Petrol Bug's

――――― THE SUNBEAM FROM THE FAR EAST ―――――

Crank Shaft Exchange

2022-06-12 | Weblog
はい。結論から言うとですね、クランクシャフト新規制作&交換の刑です。実刑判決。まあ両センターでフレてるってことは、そもそもシャフト自体が曲がってる可能性が高く、フレを取り切るまで削るのは得策じゃないっつうことで。じゃあなぜシャフトが曲ったのか…?という話だが、これはもう経年劣化と金属疲労?落としたり無理な力は加えてないのでそう判断するしかないな。まあここまで来たらもう好きにしてよって感じではある。いっそスッキリするわ。



でもってビームのシャフトはリベット留めなので、リベットを落としていきます。サンダーで…という話もあったが、野蛮なのでドリルで揉んでリューターで削る作戦で。



なんとなく真ん中らへんにセンタードリルで案内を作り…



リベット部分より少し大きめのドリルでギリギリまで揉んでいく。



取り切れなかった部分をリューターで削り…



押す工具が逃げないように少し穴あけ。



平ポンチを穴に当てがい、プレスでじんわり押していく。



2tいかないくらいで、ぐんにゃりとした手応えでリベットが動く。



両端が広がった鼓みたいな形で入ってんのね。



同じ要領でどんどん力をかけます。



もこもこきのこが生えてきた。



全バラ。しっかしまあ…華奢だな…。薄すぎるでしょ…。



中央の圧入部分にはオイル穴が。



いや、こんだけ薄くて華奢だと90年経ちゃあ曲がることもあるかもな…。耐用年数過ぎること甚だしいしな…。



諸々計測。そして内燃機屋へ…。



圧縮漏れからはじまった今回の事態…。クランクケースクラック修理からのギアボックスクラック発見&ギアボックス交換、キックシャフトブッシュ一式製作、クランクシャフトのフレ発覚、クランクピン崩壊、筒&棒製作地獄と続いてきましたが、ひとまずこれで僕のできることは終了です。たぶん内燃機屋から仕上がって戻ってくるのは5年後とかなんで、みなさんそれまでさようなら。いっそもう戻ってこない方が平穏に生きられるのかもな…。どこかのブログで絶望しか入ってないパンドラの箱呼ばわりされてたけど、しかもこのパンドラの箱、自動扉で勝手に開くからね。

でもサンビームは…いいバイクだよ…?
 

Pinion Bushing Puller

2022-05-21 | Weblog
はい。前回無駄に終わったピニオンギアブッシュの抜き取り工具製作を再開していきます。磁石で材料が鉄なのを確認してから回す。



あらかた形ができたらネジを切っていきます。フレを確認しつつ、先に細い方から。





入り口だけ切ったらひっくり返して太い方のネジを切る。太い方から切り始めると、細い方を切る時にネジ山部分をチャックすることになり、正確に芯が出しづらいのです。



そんなこんなでできたものがこちら。



ブッシュ側にタップをちょいと立てて…



ネジの力で抜いていきます。するりとね。



ピニオンブッシュまわりを計測。



時間もあるのでブッシュの荒削りまでは済ませておきましょうか。



大体2mmオーバーサイズのところくらいまで。仕上げはピニオンシャフトの問題が解決してからやります。



さて…。内燃機屋に相談に行く前に、念のためもう一回ピニオンシャフト部分のフレを確認しときます。ひょっとしてセンター穴が浅くてどっついてるから芯が出ていないのでは…?と淡い期待を込めて光明丹チェック。



ちょっと光明丹がつくのでリューターで少し中央部分のみを削る。



…まあ、ぜんぜん関係なくフレてるんですけどね。





はい。できることは終わった。あとは内燃機屋との相談ですね。
 

Not My Day

2022-05-16 | Weblog
Not My DayっつうかもはやNot My Lifeってくらい物事がうまくいってないのだが…。棒作りすらままならない。



先日書いた図面に従ってラッピングロッドを作ってみたのだが、何かおかしい。12.60…?いいえ。これ実際は12.66でした。ちゃんと書けよ!俺!!字ヘタか!!



そんなわけで最初から作り直し、やっとこさできた棒を突っ込んでラッピング。



ちょっと渋めのとこまでいったらば、オートゾルで仕上げ。



吸気側も同じように。





両方カムギアが入るようになりました。



フタを閉じてネジを締め込むと、回りが渋くなったりするので、その場合は少しづつ広げていく。閉じた状態でスルスル回るようになれば完成です。



エンドプレイをチェック。吸気側がおおむね0.18。



排気側がおおむね0.15って感じですね。もうちょっと詰まっててもいいけどまあ許容範囲でしょ。



ここからピニオンブッシュにとりかかるが…これまた一筋縄ではいかない。こんな感じで抜き取れそうなもんだが、なにせフタが薄いんで力をかけたくない。



なので抜き取り工具を製作します。棒は棒でもネジが切ってある棒だぞ。



芯押し台を使ってダイスを当てがい回す。



ある程度ダイスが入ったらあとは万力でつづきのネジを切っていくが…。なんか…尋常じゃなく切れない。いくら万力で締めて回ってしまうくらい切れない。なんでこんなに固いんだ…?



なんとか太い方のネジは切ったが、細い方がもうまったく切れない。流石にこれはおかしいな…?と思っていたら、これ、ステンレスだったわ。誰だよ!!!ステンレスの丸棒を一緒に材料箱に放り込んだやつ!!!



…ってわけで次回まるっと作り直しです。ステンレスってこんなにダイス切りづらいもんなんすね。もうね、今日はほんとに全然作り物がダメな日だったわ。解散解散。
 

Eternal Lathing

2022-05-14 | Weblog
回せども回せども旋盤作業が終わらない。今日は先日のカムブッシュ用ラッピングロッド製作の続きから。⌀12.62の単なる棒を作ればいいかと思いきや…。



フタ側とケース側でブッシュの内径がずいぶん違うので赤青鉛筆みたいに半分でサイズ違いにします。



ラッピングするケース側ブッシュに合わせたロッドのサイズがシャフトより3/100くらい小さい⌀12.62。フタ側はダミーブッシュより1/100くらいアンダーのサイズ感でロッドを作り、軸がぶれないようにしてラッピングする。



手前だけにバルブコンパウンド細目を塗布。



フタを閉じるネジ達をきっちり閉めた状態でラッピング。



こんな感じでサリサリと。削り過ぎないよう、最初はスムーズに動きはじめたくらいでやめて内径確認と現物合わせ。まだもうちょっとって感じなら同じ手順でちょっとづつって感じで。



ところが数字的にはいいとこ来てるのに、現物合わせが渋い…。



案の定シャフト側のテーパー摩耗が原因。



根元ら辺を少しペーパー研磨してやると…



無事スルスルになりました。



続いて排気側もやっていきますが…。



研磨ロッドがね、ちょっと長かったですよね。排気側はどんつきだから…。



先端をチョンと落としてやります。



同じ手順でサリサリと。当たり前だけどバルブコンパウンド、めっちゃ削れるな…。伊達にシートリング相手にしてないわ。



はい。ルスルス。



ここまで来たら一度カムのエンドプレイをチェックします。吸気側はこの時点で0.03くらい。本番ブッシュはツバの厚さがダミーブッシュよりも0.15くらいアンダーしちゃっているので、最終的には0.18くらいのエンドプレイになりそう。ほんとはもうちょっと少なくしたいが…まあ許容範囲ということでこのまま行きます。



そして排気側がゼロだったので、ダミーブッシュのツバを適宜薄くしてゆきエンドプレイを確保。



ざっくり0.05〜0.1くらい削ってみる。



それで現状0.07。最終的には0.12くらいを目指したいので、そうなるようにフタ側の本番ブッシュのツバを削ります。



まあなんかこんな感じで?





バシッとね。つうか生爪作るんだから、最初にブッシュ作るときあんまりツバの厚さ追い込んで作るんじゃなかったな…。咥え直せるなら測りやすいし失敗がない。



で、本番ブッシュをフタに圧入する前にオイル穴を開けにゃなりません。正確に位置を測って…



センタードリルでちょっとテーパーになってるところまで行きます。こうしておけば多少穴がずれてもオイルが入りやすいんだそうで。



吸気側も同様に。



穴あけ後はバリが出るのでリューターやヤスリでチョチョッと削って現物合わせしておきます。OK。



そいじゃあ入れて行きますか…。オイル穴位置を合わせて、共回りしないようにブッシュに直接接触しない側(画面奥)にスラストワッシャーを噛ませて治具のナットを締め込んでいきます。



はいバッチリ。



排気側はどんつきなのでプレスで。こちらはずれる心配がない。



無事にはまったらば内径計測。





現状カムシャフトが通らないので、次回これに合わせてラッピングロッドを作ります。ええ、そうです。また棒作りですよ…。
 

Adjusting Endplay

2022-05-08 | Weblog
カム類のエンドプレイを改めてチェックしていきます。鉄板をケースに固定してそこにダイアルゲージを引っ付ける。



吸気カムフォロワーが0.08。



吸気カムが0.00。ひとつも遊びがない。



排気カムフォロワーが0.2。ちょっと大きいな…。



排気カムは0.09。



旧ブッシュはすべてツバの厚さが1.7。それに対して新しく作ったブッシュは先日の通りツバの厚さがバラバラで、吸気側で合計1.7アンダー、排気側で合計1.7オーバー。差し当たってケース側のブッシュを先にはめてしまって、フタ側は旧ブッシュのままもう一度エンドプレイをチェックしてみることに。まずはケース側排気カムブッシュのツバを生爪で1.75→1.70に整えます。



ドンピシャ。



さて。ケース側ブッシュをはめていくが…。ケース裏にあてがう治具が要る。メインベアリングハウジングのフチが邪魔なのでそこを逃げるように。



これで一旦入れてみたが、治具の貫通穴が大きすぎ、全ネジが遊ぶのでブッシュが真っ直ぐ入っていかない。やはり一体じゃなきゃダメか…ということで再製作。



はい。こんな感じで。



あっためて…



いい感じの手応えでするっと入りました。0.03のハメシロはちょうどいい感じですね。



現状だとややタイトなのでカムシャフトがするっと入るところまで一旦ラッピングします。吸気側カムブッシュの内径が12.64〜12.66、排気側カムブッシュの内径が12.64〜12.67。手前が広くて奥がきつい感じ。で、ラッピングするにはちょうどいい棒がいるってことで棒づくりですが…。とりあえず12.62あたりを目指して旋盤を回す。



しかし今日は荒削りまで。つづく。