ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 1-VI The Palantir (3)

2006-05-25 23:53:42 | Tolkien・HoME
この辺りはずっと解説が続きますが,日付時間の話等なので,とりあえず略。で,ピピンのパランティア覗きの話がいよいよ下書きに載るようになり,その初期の頃のガンダルフのセリフ。

<本文>
「おかしな事じゃ!しかしちょっと考えてみようかの。」彼は髭を撫でます。「このボールはわしを殺す為に投げられたのかの? それとも殺せたら殺し,殺し損なえば何か他の悪さをしようという目的じゃったのかの? サルマンの承認なしに投げられたのかの? ふむ! どちらにしても同じじゃ。あんたがそれを覗いたという点を除いてはな。わしではなく!」

「しかし,これは計画を変える事になるぞ! 今まで不注意で軽く考えておったのう!」
</本文>

しかしトールキンさんはこう書いておいて端の方には「違う!もしサルマンがアイゼンガルドの負けやガンダルフやホビットの事をモルドールに警告したいと思うならば,サウロンにダイレクトに伝えるか? しかし彼はガンダルフを殺してつながりを切ろうとするだかもしれない。サウロンはサルマンが石を使うよう強要したかもしれないぞ?」どうも上の考えはよくないと思ったようで,結局この辺りの推測はなしにして,正式版では,彼はこれをアラゴルンやセオデンに話す事になりますね。

この後,ガンダルフはアラゴルンに,パランティアを渡しますが,その時ガンダルフがどうやってパランティアの性質を知ったを話す所に関しては,最初は「今まで知らなかった」,そして「彼(ピピン)が覗くまで知らなかった」「それの正体が何であるかは,ギリギリ(until it was too late)まで考えなかった。」「考えているうちに眠くなった」‥と,いろいろ変遷を重ねています。

ここで,パランティアの歴史についてお勉強しましょう。
<メモ>
それは(その詩は)裂け谷で大切に保存されてきた。
木の鬚は殆ど(幾つか)を覚えている,リストの中に入っている。しかしホビットは忘れられてしまった。(汗)
7つの星,7つの石とは?
ガンダルフは,古代の人間とパランティアについて考える,何故?
オルサンクはその中の1つだ。
では,それは,ピピンはためらいながら訊く,Enemyが作った物ではないのですね。
違う,とガンダルフ。サルマンでもない。彼には作れない。サウロンにも作れないじゃろう。

‥と,ガンダルフは,パランティアそれ自身には悪い所はない事や,サルマンは知識を追求するあまり堕落してしまったのじゃのう,とか,パランティアのある場所(1つはキアダンのいる所にあったのか。。)について説明。。
</メモ>

この辺りで,パランティアの知識は,アラゴルンの家系に代々伝えられるという事が出てくるそうです。最初ホビットだったのに,随分成長しましたね~。(笑)

さて,ここで,話はちょっと変ります。
トールキンさんは,1942年に出版社に進捗状況を伝えたそうですが,その時ちょうど3巻(TTT前半)の終わり(→パランティアの章)と5巻(ROTKの前半)の始め(ローハンの召集)辺りを書いていて,あと残りは幾つ‥‥とか言っているそうです。

‥で,1944年の春,フロドとサムをモルドールに行かせるという辛い仕事を,仕方なく開始した。。。のだそう。(ただその一方,パランティアの章には『磨き』をかけていたそうです。(笑))

‥‥そうだったんで・す・か~。つまり,1942年には,順調にTTTの前半を終了して,そのまま順調に進む,と,思いきや,そこで筆(って言うか,ペン)が止まってしまい,再開したのは,1944年という事なのですね。で,よく見ると,時代は第2次大戦の真っ只中。現実世界の状況が深刻化する中で,あの話を進めるのは確かにちょっと辛すぎます。。

‥という事で,いよいよ次から,フロドルートです。

The Tombs of Atuan 感想

2006-05-25 02:42:42 | ゲド戦記・Le Guin

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1巻は,読むのに時間かけ過ぎ(笑),話に慣れてなかったという事もありますが,間が空いてなかなかノレなかった事もあり,あまり感想らしい感想も持ってなかったのですが,2巻はかなり気に入りました。何かとてもほっとする話のように感じました。

特にTenarとGedの会話がいいですね。また,Tenarが決してドラマ版に描かれたような「善良なシスター」ではなく,3人の奴隷を残忍な方法で処刑してしまったり,Gedを殺してしまおうか,放っておこうかと,闇の部分を持っていたという所が,何故かお気に入りです。

そして彼女を闇から救ってくれたのはGedですね。Gedもまた,Atuanに忍び込んだ時,闇の中で彼女に光を見たと言っていました。

ほとんど暗い所を歩き回る話(汗)なので,ジブリではアニメ化しなかったという事ですが,もったいないなあ。次に会う時,Tenarがどんな女性になっているのか楽しみです。

原書読みとしては,ハリポタや指輪のように説明をダラダラ書かず,感性でパッパッと書かれていて,展開が早く,文章を丁寧に読まないと置いていかれる(笑)んですよね。1巻ではそういう表現に馴染めなくて1年半かかってしまったわけですが,さすがにその間にいろいろな本を読んだので,だいぶ読みやすくなりました。

さて,いよいよ,映画化対象の3巻に行くわけですが,7月の映画公開までまだ少し時間がありますので,この頃やや滞っているHoMEを少し強化しようかな,と思っているので,ややのんびりになるかもしれません。(いやでも,今度は1年半はかけないと思いますが(笑)) そういえば,アレ(笑)も片付けなくてはならないですね。悪徳美人シスターKossilの運命やいかに。。。って全然違う話じゃんっ(笑)


The Tombs of Atuan 読書 (9)

2006-05-25 02:26:19 | ゲド戦記・Le Guin
Voyage
GedとTenarはGedの船(Lookfar)を置いている近くで1泊。この時Tenarはかつて自分の仕事の為に持っていたナイフを見ていて,Atuanの主達を裏切ったという罪悪感に襲われますが,Gedは黙って彼女を連れ船出。Gedが腕環を見つけたいきさつ,孤島で出会った年老いた男女の事,を話すと,Tenarはその男女なら聞いた事があると言います。それはErreth-Akbeから腕環を受け取った王家の子孫だそう。彼らは子供の頃に捨てられたようです。Gedは,彼らはまともな言葉も話せなかった事を思い出します。
Tenarは,不意に,自分は3人の奴隷を飢え死にさせ,Mananの死にも責任があると言い,どこかの孤島に1人で下ろしてと言いますが,Gedは,TenarのおかげでAtuanの墓の中でで希望を見つけたと言って,彼女をHavnorに連れて行きます。そしてその後,GontのOgionの所へ連れて行こうと言います。


HoME8 1-VI The Palantir (2)

2006-05-25 01:34:50 | Tolkien・HoME
さて,クリストファーさんは,この時点でガンダルフが「アイゼンガルドとモルドールの間にはわしの知らない方法でつながりがある。」と言っておいて,その球体が「テレビ電話」(笑)ではない事について,お父さんはまだ球体を使って連絡するとは思い付いてなかったのか,あるいはガンダルフが使い方を知らなかったのか,あるいはちょうどそのアイディアが開発途上であったのか,‥と考えを巡らせております。

<メモ>
その赤黒い球体の中では何かうごめいている。彼らは戦争が進んでいるのを見る。(船が見える?)そしてセオデンの軍がヘルム峡谷にいる様子と,ローハンでの召集の模様も映る。
</メモ>

「彼ら」って誰?とクリストファーさん。
次はもう少し進んだメモだそうです。

<メモ>
「アイゼンガルドは倒れ,『石』は旅に出たとわしは言った。」とガンダルフ。「後でまた話そう。じゃが,今は急がねばならぬ。」(ここでトールキンさんメモ:いや,その球体をモルドールとコンタクトさせると,指輪みたいになってしまう)

ガンダルフは,オルサンクの石は遠くを見る事ができるという事を発見する。しかし彼には使い方はわからない。それは気まぐれな物に見える。それは,最後に使われた時に見ていた物をまだ見ているように見える,と彼は言う。

故に,7人の城壁の上のナズグル。彼はモルドールの方を見ている。Can one see back?(見返す事ができるのか?という意味だと思いますが),「おそらく」とガンダルフ。危険じゃが,食指が動く。

彼は後ろに下がる。彼は見られた。
「いや違う」と彼は言う。これは暗黒の塔が強固になるずっと前から,上の部屋にある古い石じゃ。これはゴンドールの番人(warden)が使っておった。角笛城にも別の石があった。ミナス・ティリス,ミナス・モルグル,そしてオスギリアスにもあった。(5つ)

彼らは角笛城を見た。ミナス・ティリスを見た。彼らはオスギリアスの城壁の上のナズグルを見た。サルマンはこれで情報を得ていたのじゃ,と彼は言う。
</メモ>

()のトールキンさんメモの内容から,ガンダルフが最初に話していた相手は,モルドールの誰か,それもサウロンではないか,と,クリストファーさんは考えます。

<メモ>
サルマンとの会話は3時15分に始まり,4時30分に終る。5時30分頃に暗くなる。(細かい(笑)) ガンダルフは彼らをリードして南へ。彼らはますます隠密に行動しなくてはならない。(彼はサルマンとサウロンの間にどんなつながりがあるか気になっている)遣いが2人,ヘルム峡谷に王が戻る事,強力な護衛が必要な事を告げ,王は山道から馬鍬砦へ向かう。

そしてピピンと石のエピソード。
ガンダルフは,石が複数(角笛城,オスギリアス,アモン・ヘン,アモン・ラウ,ミナス・ティリス,ミナス・モルグル,アイゼンガルド)ある事を話す。彼はバラド=ドゥアを覗こうとして捕まる。

ナズグル。
2/4。ヘルム峡谷。兵が集められる。ホビットに馬が与えられる,そして―ギムリ!
2/5,6 移動。
2/7。馬鍬砦。喜び。エオウィンが来る。王はエオウィン,エオムンド(エオメル),ガンダルフ,レゴラス,アラゴルンと一緒に馬で降りる。そして傍には,ホビット,ギムリ。

祝宴,煙草,メッセンジャー
</メモ>

このメモは面白いですねー。
「‥そして―ギムリ!」って何だ?(笑)
しかしここも,一部ROTK映画に使われたんでないの?なアイディアが。「祝宴」とか。
そしてついに,ピピンが「捕まる」話挿入。どうやら前のメモで『指輪みたいになってしまう』と,『見返す事ができるのか?』などと書いている間に,インスピレーションが沸いたようです。またサルマンの堕落の原因が,バラド=ドゥアの「覗き見」から来ているとも。

書いている間にアイディアが沸いてくる。。。トールキンさんてやっぱ天才なんですねぇ~。

Run!Run!Run!