんな風景が見られたり

おにぎりにありつけたりするわけです。


試合の途中で出会った、三谷知明選手。

「ここまで減点12点。もしかして優勝かな」と笑っていますが、ありゃあ、すってんと5点。

マシンはSL230。ボルトが1本折れてステップがくるくる回る状態なのも、勲章のひとつです。


こちらは優勝候補No.1の波田親男選手。

「あかん。もう(合計)2点も着いてしまいました。最低や」と苦笑いながら、さすがSSDT出場者というライディングでクリーンしていきます。

小玉健二選手は新発売のモンテッサ4RIDE250での参加。あああ、ピカピカの新車がああああ。

COTAの名を冠するマシンでオフロード車部門2位獲得は、ちょっとズルくね?とも思いますが、ゴール後のマシンがもう立派な中古車になっていたので良しとしましょう。

オフロード車部門 優勝:三谷知明選手(SL230) 2位:小玉健二選手(COTA 4RIDE) 3位:杉浦勝好選手(TRICKER250)

マリオ選手は途中から見えなくなってしまったと思ったら、マシントラブルでリタイアという結果。
どうやらコースの長〜い下りにやられて、ブレーキがトラブったようです。

それでも最遠来賞で、生日本酒をゲットだぜ。(あ、「ゲット」はポケモンでマリオじゃないか)


レディース賞のトップ3人。
2位小林由利子さんの目標は「100歳までトライアルやります!」だそうですが、そのためには是非肝臓もお大事にね(^^)

優勝:沖本由香選手 2位:小林由利子選手 3位:齋藤由美選手

セカンドクラスの皆様。


ファーストクラスの皆様。


総合トップの3人。波田選手は結局、合計2点で走り切っちゃいました。

優勝:波田親男選手 2位:三好弘祐選手 3位 阿部利弘選手 

この他にも完走賞や何だかんだ、いろいろな理由をつけての表彰がいっぱい。
こちらは最高齢賞の、衣笠剛選手(71歳)


1人の優勝選手を決める全日本とは違い、これはみんながオートバイを楽しむためのイベントなのだということを、改めて感じさせます。
それはこの大会を支える50人ものスタッフにも言えること。ゴールデンウイーク直後から草刈りやコース整備に努めたというスタッフは、全員無給。山奥にある平谷までのガソリン代ですら自前とのことに驚きましたが、実はそれを含めて皆様「オートバイを通していかに人生を楽しむか」という、選手と同じ命題に挑戦しているのだと理解いたしました。


そしてこの大会の総合プロデューサー兼ディレクター兼小間使いの、伊藤敦志氏。
全日本トライアルではすでに伝説のチャンピオンではありますが、そのカリスマ性に頼ること無くこれだけの人をまとめ、もう18年にも渡って動かし続けているのです。

伊藤氏は選手引退後、「オートバイを通して人生を楽しむ」部門でも立派なチャンピオンになっておられたわけですね。

ひたすら成績を求め競い合う全日本も大切な価値のひとつですが、平谷には沢山のやさしさと感謝の気持ちが、まるで沢の水のように流れているんですね。
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2016年全日本トライアル第5戦 北海道大会

2016-07-20 17:25:49 | 日々の事
熊本地震の影響で、ほぼ1ヵ月の間に3大会が開催された2016年の全日本トライアル。
この3連戦でどういう成績を残すのかは、ほとんど今年のランキング争い全てを決めると言ってもいいでしょう。


「3つを獲ってチャンピオン奪還を実現させます」と言っていた黒山健一選手。

3連戦ひとつ目の中国大会では貫禄すら感じさせる走りを復活させ、優勝。

一方追われる立場の小川友幸選手は「勝ちたい」という気持ちが空回りしたとのことで、中国大会では今季初黒星。
次の九州大会でも「あれ?」というミスを繰り返しますが、黒山選手がマシン不調に見舞われた事と野崎選手のミスにも助けられ、何とか優勝を拾います。

この北海道大会はそれぞれの選手が問題に対策を施しての、いよいよ事実上チャンピオンを賭けてのぶつかり合いとなるわけです。

セクションは重機を入れて掘ったり岩やヒューム管を移動したり。限られた地形の中でスタッフは色々頑張って見どころを作ってくれていました。
ただ知恵と技術で何とかなるかもというこれまで2戦とは違い、行ければクリーン、ミスすればただちに5点という設定はいつもの北海道大会と変わりません。

この中で激突した小川友幸と黒山健一。最初の山場は第3セクションです。
これまで単独でも厳しかった高いステアを、今回は右の岩から挑むラインです。

左か右か。岩のどの位置に前輪を当ててのウーポンかが悩みどころですが、どこからやっても誰もここを越えられません。







※写真上から吉良祐哉選手。斎藤晶夫選手、柴田暁選手、小川毅士選手

黒山選手も失敗。あやうく顔から岩に突っ込むところでした。


ところが友幸選手はクリーンで越えたのです。


試合は第4セクション。北海道大会では定番の難セクションです。
下から大きな2段ステアを越えていく設定なのですが、今年は1段目を上がったあとに一旦左に迂回して2段目に挑む事ができるようになっています。

全員がそのラインを狙うのを見た山本昌也氏は、「あれ?あの抜け道は塞いだはずなんやけど」。どうやら昨夜から今朝のうちにセクションの設定を変えられたとのことで「まさかそんなヤツがおるんやなあ」と不満気です。
※ただ前日の選手下見時間に撮影した映像には、特に抜け道規制のマーカーやテープはないように見えます。


セクション設計者の意図とはちがったのかもしれませんが、それでもこのポイントの難しさは変わりません。





※上から氏川湧雅選手、斎藤晶夫選手、柴田暁選手

転倒が相次ぐ中で、黒山選手は針の穴を点くようなマシンコントロールで、1点でアウト。

これで第3の失敗を取り返したかと思ったのですが、最後を走る友幸選手もクリア。

最後のヒューム管からは落ちてしまいますが、すでにマーカーを越えていたため減点は2点。

結果としてこの減点が、この日の友幸選手唯一のミスとなりました。

このセクションでは5点になった野崎史高選手。

でも前戦では黒山選手を破り、さらにあと1歩で友幸選手にも勝って優勝、というところにまで迫ったライダーです。
今回は腰の調子がイマイチとのことでしたが、第3セクションでは友幸選手と並んでクリーンを記録。

野崎選手は1ラップ目の前半を、黒山選手の上を行く2位につけています。

試合は、ここも毎年ドラマを産む第6セクション。


柴田暁選手が2点、小川毅士選手が1点の他は黒山、野崎選手を含め全員が5点となりますが、友幸選手はただ一人クリーン。









今回手がつけられないほどの安定感を取り戻した友幸選手は、1ラップ目の中盤で早くも勝負を決めてしまった感じです。

1ラップが終わって1位は友幸選手の減点2、2位は野崎選手の減点10、黒山選手は減点11で3位に着けますが、2ラップ目もあの第3セクションで失敗。


ライバルの2人は、2ラップ目もここをクリーンです。




ところが第6セクション。野崎選手はマーカーに触れ5点。

黒山選手は今度こその1点で抜けて、ようやく野崎選手と同点にまで追いつきます。

でも絶好調の友幸選手ははるか先で、すでに優勝は絶望的。
それどころか2ラップが終わっても野崎選手との同点は変らず、クリーン差で負けているという状態です。

野崎選手vs黒山選手。お互い2位の座を賭けたスペシャルセクションです。
その第1を野崎選手はクリーンでアウト。


それがプレッシャーになったのか、次に入った黒山選手はトライ途中に予定していたラインを変えます。
その結果時間に追われ得ることとなり失敗。この瞬間2大会連続3位が確定してしまいました。


2試合連続で2位獲得の野崎選手ですが、優勝の友幸選手には「今回は歯がたたない状況で」と非常に残念そう。


今回終わってみればほぼオールクリーンと言ってもいいような走りだった、小川友幸選手。
シーズン開始時に言っていた「目標は全勝チャンピオン獲得です」を再び持ち出し「1敗しているので実現は不可能ですが、残り2戦も勝って<ほぼ全勝チャンピオン>を実現したいです」とのことでした。


優勝 小川友幸 減点2 c21
2位 野崎史高 17 c18
3位 黒山健一 22 c16
4位 小川毅士 31 c13
5位 柴田暁 35 c13
6位 野本佳章 47 c11
7位 吉良祐哉 54 c8
8位 加賀国光 58 c7
9位 斎藤晶夫 62 c8
10位 田中善弘 62 c5
11位 成田亮 70 c6
12位 氏川湧雅 80 c4
13位 砂田真彦 80 c2
14位 岡村将敏 83 c2
15位 藤原慎也 35 c2

前回試合終了直前まで6位に着けていた野本佳章選手。SS第2でわずかに杭に触れた5点で逆転され、またしても7位。
「また7位!もー7位は飽きたよ。6位になりたい。5位はいいから6位になりたい!」と叫んでおりました。


その野本選手の、北海道名物の超絶ヒルクライム第2セクション。

いつもの年より重機で難しくされたここを真っ先にクリーンするなどの走りで、ついに狙い通りの6位を獲得です。

きっと5位はあえて避けたのでしょうね。九州大会直後に生まれたばかりの長女杏ちゃんに、立派な北海道土産です。
今年初めての表彰台では「誰も獲ってくれないから」とスマホで自撮りをしておりました。証拠写真かな?



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2016年全日本トライアル第3戦 九州大会

2016-07-07 19:03:46 | 日々の事
MFJ九州トライアル委員長、柿田史彰氏によると「幸いあの地震でトライアル関係者で亡くなった方はありませんでしたが、家屋崩壊は少なくとも3件と聞いております」とのこと。

それでも「僕らが大会をやることは、熊本の復興に繋がるのではないか」と地元のライダー、開催を手伝う人たちの努力で延期での開催が実現された全日本トライアル九州大会。前戦中国大会は「第4戦」だったのですが、今回の「第3戦」があとからの開催となります。

会場は昨年に続き、矢谷渓谷特設会場。キャンプや川遊びを目的とした公園のようなところで、豊かな水と苔むした岩があふれています。
金曜まで雨、大会当日も朝のうちはかなりの雨。危険度は低いながら知恵と体力を駆使するだろうセクションが選手たちを待ち受けます。


今回スーパークラスは8セクションを3ラップと、スペシャルセクションを2つ。
スタート直後からいい走りを見せたのは、小川毅士選手です。
小川友幸選手、黒山健一選手ともに5点をとった第1セクションを1点で走破。その後も5点をとらずにトップをキープします。


ところが1ラップ目最後の第10セクションで、岩から滑り落ちた後輪がマーカーに触ってしまい、5点。

これがメンタルに大きく影響してしまった、とのことで、2ラップ目以降なかなか優勝争いに戻る事ができません。

前戦ではほぼ1年ぶりの優勝を果たした黒山健一選手。
ライディングから不安定さも消え「中国、九州、北海道の3連戦をとって行きます」とのチャンピオン奪還への計画も実現性を感じさせます。

今回もその豊富な経験と圧倒的な技量で優勝候補ナンバーワン、と思えたのですが、第1でマーカーの外側を飛んでしまうというミス。
映像で見る限り問題の後輪はマーカーの内側にも見えるのですが、「ヘマやった僕が悪いんです」と黒山選手。


黒山選手は第8セクションの高いオーバーハングも落ちてしまい、1ラップ目の順位はなんと4位に低迷です。


世界選手権で走るものと同じマシンの絶大なパワーを、正確無比にコントロール。今年は安定した強さを見せていた小川友幸選手。
これが中国大会では乱れ「あれ?」という不用意な足着きを連発してしまいます。本人によると「勝ちたいという気持ちが先走りすぎてしまった」のだそうです。

結果優勝を逃した事は残念でしたが、連勝へのプレッシャーが無くなった事がこの大会は精神的に有利に働くかとも思われます。
ところが第1セクションでは左手がハンドルから離れ、マグネットキルスイッチが飛んでしまうという失敗。

でも5点になる手前でも足を出しており、他のセクションでも「え、ここで?」という足着きが見られます。



それでも第1以外5点をこらえ1ラップ目はトップで回った友幸選手ですが、2ラップ目は1回目クリーンの第5と1点だった第8で失敗。ついにトップを陥落していしまいます。


ここで1位に出たのが、野崎史高選手。2ラップ目、3ラップ目は5点をとらない走りを通してトップを守ります。




毅士選手は2ラップ目の途中から次第に離されてしまいますが、優勝争いに残る野崎、友幸、黒山選手の差はわずか。ひとつの5点で簡単に順位が入れ替わる試合展開です。
ただこの3人の中でやや押され気味だったのが、黒山選手。3ラップ目第1でも5点をとってしまい、ついに優勝争いから脱落です。


黒山選手は前日からパドックで、アクセルを吹かしたりウイリーしたりのテスト走行を繰り返していました。

どうやらエンジンがしっくり来ないようです。

試合後に聞くと、ずっとマシン不調を抱えたまま走っていたそうです。
具体的な症例は当然秘密ではありますが、実は今年は開幕戦からずっと同じトラブルに悩まされているとのこと。
どうやらアクセル開度とパワーの出具合いがきっちり合っていない感じに見受けられます。黒山選手は昨年の近畿大会でもこれが原因のひとつとなって、3位に終わっているのです。

3ラップ目の第8セクション。黒山選手は何度もキックしてようやくエンジンを始動させてからのトライです。

1ラップ目はステアから落ちたここを何とか3点で抜けますが、パンチのあとはまたしても鬼キック。



なんとかエンジンをかけ、3ラップ目の最終セクションはクリーン。
あのエンジンの状態でクリーンを出すのはすごいことですが、カード交換のためエンジンを切ったあとが最悪でした。


黒山マシンはついに死んでしまったのでしょうか。このあとどうやっても、エンジンがかからないのです。

マシンはアシスタントに押されてパドック入り。

スペシャルセクションまでの10分で直らなければ、黒山選手はリタイアか?という状況にまで追い込まれてしまいました。

3ラップが終わり、残すはふたつのSSのみ。
この時点で野崎選手は1位をキープしていますが、野崎選手の減点33に対し2位の友幸選手は減点34の大接戦です。
そして超絶ヒルクライムのSS第1。野崎選手は登りに入る前のステアで転倒してしまいます。


対する友幸選手はステアをクリア。

最後の登りではひっかかりながらも、それこそトライアル人生全てを賭けたような渾身の力でマシンを押し上げ3点でアウト。

これで野崎38に対し友幸37と、ついに逆転です。

SSの第2はお互いクリーンで、友幸選手は1点リードのままゴール。
最初から最後まで本来の走りができなかった、小川友幸選手。最後は野崎選手のミスによって拾った形の優勝ではありますが、勝ちは勝ち。
黒山選手が3位に沈んだこともあり、今シーズンのチャンピオン争いに早くも王手をかけた形です。



中国大会に続き選手のテクニック、根性、メンタル、マシンなど総合的な力が試される内容となった九州大会。結果は以下のとおり。

優勝 小川友幸 減点37c13
2位 野崎史高 38c10
3位 黒山健一 45c10
4位 小川毅士 52c9
5位 柴田暁 68c5
6位 田中善弘 83c4
7位 野本佳章 84c2
8位 斎藤晶夫 97c3
9位 吉良祐哉 97c2
10位 加賀国光 98c4
11位 藤原慎也 103c1
12位 氏川湧雅 104c0
13位 岡村将敏 113c3
14位 砂田真彦 113c1

ところでこの大会では、ちょっと珍しい判定トラブルがありました。
1ラップ目の第6セクション。黒山選手が岩を登った所で、後ろから見ていた審判が5点の笛。後輪がマーカーに触れた、との判断です。

ところが横から見ていた審判は「触れていない」。
協議の結果、「トライのやり直し」という珍しい判断となり、黒山選手はこのセクションを再トライです。

実は黒山選手は1回目のトライで、問題の岩に行き着く前に1点を着いていました。
でも2回目のトライではそのカウントはされず、結果このやり直しトライではクリーンとの記録になっています。

他のセクション、選手でもマーカーに触れた触れないのトラブルはいくつか見受けられました。

逆に、フローティング気味に岩を越えるポイントでは、どう見ても前輪がマーカーの上を越えているのに、後輪が内側ならOKというジャッジも。
全員にこの判定なので公平ではあるのですが、これをきちんととっていたら選手は抜け道ラインを塞がれ、観客はさらにおもしろい試合を見ることができたかも、でした。

次の北海道大会はわずか2週間後です。黒山選手のマシン問題がどうなるのかも含めて、タイトル争いの風雲は急を告げています。


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2016年全日本トライアル第4戦中国大会

2016-06-16 17:34:40 | 日々の事
2年毎に会場をチェンジしている全日本トライアル中国大会。
昨年の岡山県原瀧山から変わり、今年は鳥取県のHIROスポーツパークで5年ぶりの開催です。


細長い山の斜面ぞいにあるこのパーク。土と苔むした岩、林に囲まれセクションが設営されていました。
土日とも基本的に雨は降っていなかったものの、山から湧き出す水で地面はかなりスリッピー。

最近のJTRでよく見る「行けるか落ちるか」というイッパツもの系とは違う、どれだけ頑張れるかを競うトライアルらしいセクションです。
選手たちも前日から「こういうところはライン読みの経験がものを言う」と時間をかけて下見をしていました。




たとえばこの第4セクションの出口手前にある、亀の甲羅のような丸い岩盤。

ここををターンしながら走るのですが、いかにスーパークラスといえどもタイヤは全くグリップしません。
手前に加速ポイントもなく、こんな所をいったいどうやって行くのか。
斜めに入るのが有利?それとも下まで降りて少しでも勢いを活かす?どこに足をついてどうやってマシンを引き上げる?



3点で出られればラッキーなところを、なんとか2点にしたい…。
ライダー達は知恵と経験とテクニックの全てを動員してのトライを繰り広げます。

黒山選手は木のすぐ右側を周って、2点。

友幸選手も同じラインで行きたかったのかもしれませんが、アクセルをちょっと開けた途端岩を滑り落ちてしまいます。でもこの状態から粘って引き上げ、3点でアウト。

柴田選手は岩を降りず、木の左側を飛んで行くというトリッキーなラディングでクリーンで走破。
おお、そんなラインがあったのか!

ただこの方法はリスクも大きいようで、柴田選手は2ラップ目は木の右側ラインをとって3点となっています。


この他にも、斜面の登り降り、ステアの行き方など、選手たちがそれぞれの持てる経験と技術を全て注ぎこむセクションがいくつも。




最後ふたつのスペシャルセクションはほぼ全員が5点とちょっとヒネり過ぎでしたが、全体に見ていても力が入る、なかなか楽しめる大会でした。


心配された雨はSSになってからパラパラ降ってきましたが、トライに大きな影響が出るほどではなく、毎年中国大会で選手と観客を苦しめる蒸し暑さもそれほどなかったのも良かったです。

「今年の目標は全勝です」と何度も公言。それをここまで2連勝で着実に形にして来た小川友幸選手。

どの試合でも僅かなミスもなくマシンを運ぶ、抜群の安定感が光っていました。
ところがこの試合、友幸選手はそれを発揮出来ません。
あれ?というような足着き、ステアからの落下などが相次ぎ、2ラップが終わった時点で黒山選手に10点の差をつけられてしまいます。



クリーン数は黒山選手より5つも少ないので、スペシャルセクション前で友幸選手の今季全勝の夢は消えていました。
本人によると「勝ちたい気持ちが強すぎて空回りしてしまった」とのこと。
完璧な安定感を見せていた友幸選手でも乗り越えられないメンタルのステアがあったわけで、こういうところはトライアルという競技の奥深さを感じさせます。


野崎史高選手は前戦の転倒で負った右足の大怪我も、問題ないレベルに回復。
昨年末からの好調さでまたもや優勝争いに絡むのかと思ったのですが、なかなか減点を減らせません。
3位には入ったものの、本人は「最低の出来でした」という結果です。


同じく優勝争いに絡みたい小川毅士選手は、1ラップ目を2位で回る好調さを見せるも、2ラップ目に崩れて、またもや4位に終わります。


対する黒山選手は、ここ何年か見られていた「意外なミス」を完全に排除。
世界チャンピオンを狙っていた時代のような、黒山乗りともいえる貫禄のライディングをキープします。

そんな黒山選手を襲った1ラップ目の第9セクションのアクシデント。
トライする黒山選手を追いかけるアシスタント二郎さんが、マーカーを蹴飛ばしてしまいます。

これが「アシスタントがセクションの設定を変更した」と判断され、5点の宣告をされてしまったのです。
黒山選手は「それは納得できませんね」と言うものの、言葉は穏やか。
必要以上に感情を乱すことはなくその後のセクションを連続クリーンで走り、毅士選手と同点の合計19点で1ラップ目を終えます。
クリーン数では毅士選手に勝っているのでトップでの折り返しです。

さらに1ラップ目ゴール直後に第9の5点は「そういうルールはなかった」とクリーンに戻され、合計は14点に。
試合展開は黒山選手に圧倒的に有利となりました。

そして黒山選手は1ラップ目の14点に対し、2ラップ目を8点。ただ一人一桁で走破します。
このあたりの、精神的余裕がその後のライディングを作っていくあたりも、トライアルの奥深さです。




スペシャルセクションの第1は、全員が5点。
最後のSS第2も相当の難しさ。第3セクションを改造したものなのですが、まっすぐ登るだけでも難しかった四角いヒューム管を横から登った上で右にほぼ90度ターンするという驚愕の設定です。





柴田選手は3点で抜けますが、その他は友幸選手も含め失敗です。


黒山選手はここを他の選手とは違う、手前で一旦停まってからヒューム管の上の角を狙うラインで、2点でアウト。
昨年の北海道大会からほぼ1年ぶりの優勝に花を添えました。








優勝 黒山健一 減点29c16
2位 小川友幸 42c11
3位 野崎史高 51c12
4位 小川毅士 58c12
5位 田中善弘 80c7
6位 柴田 暁 82c6
7位 加賀国光 88c6
8位 野本佳章 91c2
9位 斎藤晶夫 94c2
10位 吉良祐哉 95c3
11位 岡村将敏 104c2
12位 氏川湧雅 105c3
13位 成田 亮 105c1
14位 藤原慎也 110c1
15位 砂田真彦 119c0






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野本佳章選手 デモンストレーション

2016-05-30 18:33:42 | 日々の事
野本佳章選手の、東戸塚駅前トライアルデモンストレーション。
今年も5月28日(土)に、横浜のコミュニティーFM局、エフエム戸塚が主催のチャリティープロレスとジョイントして開催されました。



昨年も撮らせてもらったこのデモだけど、今年はモーターゲームスサポートガールがMC。
野本選手はメットにマイクを仕込んで、クロストークでの展開です。


当然だけどほとんどの人がトライアルを見るのは初めてで、登場だけでも会場は湧きます。


最初はプロレスリングの周りでウイリーやジャックナイフを披露していた野本選手。


やがてリングの上に、プロレスラーを呼び上げます。
やってきたのは、大日本プロレスの星野勘九郎選手。

普段は有刺鉄線デスマッチなどをやっている、すげえ恐い人です。


「てめえ、オレを呼んだからには、盛り上がる技を見せてくれるんだろうなあ!」と凄むレスラーをマットに寝かせた野本選手。


いつものように上をスパっと飛び越えるのかと思ったら、今回は迷わずマジに轢いて走ります。






最初僕の目には「おおヨッシー、前輪は当てたけど後輪からは荷重を抜いている!さすが!!」と見えたのですが

あとから映像で確認すると、後輪もしっかり腹に当てていますね(笑)

まあこのくらいで壊れる鍛え方ではない、とわかっているからできること。
でも会場では「お子様とか、絶対真似しないように」とサポートガールが言う声を打ち消すように、「こここ、このやろーーー」と怒りまくるプロレスラー。
僕のカメラにも「テメエもグルか!」と吠えまくります。



ヨッシー、笑っているように見えますが、あとで聞いたら「お約束とわかっていても、マジ怖かった〜」で引きつっていたのだそうです。

「てめえ、一度だけ名誉挽回のチャンスを与えてやる!」とのことで、再びマットに寝たレスラーを、ヨッシーは横から縦から自由自在に飛びまくり。
レスラーのでかいお腹のはるか上を飛ぶ、デモを見慣れた僕の目にもかなりの高さです。



でもレスラーの急所にトドメを刺しておくことも忘れません。(笑)


最後はやはりバックフリップで決めて、会場は大盛り上がりでした。

※発射台は新型。昨年よりも二回りくらい小さくなっています。

この様子は近々Jスポーツ3「モーターゲームス」内で放送予定ですので、お楽しみに〜。


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