ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME9 : Sauron Defeated 感想

2007-07-18 07:49:23 | Tolkien・HoME
トールキンさんは,8巻にありましたように,忘れもしない(笑)1944年5月にファラミアというキャラクタを作り出し,フロドとサムをモルドールに送り出してから,実際その話を書くまで,実に,3年という歳月を費やしております。
もちろん,主人公を辛い目に遭わせるというのは,作家にとって苦渋の決断です。漫画を描いていた私の友人は,主人公をどうしても傷付けられなくて,髪の毛を切っただけで満足していたし,J.K.ローリングだって,ハリポタの後半を書くのには随分時間がかかりました。トールキンさんの場合,さらに間に,終戦という,大きな時代の節目が入った事も理由になるのかもしれません。私達も2001年に,これから人類はどうなってしまう?規模の大事件を経験しましたが,4年もそんな状態にさらされた後の終戦すなわち,開放,だったら,なかなか続きを書く気分が乗らないだろうなあと想像はつきますね。

下書き時代と正式版との違いと言えば,まずアルウェンの名前が違った事,ですかね。後にそれは,ボロミアとファラミアのお母さんの名前になりましたね。
ファラミアに関しても細かい違いがいろいろ。最初の案で,戴冠式で,王冠を被せるのは彼とイムラヒルなんですね。杖は折ってしまうし(汗),それに,結婚式が,アラゴルンと同時になっております。(笑)
エオウィンについては,細かい違いですが,アラゴルンに関するコメントが,最初の案では,"I love or have loved another."で,正式版の"I wished to be loved by another."とちょっと印象が違います。エオウィンが主体的に,愛する相手を変えているように聞こえますね(それでもよかったけど(^^;))。

話が進むにつれ,サルマンの役割が,変ってきたのも印象的でした。
私は,おそらく,ガンダルフの旧友で,高潔な魔法使いであるサルマンを,あそこまで貶めて死なせる決断がなかなかできなかったんじゃないかなと思い込んでます。

そう言えば,終盤のガンダルフの役割も微妙に変ってきたのも気になりますね。最初は彼がホビット達にいろいろ手を貸したり,最後は,こっそり?花火を持ってきて平和を祝った一幕がありましたが,結局,ブリーで別れたきり二度と手助けはせず,灰色港まで会えないという,寂しい結末にしたのですね。

で,有名な,幻のエピローグです。おそらく,HoME最大の「読み甲斐」のある章ですね。コレを読む為に長い年月をかけて読んできたと言っても過言ではありません。(ホントか?(笑)) 私にとっては指輪物語最大の謎の1つだった,ラストの謎が,最後の最後に解けて,嬉しかったです。普通の読者にとって,最後まで主役はフロドであり,フロドが大海に消えた所で物語がおしまい,と,する決断は,きっと正しかったのだろうと思いますが,終わり方がやや唐突で,ちょっと引っ掛かる所があったんですよ。トールキンさんは,本当は,サムが最終的に主人公に代わったと考え,最後にサムのエピソードを加えたかったと知って,何かすっきりしました。

今読むと,追補編だけではよく理解できなかった所,例えば,サムがどういう思いで,フロドと別れていた日々を過したか,というのがわかりました。追補編では,サムが家族を連れて,様々な所を巡った事だけ書かれていますが,こうして家族の会話をリアルに感じる事ができるのもよかったです。

さて,ついにHoMEのLOTR部分を読み終わりました。ぼちぼち,全体の感想などもまとめてみようかなと思いますが,何せ長くて忘れてしまいました(汗)ので,ゆっくり(自分のブログを(笑))読み返し,考えてみようかな。「箒少年祭り」が少し落ち着いてから(笑),ゆっくりと,感想や,この後の身の振り方を考えていこうと思います。

HoME9 XI : The Epilogue (6)

2007-07-17 23:56:41 | Tolkien・HoME
いよいよ,長い年月(^^;)をかけたHoME読書も今日が最後です。
以前にも書きましたが,狙ったわけでもないのに,某箒少年物語の最後の巻発売をあと4日後に控えた日に,指輪物語の最後の下書きを読んだというのは,何かとてもイミシンな運命のいたずらを感じます。

2つ目の下書きでは,サムパパが読み聞かせるシーンはないんですね。エラノールは字読めるので。この後,本の方には,アラゴルンが送ったとされる手紙のコピーが載っています。

トールキンさんの手紙の131には,そのエピローグでのサムについて,述べられているようです。以下におおよその内容。

<手紙>
ホビット庄の掃蕩以降,主にサムの働きによってシャイアは復興。しかしフロドは,病が癒える事はなかった。彼は自分を犠牲にしてシャイアを守った。サムは主人への愛を取るか,ローズを取るか迫られる。彼はやがてある日,フロドと共に最後の旅に出る。その途中,これから発とうとしているエルフやガンダルフに会う。フロド,ビルボと彼らは,西の海に向かい,二度と戻らない旅に出る。このアーサー王伝説的なエンディングは,はっきり死を意味するものでも,復活を期待させるものでもない。

サムは家に帰り,夫人と長女エラノールが出迎える。その後子供達と一緒の短いエピローグがある。彼は何度も庄長となり,忙しい日々を送り,ビルボの時代から続く本を書き上げるのに苦労している。最後に,彼は,家の外で,妻とその平和な暮らしを語るが,ドアを閉じる時,彼は海のため息を聞く。
</手紙>

。。。だそうで,トールキンさんが本当に意図したラストは,わざわざ17年後と,最初の時間の取り方にも合わせて,「海のため息」だったという事がわかりますね。しかし,その後の話をちらつかせる事は"so universally condemned"(よっぽど,皆に「やめて~~~」と言われたんでしょうねえ(汗))だったので,やめる事にしたそうです。"One must stop somewhere."と,未練たっぷり。(笑)

さらに彼はこの決断を仕方なく受け入れつつ,1955年,ROTK出版後に手紙173番で,「何かサムとエラノールの話がちゃんと終わってないようで,すっきりしないけど,エンディングをぶち壊しにするような物は,追補編でしか入れられないんだ。」

最後までどうしても諦め切れないトールキン先生の姿が目に浮かぶようで,思わず,I love Tolkien!!! なのでした!

HoME9 XI : The Epilogue (5)

2007-07-13 21:39:08 | Tolkien・HoME
エラノールは,とりわけ,アラゴルンとアルウェンが出会ったアムロスの丘に興味を持っているようです。niphredilの花(う~~ん;私の自作LOTR辞書にはこの名前あるのですが,どう訳されているのかわかりません)も見たいです。緑の草原を埋めるエラノールの花も見たい。。でも彼女が気にしているのは,エルフの光が消えてしまう事です。

サムは,正確ではないだろうが,人々が話を語り継いで行くだろうと言います。

するとエラノール,話と実際は違う,昔に戻りたい,と。

サム「エルフ達はまだいるし,きっともうすぐ会えるよ。」

エラノール「何故ケレボルン様がアラゴルンにさよならを言ったのか,最初はわからなかったけれど,彼にとって,アルウェンは残るけれど,ガラドリエルは行ってしまうという事が辛かったのでしょうとわかってきたわ。そして父に,宝物だったフロド様が行ってしまった事は辛かったでしょう,私はフロド様に会えてよかったわ。(原文は, I am glad Frodo of the Ring saw me.ですが。)でも,どんな人だったのか,思い出せればいいのに。。」

サム「悲しかったけれど,今は違う。フロド様は,エルフの光がずっと消えない所にいらっしゃるだ。で,父さんは,今は宝をたくさん持っているしね。お金もあるし,もっと別の理由もある,

(ここで,当然,エラノール達もいるし。。。と言うと思ったら。。。)

これは,誰にも言ってないし,本にも書いてない事だが,フロド様は,いつかお前の「時」が来る,と,仰った。永遠のさよならはしていないんだよ。父さんは待てるよ。ケレボルン様は,まだ留まっている。まだ疲れていない。まだ「時」が来ていないんだ。だから,森を楽しんでおられる。」

エラノール「父さんは,疲れたら,港に行くと仰るの? 私も行く! アルウェンとエルロンドのように離れたくない!」

サム「多分,多分ね。いや,多分そうでないかも。ルシアンとアルウェンの選択は,いろいろなんだ。その時が来るまで,決める事ではない。」

ここでおやすみなさいの挨拶。サムの茶色の巻き毛頭には,既に白い物が目立ちます。エラノール,ところで,王様からの手紙を見せて,と,せがみます。

さて,次の,サムの5行に及ぶセリフは,最初,一体どういう意味かわかりませんでした。(笑)要は,こういう意味だったかと(笑)「何だと! 歴史は繰り返すか!? フロドの旦那をスパイして,今度は,うちにスパイか! 。。。どうしてわかったんだ!?」

エラノール「別にスパイなんかしていないわよ。秘密にしたかったら,もっと注意深くやるべきだわ。先週の水曜に,手紙を取り込んだ時,絹に包まれた,大きな黒いシール付きの手紙があったのよ。いつもあの本のお話を聞いているなら,誰でも王様からの手紙とわかるわよ。」

サム父さん,仕方なく手紙を見せます。皆のエルフ語の名前,そして自分のエルフ語の名前は,王様の意向で,サムワイズでなくFullwiseの意味である,Panthaelになっている事を説明。着る物はちゃんと用意してあるという話の後,

エラノール「お辞儀は3回すべきかしら,1回かしら。」
(突然,不思議の国のアリスみたいな事を言う!(笑))

サム「1回でいい。王様,王妃様,それぞれにするんだ。王様はおそらく,湖の家に連れていってくれるぞ。おそらくそこには,エルラダンとエルロヒアがいるだろう。エルフの歌が聞けるぞ。(だから,さっき,もうすぐ聞けると言った)」

夜,子供達が寝た後,サムの旦那は,ドアの外で,ローズ夫人と立っています。

サム「17年前のこの日,お前には二度と会えないと思った。」

ローズ「私もそう思っていた。でも,その日まで。ちょうど,昼に,急に希望が沸いてきて,歌を歌ったのよ。父ちゃんが,Raffianが来るぞ,と,言ったけど,かまわねぇ,来るなら来るがいい,サムさんが助けてくれるからって言ったの。」

。。そうか,だからあの日,ローズは,訪ねてきたサムに驚きもせず,にこやかにしていたのですね! 1つ謎が解けました。

さて,これで,ほとんど終りです。あと1日位で読み終わります。感想はその後にでも書きましょう。

HoME9 XI : The Epilogue (4)

2007-07-13 00:08:59 | Tolkien・HoME
下書きの第2版です。

先に読んだ物と違う所,または気付かなかった所を追って行こうと思います。

サムが子供たちに話す時に,座っていたのは,書斎の使い古した机の前,だったのですね。場所はもちろん,袋小路屋敷。ビルボの時代から使い込まれていたという事が暗にほのめかされていますね。(袋小路屋敷はビルボのお父さんが建てた物です) で,サムは紙切れにゆっくりと書き留めながら話をしていたようです。ここは何となく,実際トールキンさん自身が子供たちに話を聞かせる情景を思い浮かべてしまいますね。

げっ,最初の5行で随分時間と場所を取ったぞ(笑)

彼が家族に話を音読するようになったのは,最近の事のようです。(これは読み損ねてました(汗))彼は長い時間をかけてようやく(フロド旦那から託された)本を仕上げた所で(何かトールキンさんがLOTRを書き上げたプロセスとホントに重なりますねぇ)読み聞かせるのは特別の機会だけでした。(この日はエラノールの誕生日)

夕食の後,エラノールが1人,残りました。(誕生日なので夜更かしOKなようです)サムは幾つかの「Q&A」ノートを持ってます。

Q1. ドワーフについて(子フロドから)ギムリのその後は? モリアは再開したか? オークは残っているか

A1. ギムリは仲間と一緒にゴンドールで仕事をして,その後White Mountainに落ち着く。年に1度,燦光洞を訪れるそうだ。(ペレグリン旦那情報)
モリアについての情報なし。予言(ギムリが本編で何度か口にした「ドゥリンが目覚めるまで」を指しているらしい)は我々の時代には来ないだろう。オークはまだ残っていると思われる。彼らを掃討するのは易しくない。

Q2. レゴラスは王の所に戻った?

A2. レゴラスはギムリと共に,仲間を引き連れてゴンドールに行き,都と,ファラミアが住む地を,美しく飾っている。レゴラスはギムリがいる限りそこに留まるが,その後は海に出ると思われる。(この情報はエオウィン奥方様をよく訪問するメリアドク旦那から)

Q3. 馬について

A3. Shaowfaxはガンダルフと一緒に白の船に乗った。レゴラスはローハンから借りた馬をアイゼンガルドで解放。メリアドク旦那によると,戦争でどの位失われたかわからないが,今は以前より多いとの事。また馬鍬谷にはいろいろな色のポニーがいて,来年エオメル王から1頭譲り受けるそうだ。

Q4. エントについて。レゴラスはファンゴルンで何を見たのか,エント女は,など。

A4. レゴラスとギムリはそれについては語らず。またその後エントの目撃談はない。

HoME9 XI : The Epilogue (3)

2007-07-10 21:04:41 | Tolkien・HoME
別ブログで読んでいる英語版三銃士が,まだ途中なのですが,キリが良いので一旦お休みにして,こちらの読書を進めようと思います。

(続き)でもパパの名前については,王様が,PerhailよりLanhail(サムワイズとかHamwiseとかよりPlain-wiseという事らしい→サムワイズって元々古い英語で,ちょっとおバカ?(汗)という意味らしいです)と言っているとの事で。。

という事で,王様に会えるのは1週間後とわかり,子供達「何を着よう?」と大騒ぎ。でも,パパとママはもう用意しているそうです。で,ばんごはんもごいっしょできるの? と,心配気な子ローズですが,何と,少なくても,干し草の収穫期まで,数週間は,湖の王宮に招かれるとの事!

(年表で書かれるより,会話の中で言ってくれる方が,俄然,実感ありますねぇ。)

春の最初の日の夜,サムはドアに立ち,東の方角を見ながら,ローズに「17年前のこの日,おらはおめえさんにもう1度会えると思わなかった。でも希望は捨てなかった。。。」と話しています。今の満ち足りた生活に満足している彼ですが,その後,ドアを閉めた時,サムは中つ国の浜辺のため息とつぶやきを,聞いたような気がしたのだそうです。

その後の下書きで,サムパパは,さらに子供達にバンドブラス・トゥックの話やら,ギムリがやがて燦光洞の王様になった事やらを,お話したそうです。またアラゴルンが橋を訪れる日は,やがて指輪棄却の日に変わったそうです。サムは,王様が付けた自分のエルフ名の由来の説明を,Plain-wiseからFullwiseに変更。(爆)

(トールキンさんて,記念日好きですね(笑))

次の下書きでは,1つだけ質問していい?という子メリーに,パパは「1つだけだぞ」と言いますが。。。
「馬について聞きたいんだ。ローハンの人達は戦いで何頭亡くしたの? その後馬は増えているの? レゴラスの馬はどうなったの? 飛蔭は? 僕もポニーに乗れる?」
(それは1つって言わないだろ!(笑))

「そりゃ,質問が多いぞ! ゴラム以下だ。ポニーは今度の誕生日って言っただろ。レゴラスはアイゼンガルドから馬を返した。ローハンには前以上にたくさんの馬がいる。もう誰も盗まないからね。飛蔭はガンダルフと一緒に船に乗った。もちろん,離れられないからね。さあ,これでいいだろ。質問はおしまい。夜まではね。」

明日からは,第2版の下書きを読みます。

HoME9 XI : The Epilogue (2)

2007-07-06 00:09:28 | Tolkien・HoME
誰かがエントに会ったかどうかはわからない。メリーとピピンが秘密にしているかもしれない。
子ロージーは,森に入ったらエント女を探していると言う。

サム父はここで話を打ち切り,ご飯の後に話す,と言います。え,不公平だ~(not fair),という子メリーと子ピピン(彼らはすぐ寝なくてはならない)に,お兄ちゃんとお姉ちゃんが話を聞けるのが不公平と言うなら,先に生まれた事は不公平だ,もしお父ちゃんの子に生まれてなけりゃ,そりゃ不公平だ。いちいち文句は言わない。自分に課せられた事をしなさい。

(何か実感こもってますよ。(笑) ご自身も,4人でしたっけ? のお子さんに恵まれて,同じ事を言われたのでしょうね♪)

・・王様に言うぞ。

あれ? 王様いつ来るの? するとサム父さん,では皆に公平に伝えよう。大きな秘密だから,明日まで内緒だぞ。

思わず静かになる子供たち。彼らにとって,ガンダルフに会うようなものです。

さて,サムパパによると,王様は,近々北の地方にお出ましになられますが,シャイアには大きな人の出入りを禁止しているので,中までは入りません。でも,橋までいらっしゃいます。実はサムの一家は,3日前に,1人1人に招待状を頂いているのです。その招待状は,絹につつまれ,大きな封印付きで届けられ,黒地に銀の文字で,エルフ語と普通の言葉で,春の最初の日に,バランドゥインで,是非友達,とりわけサムとその家族(全員名前入ってました)に会いたい,と書かれていました。

エラノールは目ざとく,エルフ語版の名前リストが違う,と指摘します。サムパパは,あ~,それはね,エラノールはエルフ語の名前だけど,他はそれぞれ違うんだよと説明。

Frodo-Iothail
Rose-Beril
Merry-Riben(Gelir?)
Pippin-Cordof
Goldilocks-Glorfinniel
Hamfast-Marthanc
Daisy-Arien

だそうです。

HoME9 XI : The Epilogue (1)

2007-07-03 00:20:01 | Tolkien・HoME
別に選んだわけではないのですが(汗),よりによって某箒少年物語の最終巻が出版される月に,LOTR下書き最後の章を読む事になりました。

ご存知ない方の為に。。
下書きでは,サムがシャイアに戻り,"Well, I'm back."と言った後,数年後の後日談が含まれているのです。

最初の下書きの話は,サムとローズの子供達,エラノール 15才,フロド 13才,ローズ 11才,メリー 9才,ピピン 7才,さらに,もう寝てます(笑)が,ゴルディロックス 5才,チビハムと,ゆりかごにデイジーがいます。
エラノールはきれいで色白で細い子でした。フロドは,名前にもかかわらず,パパそっくりだったそうです。

パパサムは,いつも通りに暖炉の前でお話を聞かせます。

この会話からわかる,指輪棄却後の世界と皆さんの様子です。

メリーとピピンは,何度か南に行っている。
子メリーと子ピピンは,それぞれメリーとピピンのように背が高くなりたいと思っている。
子フロドは,パパの蜘蛛退治の話が好き。ギムリも好き。
エラノールは,ロリアンまで自分の名前の花を見に行ってエルフの歌を聴きたい。
子ロージーは,エルフが去ってその文化が失われる事を心配している。彼女は残されたケレボルンの事も心配している。
指輪棄却後に残ると決意したエルフは,今後もずっと留まる。エルフはもはや悲しい種族だ。
Mallornの木は,おそらくロリアン以外ではシャイアでサムが蒔いた物のみ。
レゴラスは仲間と一緒にイシリアンにいる。ギムリが生きている間はそこに留まるつもりだ。その後はいつかは海へ出ると思われる。
ギムリは仲間と共に王の都のそばに住み,1年おきに燦光洞を訪れている。

ここで時間となりました。続きはまた今度!

HoME9 X : The Grey Havens

2007-06-29 22:12:53 | Tolkien・HoME
XLOTR正式版を締めくくる章ですが,最初の下書きは,6行ほどで,ごろつきもいなくなったし,トゥック家は昔の威厳を取り戻したし,バギンス家はホビット史上最も有名な家系になった,という程度のものです。(^^;)

そこから発展していくわけですが,サムの結婚などはすぐに追加されましたが,フロドの病気について書かれるようになったのは,後のようです。

ラストは,ほとんど迷わずに作られたとの事で,灰色港でのお別れの様子を描いた下書きがありましたが,正式版とあまり違わないようなので,パス。

フロドの病気についての最初の記述が,
<下書き>
サムは森で仕事中で留守,フロドは喜びました。何故なら,気分がすぐれず,サムに隠し通せない程度だったのです。彼は暗闇に押し潰され,アルウェン王妃の宝石を掴み,歩く以上の事はできませんでした。しかししばらくして,発作はおさまりました。
<下書き>

ここで,突如,HoME呼んだ甲斐があった~,な下書きが。。(笑)
<下書き>
夏至に,突然ガンダルフがシャイアを訪れます。この夏至の前夜の花火は長く記憶に残りました。シャイア全地域が,朝までいろいろな色の光で明るく,草は宝石のように輝き,木には赤や金色の花が咲きました。シャイアは朝まで光と歌で満ち溢れました。
</下書き>

いい話だねぇ~,何故正式版に入らなかったか。。

最後に,赤本のタイトルの下書き。正式版ではカットされましたが,前半の,ビルボがの書いた部分が面白いので,
Memoirs of An Amateur Burglar
My Unexpected Journey
There and Back Again and What Happened After
Adventures of Five Hobbits
The Case of the Great Ring (compiled from the records
and notes of B. Baggins and others)
What the Baggins Did in the War of the Ring

。。。あと1章あります。

HoME9 IX : The Scouring of the Shire (8)

2007-06-25 23:30:51 | Tolkien・HoME
サルマンとの話は,最初は正式版よりたくさん書いてあったそうです。

<下書き>
(何故か)「よくおいでになった!」と,サルマンがドアの所に立ってました。以前会った時よりしっかり食べ,みすぼらしさはなくなっていました。
フロド「シャーキィ!」サルマン「ご存じだったか? 私の部下は昔私の事をそう呼んでおった。皆忠実で,ここまで一緒に来たのだ。とても喜ばしい事だ。」
フロド「わかりません。何故,そして何を,彼らはここでしているのですか? 悪戯ですか? ガンダルフは,あなたはまだそういう事ができると言ってましたが。」
サルマン「(削除:尋ねる必要があるか?)笑わせるな,ホビットの旦那よ。偉大な奴らと一緒にいるうちに,お前さんは偉大な事を成し遂げ,そして国元でさぼっていられると思ったか? しかしお前は自分の面倒も見れない奴だな。少々ぐずぐずし過ぎたな。私はお前にレッスンしようと思ったのだ。これは私の受けた傷に対して,楽しみを与えてくれたよ。」
</下書き>

2番目の下書きでは,正式版に近付いたそうです。ただし,まだサルマンの最期のおぞましい姿は描かれてなかったそうで。。

初版に寄せられたそのシーンに関するメモが興味深いそうです。

<メモ>
8/28,サルマンは褐色人の国へ。その後Old South Roadに入り,灰色川から北,北西へ。9/22にホビット庄に到着。460マイルを25日で旅した。1日平均18マイルで,できるだけ急いだという事。つまりシャイアに38日しかいない事になる。しかしその多くの部分は,ごろつき達が彼の命令で既に済まされていた。彼はアイゼンガルドを出る前からこれを計画していたのだ。
</メモ>

私としては,その後に書いてあったクリストファーさんのコメントが興味深いです。
トールキン父さんは,最初にこの章を書いた時,フロドの経験が彼を大きく変え,最初に書いたような活躍はできないだろうと考える事になったんですね。

HoME9 IX : The Scouring of the Shire (7)

2007-06-24 21:53:53 | Tolkien・HoME
この辺りから,フロドは,正式版のように,殺しはするなと言うようになります。ただ,正式版ではメリーの役割である,ごろつきが来ると警告したり,リーダーに話しかけたり,とっつぁんの様子を見に行く際にガードを配置したり,などは,フロドがやっているそうです。

<下書き>
とっつぁんがコトンの台所にやってきた後,早朝,皆はメリーの角笛を聴きます。トゥック家やその他のホビットの一群が,タック村等から集まっていました。彼らによれば,トゥック郷に侵入したごろつきは東へ逃げたそうです。

今や東街道から大堀町までの軍はピピンの配下です。そしてホビット庄にはフロド,サム,メリーとコトンさん。
</下書き>

この続きは,テッド・サンディマンとの会話,サルマンの話,蛇の舌に殺される所まで,既にほぼ正式版と同じそうな。(ふむ,一気に来ちゃいましたか。。)ただし,水の辺村の戦いはなし。(後に延ばした?)

ということで,最初の頃に語られる,ごろつきとの争い

<下書き>
ごろつきをまちぶせしたフロド,彼らに武器を捨てて下がるよう命じます。男達は最初従いますが,やがて無視。すかさずホビットの弓隊が襲います。何人かは留まりますが,何人かは逃走。
そして彼らは死んだごろつきを片付け,埋めます。そこは後にBattle Pitsと呼ばれました。
このようにして,水の辺村の戦いは終わりました。これはGreenfields(あの例のゴルフの起源となった奴。。(^^;))以降始めての戦いで,シャイアの最後の戦いとなりました。(犠牲は,ごろつき6人,ホビットは0だったそう)

そして食事を取りながらメリー,フロドに,「さあ,そろそろお頭との取引だね。」コトンさんが50人の逞しいホビットを集め,フロド,サム,メリー,ピピンが先頭に立ちます。
</下書き>

Run!Run!Run!