日々雑記

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自民党選挙公約をよみました 疑惑はとけないし、憲法問題はごまかしだ(1)

2017-10-04 21:06:42 | 政治

 自民党が新しい選挙公約を発表しました。2部構成で立派なパンフレットになっています

 このパンフレットをみて初めに気が付いたこと、それは森友学園の「モ」も加計学園の「カ」もないことでした。二つのパンフレットのどこにもないのです。私から見たら、安倍総理がお友達関係で政治を行ってきたという驚くべきこと、自民党の恥をどうやって言い逃れるのだろうと考えていたことでした。私だけでなく国民誰もが気になっていることなのに、総理大臣が「丁寧に説明する」と言っていたことなのに、きっと堂々と説明してくれるだろうと期待していたのに、全然書いてないんです。

きっと「知り合いのために国有地を8億円も値引きするなんて、総理大臣がするはずがない」「総理大臣が友人の経営する学校のために、学部増設に便宜を図るなんてそんなことするはずがない」などと堂々と主張するに違いないと期待していました。だけど違いました。安倍首相も自民党もだんまりを決め込みました。

これでは巷でいわれている「疑惑隠し解散」というのが本当なのだと思いました。「やっぱりそうだったんだ」というのが第一の感想でした。

 

もう一つの大争点、憲法改定に関しては「自民党政策BANK」のなかに次のように書かれています。全文書いておきます

わが党は、結党以来、『自主憲法の制定』を党是に掲げており、現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本原理は堅持しつつ、憲法改正を目指します。憲法改正については国民の幅広い理解を得つつ、自衛隊の明記、教育の無償化、緊急事態対応、参議院の合区解消など4項目を中心に党内外の十分な議論を踏まえ、憲法改正原案を国会で提案・発議し、国民投票を行い、始めて憲法改正を目指します。」

あたかも民主的議論を尽くして国民の総意で決めるような口ぶりです。しかし憲法改定の問題は制定以来70年にわたって議論されてきたことです。

しかも、この公約では4項目の改定しか書いありませんが、実は自民党は2012年に「自由民主党日本国憲法改正草案」(「改正草案」)という詳細な改憲案を、党議で決めています。

この「改正草案」は「天皇の元首化」「9条2項の削除」「基本的人権の大幅な制限」、「『家族』条項の新設」などを含む大幅な改憲提案です。この「改正草案」の方が自民党の正式な提案なのです。したがって、今回の4項目だけの公約は、自民党の正式な決定ではなく、「改憲草案」を隠した提案だといわなければなりません。

さてその4項目を見てみましょう。

「教育の無償化」と「参議院の合区解消」は憲法改定を必要としません。法律の改正だけで済む問題です。これは国民の要求を取り上げるふりをしながら、「憲法改定が必要だ」という誤った認識を国民に植え付け、9条改定にもっていこうとするものです。

「自衛隊の明記」は、今年5月に安倍首相が提唱したものです。9条第3項に自衛隊の存在を書き込むというものです。3項を書き込むことで2項の「戦力不保持」を空文化しようとするものです。

「緊急事態対応」とは、自民党の「改正草案」によると、「内閣総理大臣」が「緊急事態を宣言」すると、「内閣は 法律と同じ効力を有する政令を制定することが出来る」、すなわち国会なしで自由に法律を作ることが出来るようになり、国民の基本的人権を制限することもできるようになります。

こうやって検討すると、自民党の言う「憲法改正」は「現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本原理は堅持しつつ」という文章とは裏腹に、平和主義も、基本的人権も、国民主権もふみにじる、とても危険なものだといわなければなりません。

自民党の選挙公約批判を書こうと思い書き出しましたが、とても一度で書ける内容ではありません。今夜はこの辺でいったん休み、ほかの項目は、近日中に書くことにしましょう。

 

 

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