ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Murder Wears a Cowl:10

2013-10-19 07:33:55 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

何か一件落着のように見えますけど,実は起承転結の転が,まだ終わってないのですよ。どんでん返しがあるのでしょうか?

…と、思いきや、リチャード・パドリコットは実在の大泥棒で、今回は大変有名な事件を扱っていたのでした。その事件については、後にドハティさん自身がレポートしております。

リマーを大将とする水軍は,ウェストミンスター寺院まで船を進めると,そこで上陸。コーベットは,リマーに,講堂にベンチと椅子を並べてもらい,さらに教会管理係アダム・ウォーフィールド,執事ウィリアム・センチェ,修道士リチャードを逮捕して連れてこさせる。

ウォーフィールドはかなり激しく抵抗。しかし,ブラザー・リチャードが,本当の事を話すと言い出す。修道士の誓いも問題だけだと思ってるな,と,コーベット,しかしもっといろいろな話があるぞ,と,言うと,リチャード,ウォーフィールドに詰め寄り「一体何があるのですか?!」

コーベット,ウォーフィールドに「この活動を組織していたセニョールとは何者だ? 名は何という?」ウォーフィールド「知らん」するとセンチェ「リチャードと言ってたぞ」ウォーフィールド「黙れ!」「いや,黙らないぞ」

コーベット「彼は髭を生やしていたか?」センチェ「はい,髪は黒だったと思います。」

するとコーベットは,ブラザーアダム・ウォーフィールド,君は正体を知っていたかもしれないが,彼の名は,リチャード・パドリコットという。有名な犯罪者だ。君たちは,何故完全な部外者が,どんちゃん騒ぎを起こす事に熱心だったか聞いた事はないか?」

ブラザー・リチャード「我々は退屈だと言ったんです。そしたら,何か面白い事をやろうと…,という事で,…我々は誰も傷付ける事はなかったんですよ!」
「誰かが,パーティは終わりだ,娼婦達の口封じをしようと言い出すまではな」
「まさか,我々が彼女達を殺したと?!」
「それだけじゃない。目撃したベネディクト神父と,何か証拠を握っていたサマービル夫人もな。」

アダム・ウォーフィールド,かんかんになる。「絶対にそんな事はしてなーい!!」
「しかし,目撃者がいるのだ。下手人はベネディクト派の僧服,今,君達が着ているようなのをな,着ていたと。」
「証明できるものか」
「今はな,しかし,すぐにだ。」
「いやいや,できるものか」

コーベット,そこでラナルフとマルトートを呼ぶ。
「いや,証明してみせるぞ」
コーベットは,皆を率いて南の翼廊から出て,大きなドアの前に立つ。皆の抵抗を無視して,封印を剥がす。ラナルフ,「何するんですか!鍵ないじゃありませんか!」コーベット,ああそうだったと(今頃)気づく。リマーに命じようとするがちょっと引き気味(笑)
「王の名に於いて命じる,このドアのちょうつがいをはずせ!」
の一声で慌てて部下を呼ぶリマー。さらに1番長いはしごも調達。

で,何でドアを開けるかと思いきや,出た! LOTRで超お馴染み(笑),battering ramすなわち,大槌…しかし,何を大槌にしてると思いきや,実はベンチ。(へぇ,そんな用途に使えるんだねぇ)

さて,ドアが開くと,コーベットは3人の僧に見張りを付けてその場に残し,ず~っと後ずさりしていた(笑)ケイドを呼びつけ,中へ侵入。壊された階段の代わりにはしごで降りると,金銀のプレートの入った箱の山。「しかしこれを売るのは難しい。こんなものを売るのはアホだ。。。」しばらく行くと,金銀のコイン入りの袋を発見。「ははあ,盗人の目的はこの袋だったか。」袋は既にほとんど持ち去られている。

コーベットは,盗人は上から来たのではなく,横から穴を掘ってきたと推測する。すると,ラナルフが,ついに壁に出入口を発見。古い墓地につながっているらしい。

そして彼らは,墓地に使い込まれた道具と共に,地下室につながると思われる穴を発見。これで問題はあと2つ。コーベットはこの泥棒はパドリコットの仕業と確信しているものの,奴はどこにいるのか,盗んだものはどこにあるのか。そして,犯行の証明。今の所,乞食と娼婦の証言及び,老夫人の書いたものしかない。すなわち,確固たる証拠がないのだ。

とりあえず,Cotbettは3人をロンドン塔に送って,「話を聞く」(拷問だな,きっと)兵達は,少なくても2人は聖職者だと言ってためらうが,「王の財産を盗んだ反逆者だ」

とりあえず,一段落。するとレディ・メアリーがやってきた。コーベット早速彼女の手にキス。ちょっと羨むラナルフ,ところが,メアリー ネビルはラナルフを呼び止め,手にキスを許し,そればかりか,Amor vincit omnia - Love conquers all(愛は全てを克服する)と,イミシンなお守りを頂いてしまった♪


Murder Wears a Cowl:9

2013-10-19 07:31:00 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

Corbett was breaking his fast in the buttery ...

辞書に載ってませんが,朝食をとっていたという意味かな。またbutteryは辞書を引くと食料貯蔵室とあるけれど,今風の言い方をすれば,

コーベットはキッチンで朝食をとっていた

という事ですね。

さて,早朝コーベットがキッチンで朝食をとっていると,ドアをバンバン叩く音。開けるとケイド。「また殺しか?」「ヘイ親分,ハウィサという娼婦が自室で殺されました」という感じで…

ケイドは朝飯を分けてもらい,ガツガツ食う。が何か狼狽した様子。「知り合いか?」ケイドは食べ物口一杯にして「はい,でも個人的な事です」

そこへのそのそやってきたラナルフを,コーベットは思いっきり絞め上げる。「お前が外をうろつくと全て私の責任になるのだ! 敵は多いんだぞ! またレディ・メアリーか?! 彼女は身分の高い未亡人だぞ!」しかしラナルフは逆ギレ。「私が何だと言うのですか?! それともあなかが彼女をお好きなのですか?!」思わず短剣に手が伸びる両者。ラナルフ「今まであなたに仕えてきました。父は誰か知りませんが母は農民の娘でした。母は野望を持っていましたが才能はありませんでした。私は両方あります。いつか王の基にひざまづきます! 騎士にしてもらいます。」コーベット,手を元に戻し,「好きにするがよい。しかし今は別の仕事がある。」

コーベットは,ラナルフ,マルトート,ケイドと共に,以前アグネスの遺体を検分した教会へ。そこで偶然口にした連続殺人の犠牲者の人数が,ケイドのリストと合ってない事に気づいたコーベット,ケイドのリストと,教会の埋葬者リストを付け合わせる。そして(ケイドをナイフで脅して)ケイドのリストに載っているジュディス(ケイドのお気に入り)という女性が,犯人の攻撃から生き残り,ケイドの「妹」として修道院に匿われているという事を知る。

修道院では一行を暖かく迎えた。特に男性の客は好きだそう? ジュディスはケイドの妹として匿われているのだが,修道女達は何とはなしに,彼女が本当はどんな女性かわかっている様子。ジュディスはケイドを見ると両頬にキスをして挨拶を交わしたが,目の回りのくまが痛々しい。

その日ジュディスは自室に帰ると,戸棚で何か物音がした。飼っていた猫が入ってしまったのかと思って,開けると,突然襲われたそうだ。彼女の肩から肩にかけて,大きな傷跡が残っている。
彼女が見た犯人はフードを被り,焦げ茶の僧服に白い房。これはベネディクト修道僧が着るものだ。すなわち,ウェストミンスターでケイドが黙っていたのは,そこにいた僧達がそのような装いだったから,だったのだ。

ケイドは壁を叩き,ジュディスを見て,すまない,娼婦の言う事など誰も信じてくれない,と言う。コーベット,ジュディスの前にひざまずき,本当の事を言えば,犯人を捕まえ,君を故郷に帰してあげようと約束する。

1年位前,ジュディスや他の女の子達はウェストミンスターに召還され,どんちゃん騒ぎのパーティに参加した。相手の男性はマスクをしていたが,何人かは修道士に違いないと思った。このようなパーティの主催者は,背の高い筋肉質の男で,いつもセニョールと呼ばれていた。

何故修道士とわかったの?とのコーベットに質問に,ジュディス,にっこりして,道に立っていれば,いろいろな殿方の事はたくさん存じております。トンスラがあるのは修道士だけですもの(^o^)

しかし,何故誰も訴えなかったの?というケイドにジュディス,あなたはいい人だわ,でも頭良くないわね,結構なお金や食べ物もらって,誰が訴えるっていうの? それに,さっきあなたが言ったように,娼婦の言う事なんか誰も信じないのよ。

では,おそらく女の子達を殺したのは修道士であろう。そのようなランチキ騒ぎをした事を隠したかったのか。修道士なら誰も疑わない,家の近くまで入れる,サマービル夫人を殺したのも修道士なのか,確かに乞食のRagwrtの証言,犯人は重いサンダル履き,とも合致する。ベネディクト神父も,それを知ったから殺されたのか。

しかし,ちょっとひっかかる所があると思うコーベット。
セニョールは,センチェでもウォーフィールドでもないだろう。パドリコットなのだろうか? しかし何故有名な詐欺師であるパドリコットが,修道士を使ってドンチャン騒ぎを起こす必要があるのだろうか?

コーベット,ある事を思いつく。
突然,ケイド,ラナルフ,マルトートを従えて,黄金のトルコという居酒屋へ。コーベットは,ケイドには食事を許さず,代わりに王の印を渡して,(ロンドン)塔の隊長に,至急3隻の軍艦に王家の射手を乗せ待機させるよう命じる。

ラナルフとマルトートには,酒場で食事を許す。

自身は個室にこもり,ケイドの調書をチェック。パドリコットは元々はケンブリッジに通った秀才だったが,そのまま書記になるエリートコースを歩まず,商人になって,海外で取引をするようになる。ところが,ベルギーに滞在中,イングランドが当地の商人からの借金を踏み倒す事件が置き,彼自身は全く関係なかったがイングランド人への仕返しのために,フランダースの刑務所に入れられる。そこを脱獄して以降,パドリコットは悪の道まっしぐら。今やどんな人物でも騙す,超一流の詐欺師に成長した。

そして,準備完了。ケイドが帰ってきた。軍船はウール埠頭に停泊中。ピーター・リマーという隊長が出迎える。船には弓矢等で武装した兵が待機。そして彼らは,ウェストミンスター寺院へ向かう。



Run!Run!Run!