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3DS『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』 シナリオクリア後のセカンドインプレッション

2014年01月04日 15時00分50秒 | 【旧】購入・レビュー話
今、新たな歴史が生まれた…。




ゼルダの伝説 神々のトライフォース2
対応ゲーム機 ―→ 3DS
発売日 ―→ 2013/12/26
希望小売価格 ―→ 4,800円(税込)
ジャンル ―→ アクションアドベンチャー
プレイ人数 ―→ 1人
すれちがい通信 ―→ 相手プレイヤーの分身と対戦
CERO ―→ A(全年齢対象)




■====== 簡単なご紹介 ======■

1991年にスーパーファミコンで発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の世界観を受け継ぐ、『ゼルダの伝説』シリーズ最新作です。
3Dグラフィックですが、カメラ視点は”あの頃”と同じく、ほぼ真上からの視点になっています。世界観は『神々のトライフォース』そのままですが、ダンジョンの中身や仕掛けは完全一新。高低差を活用した謎解きや、壁に潜って移動できる”壁画リンク”による謎解き。道具を”借りる”という概念など、新しい要素も取り入れられています。

今回は、もう1つの世界”ロウラル”についてと、すれちがい通信についてもう少し詳しく書いておきます。

|== もう1つの世界”ロウラル” ==|
物語の後半に登場する、ハイラル王国とはまた違う別の王国です。ハイラル王国に似ている部分が多いですが、ずいぶん殺伐としており、前作の”闇の世界”を彷彿(ほうふつ)とさせます。
ハイラルとロウラルを行き来するには、各所に出現した「まがまがしいスキマ」を、壁に潜った状態で通ります。
ロウラル王国は陸地が1つにつながっておらず、島々のような感じでバラバラになっているので、新しい地へ足を踏み入れるにはハイラルから移動してくる必要がありますよ。

|== すれちがいバトル ==|
すれちがい設定時、バトルに使用する装備を選択します。
装備したアイテムの数やアイテムの強さ、リンクの体力の多さに応じて、プレイヤーに付く”懸賞金”の金額が変動します。もちろん、強いほうが懸賞金も高いです。

すれちがいが発生すると、カカリコ村のとある場所にカンバンが立ちます。読むと「○○で待つ」と書いてあるので、そこに行くと”シャドウリンク”が待っています。話しかけることで、すれちがいバトルに挑戦できます。
挑戦前に見れるのは、相手の懸賞金のみで、体力・装備については見ることができません。もちろん、勝負は1回こっきりです。勝てば、懸賞金と同じ額のルピーがもらえます。
勝敗に関わらず、バトル後は体力が回復します。



■====== partygameの感想 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 購入価格 ―→ 3,894円(新品)
 プレイ内容 ―→ シナリオクリア&すれちがいバトルも数回ほど経験
 シナリオクリアまでにかかったプレイ時間の目安 ―→ ●●○○○
  ●○○○○ = 10時間未満
  ●●○○○ = 10~20時間
  ●●●○○ = 20~30時間
  ●●●●○ = 30~50時間
  ●●●●● = 50時間以上
 これまでのシリーズ作品 ―→ 前作にあたる『神々のトライフォース』も含め、ほぼ全ての『ゼルダの伝説』シリーズを遊んでいます。


◆=== 新たに感じたこと ===◆


○ ―→ 各所にあるミニゲーム系が、なかなかやり応えありそうです。
私の見かけた限りでは、コッコから逃げ続けるミニゲーム。バッティングゲーム。次々と出てくる敵を倒し続けるミニゲームとかがありました。
コッコのミニゲームは、クリアし続けると「エンドレスモード」が出てきますし、バッティングも一筋縄ではいかないですし、バトルミニゲームに至っては、5段階のレベルが用意されているんですが、もう3段階目のあたりからかなりの長期戦を覚悟しなければいけないので、攻略にかなり骨が折れそうです。


○ ―→ システム周りは、かなり洗練されています。
例えば、下画面に表示されている全体マップ。ワンタッチで、ハイラルとロウラルの地図を見比べることができるので、「まがまがしいスキマ」を使っての両世界の移動が、けっこう分かりやすかったです。
また、セーブポイントとなる風見鶏。おそらくなんですが、しばらくの間セーブしていないと、風見鶏がクルクルあわてふためいているのです。こんなの見せられたら、なんとなく調べちゃいますよね。調べたからには、せっかくなのでセーブしますよね。長いことセーブを忘れがちな人も多いですから、これは心理をうまく付いた表現だと思いました。
こういう細かな配慮の1つ1つがあるので、結果としてストレスを感じにくく、気持ちよく楽しめる作品になっています。


△ ―→ すれちがいバトルは、楽しいけど少し不安に感じることも。
すれちがった相手とのバトルは、思いのほか新鮮。ましてや、似たような能力の相手だと白熱します。
最初のうちは、序盤のプレイヤーと、すでにクリアしているプレイヤーとの差が大きかったりしますが、時間が経てば、たいてい強い人と出会えるようになるんじゃないかと思っています。

ただ、気になるのが2つ。
1つは、行動パターンが見えてきたらつまらなくなるかもしれない、ってことです。今、私は”風を起こすアイテム”で相手をひるませる→攻撃、の繰り返しが主な戦法で、これがたいていの相手に通用しちゃっているんです。装備している道具に応じて相手の攻撃方法は変わってきますけど、この戦法がずっと通用しちゃうとなると、いかがなものだろうか?って思っちゃいます。
なんかせめて、攻撃的に行くのか?守り重視にいくのか?そんな、大まかな行動パターンがすれちがいデータ作成時に選択できたら良かったかも?と思いました。

もう1つは、たいていの人がすれちがいデータを更新しそうにないことです。
カカリコ村のとある場所にいくことですれちがいバトル関連の設定ができるんですが、あまり興味がない人は忘れちゃうでしょう。あと、自分が相手とのすれちがいバトルを楽しむことだけ考えれば、すれちがいデータを更新する必要はないので、まだ序盤ですれちがいデータを作成→以後更新しない→ずっと弱いままってなって、実は強い人とは会いにくいのでは?と思ったのです。
まあ、これについてはもう少し時間が経ってみないと、何とも言えませんので。すれちがい通信を楽しみにしている相手のためにもぜひ、最強データに更新してあげてください。


△ ―→ 立体視OFFだと、謎解きで不利かも?
私は終始、立体視ONでプレイしていたので気にならなかったですが、今作では高低差を活かした謎解きが多いです。そして、何といってもほぼ真上からの視点ですからね。立体視OFFにしちゃうと、微妙な高さの違いが分かりにくくて「あれ?なんで通れないの?」とか「なんで当たらないの?」みたいなことになっちゃいます。
まあ、壁に潜っている時はカメラ視点が真横になる=高低差がハッキリ分かるので、それはすごくありがたいですけどね。そうはいっても、どこでも壁に潜れるわけではないことを考えると、やっぱりある程度不利になっちゃうのかな?と思いました。ボリュームはちょこっとでいいので、立体視ONで楽しんで欲しいです。


△ ―→ 謎解きもアクションも、もう少し手ごたえが欲しかったかも。
特に思ったのは、道具を使った謎解きですかね。
今回”道具を借りる”という概念を取りいれたわけですが、その影響もあってか、道具を使った謎解きが全て単純な気がしたのです。「ハンマーだけで攻略できるエリア」とか「フックショットだけで攻略できるエリア」とか。そういうのがほとんどなんですよね。コレとコレとコレを使って攻略するエリア、みたいな応用がほとんど無いってことです。
その証拠に。今回も何度か、私が多少なりとも詰まった謎解きがあったんですが、共通しているのが”壁に潜る”という新要素を使うということでした。新要素だけに、意外と忘れがちなんですよね~。逆にいうと、道具を使った謎解きには一切詰まっていないので、その点で少し物足りなかったのかもしれません。

あと、戦闘の難易度に関しては「手ごたえが欲しかった」というよりは「少し大味なバランス」なのかな~と思ったわけです。
特にそれを感じたのは、前作でも登場した「青い服」。ダメージを半減するこのアイテムが物語の後半で手に入るんですが、これが手に入るまではかなり苦労するのに、手に入った途端えらくラクになったな~って感じだったのです。
これまでは、攻略するダンジョンの順番が決まっていたので、たとえ特別な服が途中で手に入るとしても、それに合わせて今後の難易度を調整しやすかったものです。今回は、後半も攻略するダンジョンの順番に制約がほとんど無いので、攻略の順番によっては、ものすごく簡単に感じる人と、ものすごく苦労する人が出てくることになります。ちなみに私は、わりと早い段階で「青い服」が手に入っちゃったので、結果としてもう少し手ごたえが欲しいと感じることになりました。
とはいえ、シナリオクリア後には「ハードモード」が解禁されるので、より歯ごたえのあるバトルを楽しみたいのなら、こちらに挑戦してみてください。

謎解きにしても、アクションにしても、なんか結局は”道具を借りる”という新しい概念がもたらした違和感だったのかな~という感じでした。
別に悪いわけではありませんが、何といってもシリーズほぼ全て遊んでいる私なので。明確なメリットがないことには、変化を素直に喜べないというのが正直な気持ちでした。



■====== まとめ ======■
●●●●●●●●○○ … 8点(10点満点)


1990年代に多かった、親しみやすい感じの『ゼルダの伝説』シリーズを久々に楽しんだって感じがしました。
これは年末年始のおさらいの記事でも書きましたが、昨今『ゼルダの伝説』シリーズというと、3Dグラフィックによる本格的なアクションが主体です。あるいは、DS版だとタッチ操作オンリーにこだわったスタイルだったり、『スカイウォードソード』はWiiリモコンプラスの直感的な操作にこだわったりと、ひとクセあるものが多いです。
その挑戦精神ももちろん素晴らしいのですが、たまにはやっぱり”正統派だったあの頃のゼルダの伝説”を楽しんでみたいと思う人が多いのも事実。今作は、新要素や親切なサポートを取り入れつつも、そういった人の期待に応える作品だったのかな~と思いました。

世界観や曲、登場アイテムやストーリーの大まかな流れに至るまで、ニヤリとできるポイントは多々あるので、『神々のトライフォース』を覚えている人なら、どっぷりと懐かしさにひたれると思います。もちろん懐かしさだけでなく、壁に潜る要素・立体視を活かした高低差の謎解き・すれちがいバトルといった新要素もしっかり楽しめます。
ただ、しいて言うなら前作経験者は思いのほか「懐かしさ重視」になるので、新鮮さは少し薄いかもしれません。ま、新鮮さが欲しいのなら他の『ゼルダの伝説』シリーズを遊んでくださいってことで。むしろ逆に、『神々のトライフォース』未経験者のほうが、純粋に楽しめるのかも?と思ったりしました。

あとは、「ゼルダのアタリマエを見直す」べく取り入れられた新要素ですが、少なくとも今作においてのそれは、個人的にはあまり良い印象でなかったです。慣れ親しみすぎていることもあるんでしょうけど、どうしてもこう、メリットよりデメリットのほうを強く感じちゃったものですから。
Wii U版では「ゼルダのアタリマエを見直す」に、より本格的に着手していくことになると思いますが、考えに考えを重ねて、これまでとはまた明確に違う魅力を持った『ゼルダの伝説』を見せてほしいです。

万人向け ← ○○○●○○○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○○○○●○○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ○○○○●○○○○○ → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○●○○ → 達成感重視 


関連記事:
3DS『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』 ファーストインプレッション(2013/12/27)

その他のタイトルのインプレッション記事は、こちらからどうぞ
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