我が家のお雛様は 大正末期のもの。昭和元年(大正15年)生まれの父の妹のために買った人形で 明治生まれの祖母が 戦火の中でも 大切に守ってきたものです。父の妹(叔母)は男の子が一人だけでしたので 姉と私の二人の女の子が生まれた父が 祖母にかわって大切にしてきました。叔母は42歳のときに5年生の一人息子を残し 病気で他界してしまい、父にとっては妹の形見の人形でもあるのです。
立派なものではないし 着物の色もすっかり褪せてしまったけれど 雛人形のお顔は 何十年の時を経ても 今もなお 優しく微笑んでくれ、我が家の家宝でもあります。
ひな祭りが終わって 毎年のように 娘たちが幸せな結婚をすることを夢見て(笑) 主人と一緒に丁寧に人形を片づけていると 古い木の箱に貼られた「三越」のラベルに初めて!!気づきました。(子供のころは父が、今は毎年ほとんど主人が出し入れをしてくれるので。)
遠い 遠い昔、祖父母にとって 3番目に生まれた子供が 初めての女の子だったことの喜びが伝わってくるようです。そしてその最愛の娘を 早くに亡くしてしまった祖母の悲しみは 娘にかわって孫たちのために毎年飾られた雛人形をみるたびに 娘の成長と孫の成長を重ねあわせていたのかもしれないと 今になって思うのです。
私も 二人の娘に恵まれ 祖母や父に代わって このお雛様をずっとずっと大切にしていきたい・・・。そして娘のどちらかがまた 次の世代へと大切に残して欲しいと願わずにいられません。
♪ あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花 ~♪
昨年の夏 柳川を訪れた時 柳川には、旧柳川藩時代から女の子が生まれると、初節句に、子どもの無事な成長を願ってひな壇の前に色とりどりの”さげもん”を飾るならわしがあることを知り、縁起のよい「鶴」「兎」「宝袋」「三番鼠」「這い人形」などを ちりめんなどで縫い上げた手作りの布細工と鮮やかな七色の糸で巻いた柳川地方伝統の大まりを下げ輪の中央に、小まりと縫いぐるみを交互に下げ輪につりさげた さげもんに 一目ぼれ♪してしまい 思わずひとつ買って帰ってきました。
娘たちには 雛人形を。 うちの犬の名前が「てまり」なので さげもんは わんこのために一年中(笑) ケージの上に飾っています。干支の押し絵の色紙は親戚の人が毎年作って送ってくれるのですが 今年はねずみとてまりだったのでこちらもさげもんと一緒に飾りました。。
伊豆の稲取にも おなじように 江戸時代から「つるし雛」 (雛のつるし飾り) の風習があるそうで 3月のはじめに、日帰りバスツアーで河津桜の鑑賞もかねて稲取にも訪れる予定だったのですが 都合ができて行かれなくて残念でした。 柳川は遠すぎて行かれないので 稲取を訪れて研究(?)して 未来の孫のために(笑)作ってみたいなあ。。。と思っています♪ こちらは江戸時代 雛人形を買えなかった庶民が手作りのひな飾りを作ったのがはじまりで 「猿」(厄が去る)「はまぐり」(貞節の象徴)「桃」(邪気や悪霊の退治)などがあり、 柳川より庶民的な雰囲気なようです。
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また 柳川のさげもん 稲取の雛のつるし飾りのほかにつるし雛の歴史的な資料が残っているのは 山形の酒田の傘福だけだそうで、今年2月に 稲取温泉では 第一回「日本三大つるし飾りサミット」が開催されたそうです。稲取温泉観光協会では昨年2月に事務局長さんを全国公募し 1000人の応募者の中から 東京都豊島区在住、NPO法人「全国まちづくりサポートセンター」事務局長の渡邊法子さんが選ばれたことも以前新聞で知りましたが 今年は旅行会社の春のツアーに 伊豆稲取のつるし雛鑑賞ツアーが目立ち ご活躍なさられておられるようで応援したいです。
************3月の庭の梅**************
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