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平和大使協議会|平和大使フォーラムレポート

平和大使協議会が主導する平和大使フォーラムの活動レポートブログです

◆日中教師交流懇談会開催

2010-07-22 16:04:34 | 平和大使教育者フォーラム
■イベント名:日中教師交流懇談会

■開催日:7月21日(水)

■開催場所:東京都新宿区

■参加人数:10人 (内訳:教師6人、スタッフ4人) 

■レポート

 2010年7月21日(水)、新宿において、世界平和青年連合と平和大使教育者フォーラムの共催で「日中教師交流懇談会」が行われました。

 中国側から黎克志・中国海南省三亜市崖城填赤草小学校教諭(他1名)と日本側から小中高・特別支援学校の4人の教師が参加しました。この企画は7年前より中国海南島における小学校建設(三亜市崖城赤草孝星小学校)と教師訪問による国際交流を進めている世界平和青年連合(YFWP-Japan)の活動の一環で行われたもので、今回は教育者フォーラムとの共催により、日本の現役教師との交流が実現しました。

 まず、主催者を代表して堀展賢・平和大使教育者フォーラム共同常任顧問が挨拶し、以下のように述べました。

 「日本の国会議員の与謝野馨氏は『国の豊かさは人間力の上に築かれる』と述べています。『人間力は、規範意識と創造的な意欲から生まれる。だから学校教育や家庭、地域社会で、一人ひとりに対する教育をしっかり行うことが大切だ』というわけです。

 現在の日本は、誰もが学校に通うことができる環境にあり、教育の体制や設備も非常に充実しています。

 一方、日本の課題は、子供たちに、やる気、目的観、あるいは自尊意識が失われていることです。日本青少年研究所の調査によると、日本の中学生の1日の勉強時間は8時間です。それに対して中国は14時間でした。また、『自分はだめな人間だと思う』中学生は、日本では65%に上り、中国では10%でした。

 私たちは、自分に誇りを取り戻し、意欲、やる気のある子供たちが育つように、お互いに交流し、努力していきたいものです。

 今回の日中教師交流を通じて、人間力を高める教育者をめざし、両国の平和と繁栄を推進していくことができるように願っております」

 次に、日本側教師を代表して茨城県中学校の教師の発題がありました。

「まず、教師に時間的余裕がありません。生徒は『ゆとり教育』で、やはり学力の低下が課題です。進学率こそ98%とありますが、『ゆとり教育』はある意味わがままです。その原因は『自己決定権』などの思想が背景にあります。」と日本の教育の現状を報告しました。

 続いて、中国側教師を代表して海南島小学校教師から発題がありました。「具体的には算数の授業時間など互いに討議をして、最後には教師が付加えたり方向づけを出したりします。」等と報告がありました。

 メインのディスカッションでは、日中教師間の意見や質疑応答となりました。特に中国側からの意見では、「思想と道徳教育」を重要視していること、また中国の諺に「叩いて教育するといい子供になる。」「馬を草原に放したら戻れるか」等をあげ、規範教育の重要性を述べられました。

 また、「ネズミが柱をかじれば家が崩れるという諺もある。中国は崩壊することはしない。中国では、教育の主導権は学校・教師にある。まず勉強すること、それにいい先生、いい家庭をつける。

 今回、東京に来て日本の中学生・高校生が制服を着て男女手をつないで街を歩くのを見てびっくりした。日本のゆとり教育は、金魚鉢の金魚が急に大海に放たれたようなもの。金魚はどうしたらいいかわからない。中国の教育方針は凧揚げに例えられる。凧は空では自由、でも糸を持っている人がいて、どの方向に行くかは糸をもっている人が決める。ペンを持って円を描く。しかしその時の中心軸はどこにあるのか。

 日本は物質こそ豊かだが、自由については相対的だ。自由なら何をしてもいいのか。自由の範囲を決めることが重要です。」というような意見も出されました。

 最後に堀常任顧問からの総括があり、「日本は今、ゆとり教育の中で試行錯誤しているというのが実情です。それでも、ここにいる日本の先生たちは、人格教育、純潔教育、そして規範教育の必要性を声を大にして訴えているところです。
 
 学校と家庭の関係では、学校が主導権を持って、親が子供の教育に責任を持っているというのが中国の現状ですが、日本は親が学校にお任せしてしまっています。この点では、中国の教育のほうが今は正常に動いているという認識を持ちました。中国の教育には、今後、さらなる創造的な意欲、規範意識を期待します。 

 今日の日中交流の有意義なディスカッションを現実的に活かしていきたいと思います。先生方が協力、交流して、今後の両国の発展のために前進して下さることを期待しています」と述べ、拍手喝采となりました。

 最後には、「日中兄弟結縁式」を固く結び合い、今後ともよき教育者として、友人として、日中親善の為に尽力していくことを誓い合い、日中教師交流懇談会は盛会の内に終了いたしました。


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