今年の1枚/今年の1冊/今年の1皿


 年末なので今年も1年間を振り返って特に印象に残った作品を整理しました。自宅に書斎を持ち、趣味を堪能するには最高の環境が整った1年だったわけですが、常に娘が遊ぼう遊ぼうと来るのでゆっくりできる時間は限られました。
 それでも娘が2歳を過ぎてからは必ずしもベタ付きしなくてもよくなったので、少しずつ自分の時間を持てるようになりました。今年も昨年に引き続き極めて小範囲の候補からのピックアップということになります。


○クラシック

 考えてみたのですが、今年のクラシック音楽の1枚はパスです。夏頃に「ローエングリン」をまとめて聴いた時期もありましたが、とうとうクラシック音楽に浸かりたいという中長期モードには入らずじまいでした。何を聴いても楽しめないというか心が求めません。
 本を読む際のBGMは音楽ではなく、窓をちょっと開けて外の自然音に耳を澄ますほうが落ち着きます。無理にCDを聴くことはないので、当面はクラシック音楽を聴きたい気持ちが戻るのを待ちたいと思います。
 という訳で、よいなあと思えたディスクも一部ありましたが、特別な1枚は思い浮かばないので今年は該当なしです。

○ロック・ポップ

 ロック・ポップは比較的1年間を通して聞きました。有名どころで新たにまとめて聴き始めたミュージシャンとしてジェフ・ベック、ボブ・ディラン、ELO、トーキング・ヘッズなど。ビートルズの「アビー・ロード」もアルバムとしては初めて聴いて新鮮な感動がありました。新人も音楽ショップの試聴で気に入ったディスクをいくつか聴いたと思います。
 その中で1枚となると、今更ですがトーキング・ヘッズの「リメイン・イン・ライト」です。年末にいろんな雑誌でギターやロックのベストアルバムを紹介する企画があったのですが、それで知って購入した1枚です。
 アフリカンビートとロックを融合したダンスミュージック。1曲目の冒頭を聞いただけでもう気に入りました。アフリカに限らずカリブ海など世界のビートを取り入れた音楽はアレステッド・ディヴェロップメント、ポール・サイモンの「グレイスランド」など大好きです。
 トーキング・ヘッズは「ストップ・メイキング・センス」は好きだったのですがベスト選曲と読んでいたので他のディスクは聴かず仕舞いでした。80年代音楽大好きを自認しているのにこんな名盤を知らなかったとは…。新作ではない1980年発表の作品ですが、今年最も印象に残ったアルバムなので今年の1枚にしたいと思います。

○ジャズ

 今年はビリー・ホリデイとチェット・ベイカーを新たに知った1年となりました。両者共にボーカルで、自分には新しいジャンルです。無性にジャズを聴きたくなった時に選択するアルバムの1枚になると思います。
 ジャズは、「ザ・ビリー・ホリデイ・コレクション」です。

○本

 今年は気になるジャンルを一気にまとめて読むことが楽しかったです。私はどちらかというと遅読でじっくり読むほうが好きなのですが、40歳を過ぎてようやく、こういう生活リズムでは読みたい本を人生の中では読み終わらないことに気付きました。そこで面白いことが分かっても一気に読むほど乗れない、わざわざ時間をかけて読むほどではないと判断した場合は、早々に見切って斜め読みで読了することにしました。こうすることで読書への関心を持続させる。趣味とはいえ情報過多の中、ある程度の規律というかリズムがないと集中できません。
 具体的には、年の前半は日本人作家のエンターテーメント作品、後半は新書、漫画などをまとめて楽しみました。どれも面白く、今年は充実していたと思います。
 その中から1冊となると…読んでいる時間が楽しくて楽しくて仕方ない、危うく読まずに死ぬところだったと思える作品、小説に出会いたいのですが…今年読んだ本はそこまでのレベルではなかったように思います。
 そこで、今年の1冊は、読み物のスタイルとして好みのタイプにすぽっと嵌った赤澤かおり/内野亮著「Aloha Book」です。当分、手元に置いておき、彼の地への旅が具体化する日が近いことを祈りつつ読み返したいと思います。

○食べ物

 娘が小さくて手が掛かることは相変わらずですが、比較的静かにムシャムシャ食べるようになったので行ける店の範囲は広がってきました。それでも、家族で行ける店はまだ味は二の次が多いです。
 そこで、一人行動中に食べて印象に残っているたこ焼き、焼肉、うどん、ラーメンなどの中から今年の1皿を選ぶと・・・高松で食べたさぬきうどん「こだわり麺や」の生醤油です。うまかった。あの食感、のど越しは今でも口、のど、舌が覚えています。
 以前、東南アジアなどの貧乏旅行記で、フォー(ベトナムのうどん)を日本円で50円くらいで食べているのを読んで安いなあ、自分も体験したいなあと思いましたが、香川県で80円、90円、100円でうどんが売られているのを知ると、逆に日本でこの値段なら東南アジアで50円は高すぎるんじゃないかと感じるようになりました。世の中のどの値段が安いのか、適正なのか、ボッタクリなのか、よく分からなくなってしまいます。高松の出張から帰宅した後、妻に「老後は香川県に住みたいかもしれない」と少し本気で伝えたところ、「私には何のメリットもない」と受け流されました。


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