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Three Rings for Hollywood(1)

2005-01-05 22:41:25 | Tolkien・映画
最近,TORNに,原作ファンにはなかなか興味深い(けど難しい(汗))記事が紹介されていました。オクラホマ大学の,Janet Brennan Croftという人が書いたものだそうですが,タイトルは「Three Rings for Hollywood: Scripts for The Lord of the Rings by Zimmerman, Boorman, and Beagle」というものです。これにはPJ以前に,指輪物語の映画化に挑戦してきた人達,とりわけジンマーマン,ブアマン,ビーグルという人達についてのお話です。それぞれの人達が,この複雑な物語をどうやって映画に落とそうと試みてきたか,述べられています。

何回かにわけてどんな事がかいてあったか,概要をご紹介しようと思います。今日はまず,最初のチャレンジャー,ジンマーマンについて。

ただ私のへたれ抄訳はあまりアテになりませんので(^^;),正確に何が書いてあったかを確かめたい方は,こちらで。

ジンマーマン
指輪物語の最初の映画化への試みは,1957年,フォレスト・J・アッカーマン, モートン・グラディ・ジンマーマンとアル・ブロダックスによるもの。彼らは,アニメーション,ミニチュア,実写を含む,2回の休憩付きの3時間の映画化を提案。トールキンは出版社にもしアドバイスを聞いてくれるなら映画化はしてもよいと話す。彼は提示された絵を見て素晴らしいと感じていた。しかし脚本は早急で無神経で不適切,と指摘する。しかも著者への謝礼が少ないのが気に入らない。

トールキンは,物語の始まりはとてもよいと感じる。しかしすぐにジンマーマンの創作した呪文や不適切な魔法に異議を唱えたそうだ。旅の仲間がモリアで狼に襲われた時,ガンダルフは稲妻を出して攻撃する。オーク達は割れ目に落ちた。デネソールの自殺シーンではガンダルフはファラミアを空中に浮かせた。最後の戦いでナズグル達を静かに見守る兵士達の前で石に変えた。

その脚本に対する回答としてトールキンは映画「キング・ソロモンの秘宝」についての C.S.ルイスのクレームを引き合いに出した。原作では主人公達はクライマックスで王達のミイラの墓で罠にかけられ,ゆっくりとした死に直面するのだが,映画製作者はこれではつまらないと思ったようで,火山の爆発や地震が追加された。これと似たような事でジンマーマンは,「掛け金を引き上げる」という誘惑を抑えきれず,風見が丘での馳夫とホビット達への攻撃をもっと武器を持った物にしたり,さらに彼らをラウロスの大滝でボートを襲わせたりしている。

しかしもっともおかしな改変は,サムはフロドをシェロブの前に見捨てて,滅びの山に自ら指輪を運んでいる事だ。彼はフロドが生きている事を知っていたが,中つ国への義務が打ち克ってしまった。これはトールキンを大いに怒らせた。「本と逆だ!」
滅びの罅裂では彼(サム)は殆ど指輪を捨てる所だったが,そこで気の狂ったフロドに襲われ,フロドはゴラムに襲われる。しかし彼らはシェロブ以降どこかに隠れていたという兆しもない。そして,フロドはアラゴルンの結婚式の後に目覚め,すぐにエルフ達と船で去っていくという弱々しいラスト。

スクリプトは至る所で題材についてもスキルにおいても厚かましく不注意。迷惑なスペルミスが何度も繰り返される。木の鬚のシーンとファラミアとの出会いは理解不能なほど省略されている。TTTとROTKの分かれ目は混乱していて,クライマックスで滅びの山と黒門の切り替えが数秒毎に入れ替わる。トールキンはそれぞれのシーンの繋ぎ目がぎこちない事にすぐ気が付く。死者の道のトンネルからシェロブのシーンに直接つながっていて,原作を読んでない人にはとてもわかりにくい。

あ,そ~~。PJ/PB/FWと,このジンマーマンって人,結局どこがどう違うんでしょうね?!(笑‥‥ってゆーか,笑い事じゃないですよね,ホントに)

私はソロモンの秘宝の原作も映画も全く知りませんが,きっと火山だの地震だの入れなくても十分映画として面白そうだと思いますね。てゆーか,原作にそういうのがなければ,別になくてもいいんじゃない? かえって安っぽくなるだけだしね。ま~それにしても,映画監督だの脚本家だのというような人種って,時代が変わっても,そういう事がわからない人達なのでしょうかね?(汗)

‥という事で,次もまたびっくりの話が続きますよ~。(と言ってもいつ次を書けるかわかりませんが(^^;)),

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