クローズ間際、すべりこみで「2046」を観た。
ウォン・カーウァイはかなり好きな監督の一人。
映画ととても親密な関係になれる、そういうところが好きだ。
数年ぶりに幼なじみと再会したときに感じるような。
懐かしくって、浮き足立って気が逸るのに、うまく言葉が出てこなくてなんだかもどかしい。
ちょっとうつむきながら、揺れるタバコの煙をじっと眺めたりしてる。
でも、満ち足りたような、なんか自然な落ち着きがやってくる。
こういう映画は観たあと静かな幸福感があるし、三日くらいはその幸福感で生きていける。
今回観た「2046」もけっこう良かった。
いろんな人が誰かを求め、そして求めたものはついに得られない。
希求と失望は幾たびも繰り返され、空間的には上海・シンガポール・東京へと、時間的には60年代から2046へとズラされながら、誰が誰を求めているのかさえ判然としなくなっていく。
求める言葉と、沈黙の答えによる永劫回帰。
「そうなんだよね」「うん、そうなんだよ」
シアターの中に淡い紫色をした溜め息が揺らめいている。
・・・でも、最後がちょっと不必要に長かったかな。
ハッピーエンドの書けない小説家が、原稿用紙を前に1000時間座っている。
追憶のなかの1000時間。
それで終わっていいんじゃないかな。
ウォン・カーウァイはかなり好きな監督の一人。
映画ととても親密な関係になれる、そういうところが好きだ。
数年ぶりに幼なじみと再会したときに感じるような。
懐かしくって、浮き足立って気が逸るのに、うまく言葉が出てこなくてなんだかもどかしい。
ちょっとうつむきながら、揺れるタバコの煙をじっと眺めたりしてる。
でも、満ち足りたような、なんか自然な落ち着きがやってくる。
こういう映画は観たあと静かな幸福感があるし、三日くらいはその幸福感で生きていける。
今回観た「2046」もけっこう良かった。
いろんな人が誰かを求め、そして求めたものはついに得られない。
希求と失望は幾たびも繰り返され、空間的には上海・シンガポール・東京へと、時間的には60年代から2046へとズラされながら、誰が誰を求めているのかさえ判然としなくなっていく。
求める言葉と、沈黙の答えによる永劫回帰。
「そうなんだよね」「うん、そうなんだよ」
シアターの中に淡い紫色をした溜め息が揺らめいている。
・・・でも、最後がちょっと不必要に長かったかな。
ハッピーエンドの書けない小説家が、原稿用紙を前に1000時間座っている。
追憶のなかの1000時間。
それで終わっていいんじゃないかな。