「クールベ美術館展 (A la Rencontre de Courbet)-故郷オルナンのクールベ 」を三鷹市美術ギャラリーで見る。ギュスターヴ・クールベ (Gustave Courbet)(1819-1877)の名前は知っていたが、どういう人なのかはほとんど知らない。去年、テレビ東京の「美の巨人たち」で紹介番組を見た程度である。写実に忠実で、権力に抵抗した、純粋でエネルギーに満ち溢れた人だったようだ。
実際に風景画を見てみると、感動が押し寄せるということはなく、むしろくすんだ色を多く使っているためか絵が薄暗く感じられ、何気なく通り過ぎてしまいそうなものがほとんどだった。ただ、入り口にあったデスマスク、石膏鋳造によるややふっくらとした彼の手、愛用のパイプ3点、さらに「オルナンの城 (Le Château d'Ornans)」、「ベラスケス風の男の肖像 (Portrait d'homme d'après Vélasquez)」、「シヨン城 (Le Château de Chillon)」とロベール・フェルニエ (Robert Fernier)作の「クールベへのオマージュ (Hommage à Courbet)」などは気に入ったのだろう。印象に残っている。
帰りに作品集を買ってきたが、本で見る方が楽しめるというのはどういうことだろうか。彼の生まれたスイス国境に近いオルナンという小さな町とそこを流れるルー川、そしてルー川沿いにある彼の生家 (La Maison natale de Courbet au bord de la Loue)を包む風景が何とも言えず美しい。彼の生家がクールベ美術館 (La Musée Courbet) となっているようだ。いずれこの街を訪れてみたいという欲求がどこかに生まれている。
>本で見る方が楽しめるというのはどういうことだろうか。
実は私も作品を見た時、写真で見る方がより「キレイ」に見えると思ってしまいました。
東郷青児美術館の「こんにちは、クールベ」は実物の方が見応えがありましたが…。
また訪問させていただきます。