英国的読書生活

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教会で奏でられるバッハのフーガ

2011-09-20 | イギリス


レジナルド・ヒル「午前零時のフーガ」


既に評価の定まったシリーズ物に遅ればせながら参入するのはちょっと気恥ずかしいものです。まだ読でなかったんですよ。
ダルジール警視と彼の部下パスコー警部、ウィールド部長刑事らが活躍するシリーズの最新翻訳です。時に感情を爆発させながら自由奔放に捜査を進行する巨漢ダルジール。対してパスコーは大学出でのインテリで冷静にスマートに職務にあたり、ダルジールと対立することもしばしば。でも部下は皆、ダルジールを恐れながらもどこか慕っているのですね。
この作品、朝8時ごろから夜中の零時までのわずか数十時間で完結します。大怪我からの復帰間もないダルジールは、あろうことか日曜日を月曜日と勘違いして署に車を走らせるのですが、その車を追う金髪の女性が一人、そしてその女性を追う2人組みの男女・・・。単にスピード感だけでなく、登場人物の過去が次第に語られるなど重層的に展開し読み応えがありました。ダルジールの暴言、下卑たジョークも楽しく、イギリスでは2009年発刊ですから、ブラウン首相やキャメロン党首への当てこすりも笑わせてくれます。
作者ヒルはイギリス文学に精通しているのか頻繁に引用が登場、それが全体の知的レベルを維持させているのかな。

舞台は中部ヨークシャー。お下品警部代表フロストと違って、このダルジール警視は身体はどでかいですが、ファッションセンスはなかなかな様です。

これははまってしまう予感が・・・・。


 



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