私たちにとって本当にようやく実現できたという感慨深い視察を終えて、「韓国でよかった!」「韓国へ行けてよかった」とつくづく思う。
韓国は、「“即実行”ケンチャナヨ精神」という、日本とは異質の素晴らしい気質がある。あらゆる点でそれが突出してみえる。
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“なんでもできちゃうのだ”“なんでもやってみる”本当にそう思えるのが韓国であった。
今回の視察は、大田広域市の全女性議員との懇親、国の女性政策を地域で実践している大田広域市女性会館、大田広域市大徳バレー研究団地の女性企業会社訪問、そこからソウルに移動して、市民活動の伝統あるソウルYWCA、女性開発人力センターを運営している女性企業家との懇親、そして最後に女性政策策定機関である韓国女性開発院、の6箇所を訪問した。
視察中、どこへ行っても突き当たったのが‘97のIMF経済危機の体験の重大性に改めて
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驚かされた。今韓国にある活力の源がそこにあるという感じすら受けた。
韓国は、その体験を上手くチャンスに変えていた。というよりそれほど切実だったといえるのかもしれない。
‘97経済危機の後、政府は、即、女性の能力開発、社会進出、経済拡大を図るため、「女性開発人力センター」のプロジェクトをたちあげ、全国に51箇所設置している。
また、YWCAの館長や、女性企業家にみられるように世代交代(若い人の登用)が推進されていた。8年前に訪問した時は女性の会長や社長は、ほとんどが50代60代中心であったのに比べ今回はほとんどの方たちが30代40代であった。
女性会館では、8年前に比べて子ども連れの若いお母さんたちが大変多かった。人力センターでは、20代、30代を対象にリーダーシップ養成講座や子育て中のお母さんに重点をおいた社会復帰の為の講座が開かれていた。これらからも若い次世代の育成に力を入れていることが良く解った。(どこも保育園(室)が設置されていた)
このように時代のニーズに即、対応できること、必要なら即、行動すること、これが韓国の特徴だと思った。こういう動きは政策だけでなく韓国人の気質といえるかもしれない。 例えば大田市の大徳バレー研究団地の女性企業家は、「はじめは夫が社長だったのですが、夫はもともと技術者で、私の方が経営能力があったから交代したのです。」とか、「定年後を見据えて、アメリカへ行き、これからはケーブルTVの時代だと確信して帰り、会社を興した。」などごく当たり前にこたえている人力センターの女性企業家の話を聞いて、そのことを確信した。
もう1つ、中小を問わず企業はじめ、ネットなどの個人販売にいたるまで、市場を世界に拡大しようとしている視点、また、学生も、アメリカはじめカナダ日本などへ留学するのは当然という感覚も日本とは大きく異なる感覚だと思った。さらに、この視察を通してどの場面でも、韓国の人たちがはっきりと「発展させるためには教育が必要」と言う言葉を口にしている点がとても印象的であった。
韓国の開発センターのプロジェクトなど、女性の自活にポイントをおく女性政策は、単に女性の職業訓練、斡旋にとどまるものではなく、プロジェクトを受けた企業家のネットワークや市民団体の経済の活性化になる。
女性たちの社会進出は、家庭の経済を上昇させ、生活が潤い、それは韓国の経済活性化に反映していくという道筋ができている。
女性政策の面では、アジアより進んでいるノルウェーやデンマークなどの例から見ると、女性の労働力のアップは、男性の労働力(時間)を減らすことにも貢献し、男性の労働力を減らしても、男女全体の労働力は増加(国全体の労働力はアップ)する。
また、男女の労働力の差がなくなるということは、職場や家庭における役割分担の差もなくなってくるのは自然な流れで、そこには、実現化に向けた必要な制度が派生する。
例えば、男女区別なく、職場での労働時間を減少する制度、雇用、役職の均等制度、子育て休暇制度、保育所の整備、子育ての経済的支援制度、年金制度の充実などの制度がそこから生まれてくるからである。(そのための税金の上昇は当然として)
これらの制度は少子化の歯止めにもつながっている。
韓国の女性政策、女性会館や人力センターのプロジェクトからはこういった動きへの広がりが伺える。
これは、まさに私たちPPOの連携の基点(目標)である。
残念な事に、韓国視察の中で知った、感じたいろいろな政策や意識が、現実の女性の職場や家庭における実態調査の結果にはまだまだ反映されるほどに至っていないのである。(韓国統計庁が発刊した‘2004統計で見る女性の生’参照)この調査結果は、日本の女性白書(参照)の調査結果とほぼ同じ様な傾向を示している。
来年は北京の世界女性会議、行動綱領が批准されてから10年、国連では、各国の実態調査報告を受け今まとめの作業が行われている。
韓国や日本のこの10年の結果が大きな問題となることは予測される。
私たちは、韓国や、日本の問題点を把握し、今後の活動で、これらの問題を1つ1つ解決していかなければならないと思っている。
PPOは韓国で多くの人たちから「市民と行政と議員、この三者の連携は素晴らしい」と言われた。これは私たちPPOの大きな特徴であることを自覚し、
「自分たちにとって必要な事、それが政策」という当たり前の事を改めて確認できたことは大きい。
市民活動とかネットワークの活動を社会(政治)に反映するためには、多くの人たちと連携し、それぞれの立場や特徴を活用しあい、輪を広げていくことが重要である。
これが連携のメリットである。私たちは、韓国の視察を通して学んだこのメリットを最大限活用して実践していきたい、と思いを強くした。
2004年韓国視察の報告書はこれで最終になりました。この報告を始めてから多くの方がアクセスしてくださり、アクセス数がそれまでの100倍以上になりました。
多くの方から、メールもいただきました。
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本当に有難うございました。もっと早くブログ掲載できたら良かったと反省しています。
今の時点で見直して手直ししたい部分もありましたが、そのときのまま掲載しました。
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このあと写真集を掲載して行きたいと思っています。
春の区市長選、区議員選、そして昨日の参院選が終わり私たちPPOの活動もこの1年お休みしていたため、この秋からはいよいよ
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活動開始です。
これからが実働の時期と思っています。どんどんブログ掲載して行きたいと思っていますのでよろしくお願いします。