

『フォールアウト:ニューベガス』
対応ハード : PS3・Xbox360
開発・発売元 : ベセスダ・ソフトワークス
配信開始日 : 2010/11/04
配信価格 : 8,190円(税込)
ジャンル : ロールプレイング
プレイ人数 : 1人
CERO : Z(18歳以上のみ対象)
「取り込み」の容量 : 5.0GB
参考データ--------------------------
購入価格:6,522円(新品・Xbox360版)
プレイ時間:約6時間
進行度:ニューベガス地区に向かおうとしているあたり
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●荒涼としたベガスの世界で、あなたは何をしていたのか…?
今作は『フォールアウト3』の続編で、アメリカ南西部をモチーフにした世紀末の世界を描くロールプレイングゲームです。
自由度の高さと、一風変わった戦闘スタイルが特徴です。
◆あらすじ
不毛地帯と化した「ニューベガス」。
プレイヤーであるあなたは、ある重要な「何か」を運んでいました。
しかし、道中に謎の集団に襲われ、その「何か」が盗まれてしまいます。
謎の集団の正体として浮かび上がったのは、この世界を支配する3つの派閥(はばつ)。
一命を取り留めたあなたは、この世界をさ迷い、これからどうするかを選択しなければいけません。
どのような未来を選択するかは、あなた次第です。
●物語の流れ
グッドスプリングスという小さな村で目覚めるところから物語は始まります。
最初に、名前・主人公の顔を作成します。
その後、リハビリがてらに基本的な操作をしながら、パラメータの割り振りを行います。
これで、ゲーム開始となります。
基本的には、様々な会話や行動をしながらクエストとして表示される目的を次々と達成していくことになります。メインシナリオとは関係ないクエストが発生したりもしますし、自由に移動はできるので、寄り道をしたければいくらやってもかまいません。
基本、HPが0になるとゲームオーバーで、最後にセーブしたポイントから再開します。(それまでに入手したアイテム・経験値・たどり着いた場所の記録はなくなります)
◆会話と選択肢について
物語は基本、全てリアルタイムで進行しています。じっとしているだけでも、周りから雑談が聞こえてきたりします。
話しかければ会話をかわし、たびたび選択肢が表示されます。選択肢によって相手の心境は変化し、時には戦うことになる場合もあるかもしれません。
また、選択肢でたまに「speech 25」と表示されることがあり、これは、その選択肢を選択するには「speech」というパラメータがその数値だけ必要であることを示しています。
もし「speech」が足りない場合は、選択しても失敗してしまいます。「speech 10/25」(10=現在の数値)という風に表示され、選択アイコンが赤枠になります。
選択肢によって必要な数値が異なる場合もありますし、また、必要なパラメータが変わることもあります。
※ちなみに前作では「speech」のみが関係しており、選択肢には「成功率」が表示されていました。
●操作方法
※前作と同じです。
左スティック…移動
右スティック…視点移動
左スティックボタン…しゃがむ
Yボタン…ジャンプ
Aボタン…話す・調べる・取る
様々なものや、倒した敵などに視点を向けてAボタンを押せば、そのものをアイテムとして獲得したり、中身・持ち物を調べたりできます。
Bボタン…「Pip-boy 3000」を使う・しまう
いわゆるメニュー画面みたいなものだと思ってください。ステータス・アイテム・マップを見たり、使用や装備などができます。ちなみに、この画面を使っている間は、時は止まっています。HPが危なくなったら、落ち着いて「Pip-boy 3000」を開いてアイテムで回復しましょう。
また、「ファスト・トラベル」という機能があり、一度行ったことのある場所には、マップ画面で選択すると一瞬で移動することができます。(周辺に敵がいる間は使用不可)
ただ、見た目的に瞬間移動しているだけであって、実際には普通に移動するだけの(ゲーム内)時間が経過することになります。なので、遠くに瞬間移動したら、昼から夜になっていたりしますよ。
RTボタン…攻撃
LTボタン…防御・狙いを定める
Xボタン…リロード
Xボタン長押し…武器を収める
相手によっては、武器を収めることで戦闘状態を回避することができることもあるみたいです。私はできた試しがありませんが(笑)
方向パッド…装備の変更
「Pip-boy 3000」で武器や防具の一覧を見ている時に、RBボタンを押しながら方向パッドを押すと、装備品をセットすることができます。上下左右と斜め、全部で7つセットしておくことができ、以後は対応した方向に方向パッドを押すだけで、装備を素早く変更できます。
LBボタン…一人称視点・三人称視点の切り替え
やりやすいほうでどうぞ。
RBボタン…V.A.T.S.モード
「V.A.T.S.モード」とは、コマンド戦闘のように敵の部位を狙い撃ちできる、普通とはちょっと違う戦闘モードです。
普通は銃や鈍器を装備して、RTボタンで攻撃しまくってもいいんですが、この戦闘モードを利用すれば、簡単に、かつ正確に敵を攻撃できます。
「V.A.T.S.モード」を起動すると、時が止まります。まず右スティックで、視界内にいる、攻撃したい敵を選択します。
次に、左スティックで敵のどの部位を攻撃するかを選択します。攻撃したい部位を選択してLTボタンを押すと、「AP」というパラメータを消費して、その部位を攻撃する「予約」を行います。以後もAPがなくなるまで連続で予約できます。
そして、攻撃予約をした状態でAボタンを押すと、予約した順番通りに攻撃を実行してくれます。
もちろん、能力や敵との距離などによって命中率が異なってきます。
また、このゲームでは各キャラそれぞれに、本体のHPの他に、部位それぞれにHPがあります。
部位のHPを0にすればその部位を負傷したことになり、例えば、左手を負傷させれば左手で使用していた武器が使えなくなり、足を負傷させることができれば逃亡を防ぐことができる…といったことになります。部位によってダメージ量も変わってきます。命中率や状況と照らし合わせて、状況に応じてどこを狙うべきかをうまく判断しましょう。
「AP」がなくなるとV.A.T.S.モードは使用できませんが、APは時間とともに回復するので、ここぞという時に積極的に使っていきましょう。物陰に逃げてAPの回復を待つのも手です。
●パラメータについて
基本的には前作と同じなので、前作のインプレッションを参照ください。
一応、最重要である「カルマ」だけ紹介します。
◆カルマについて
「カルマ」とは、主人公が善人なのか悪人なのか?を示すもので、このパラメータによって、相手の態度や会話内容が変わってきます。様々な行動によって増減します。
穏やかに過ごしていきたいなら、善人を。盗みやピッキングなどスリリングな生活を味わいたいなら悪人を目指すといいでしょう。ただし、善人だと普通に利用できた街が、悪人扱いになると利用できなくなる…といったことがあるので、そういった点で不利になることは覚悟しましょう。
しかし、このゲームでは善人が必ずしも良いわけでもないので…どちらになるかは、あなたが自由に決めてください。
●新システムについて
長くなりすぎるので、前作にもあったシステムは前作のインプレッションで確認してくださいな。
今回は、新しいシステムのみ紹介します。
◆ハードコアモード
ゲーム開始時に選択できるもので、より厳しいルールが付く上級者向けのモードです。
途中で通常のモードに戻すことも出来ます。ハードコアモードのままでクリアすれば実績が解除されるので、腕に覚えがある人は目指してみてもいいんじゃないでしょうか?
ちなみに、ハードコアモードで追加されるルールは、知っている限りでは次の通りです。
・「満腹度」という概念が追加されます。食べ物を食べないままでいると、空腹になってゲームオーバーになります。
・「睡眠」という概念が追加されます。睡眠をとらずに活動し続けていると、睡眠不足でゲームオーバーになります。
・「水分補給」という概念が追加されます。何らかの水分を飲まずに活動し続けると、脱水状態でゲームオーバーになります。
・「ファスト・トラベル(瞬間移動)」を使用した時、「満腹度」「睡眠」「水分補給」が限界に達してゲームオーバーになると判断された場合は、瞬間移動ができません。
・普通は弾薬に重量がありませんが、ハードコアでは重量が付きます。持ち運びにより気配りが必要となります。
・「スティムパック」というアイテムは、普通は使用するとその瞬間にHPが回復しますが、ハードコアでは使用しても効果がすぐに現れなくなります。また、部位に重症を負った時は「スティムパック」で治療できましたが、ハードコアではそれができなくなります。(医者の治療、または「ドクターパック」という部位回復アイテムで治療可能です)
◆リサイクル・分解
各所に、武器を自分で生産できる場所があります。これは前作にもありましたが、今作ではさらに、弾薬のリサイクルや分解ができるようになりました。
例えば、使用済みになっていた弾薬を複数個使用して、また使える弾薬にするとか、弾薬を分解して他の弾薬を使う素材にするとかができます。
◆場所ごとの「立場」
先ほど、善悪を示すパラメータとして「カルマ」というものがあると言いましたが、今作ではそれに加えて、各場所での「立場」というのが概念として追加されています。
これは、人が住み付いている各場所で、プレイヤーがどう思われているか?を示すものです。「中立」「善処」「悪評」の3種類で表されます。普通は「中立」のままですが、その場所に対して良い事をすれば「善処」になり、悪いことをすれば「悪評」になります。
「善処」になると住人がサービスしてくれたりすることがある一方、「悪評」になれば対応が悪く、無条件で攻撃されたりもします。
◆ギャンブル
ブラックジャック・スロットマシーン・キャラバンなどのギャンブルゲームが遊べるようになりました。
キャラバンは各所にプレイヤーがいますが、ブラックジャック・スロットマシーンはどこで利用可能なのか?まだ不明です。
また、キャラバンもまだプレイはしていないので、ルールはまた次回に。
◆partygameの評価◆…93点(100点満点)
相変わらずの出来ですが、もう少し変化が欲しかったかも
○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点
○前作同様、魅力的な「空気」と「遊びやすさ」
荒廃した世界の圧倒的な「スケール感」。自由度が高く、くすぐられる「冒険心」。住民やゴロツキたちの「生活感」の表現。知らない廃墟に踏み込む「緊張感」など。前作で感じた魅力は、そのまま残っています。
一方で、常時表示されている「コンパス」や「Pip-boy 3000」で全体マップを見れば、行き先はすぐに分かりますし、「ファスト・トラベル」による瞬間移動、FPS苦手な人にも優しい戦闘システム「V.A.T.S.モード」など、親しみやすさも健在です。
改めて…心のそこから「やっぱ凄いわ」って思います。時間を忘れて没頭してしまいます。
あと、細かいことですが、前作は出生から始まったので自由に行動できるようになるまでそこそこ時間がかかりましたが、今作はわりとすぐに自由行動できるようになりますし、攻撃などのチュートリアルをスキップすることも出来ます。
前作経験者にはありがたいです。未経験者には説明が足りているかどうかちょっと不安ですが…。
△前作とそこまで変化なし
魅力的なことは1つ上で評価した通りですが、逆にいってしまえば、実のところあまり変わっていることがありません。もちろんマップは違いますが、システム的には違いがなく…良く言えば、前作と全く同じ感覚で楽しめるとも言えますし、悪く言えば、フルプライスで買った割にはそんなに変わりないとも言えます。
ただ、あまり変化がないのが悪い印象であれば、「ハードコアモード」を試してみるといいのかもしれません。様々な制約が追加されるので、前作とはまた違う、よりサバイバルな感覚を楽しめることと思います。
×なんか、前作より「めり込み」が多くなったような…
悪い意味で洋ゲーらしいところですが、敵が壁にめり込んでしまうことが何回かありました。めり込んだ敵には、攻撃が当たりません。
強制的に出てこれた敵もいましたが、永遠に出てこない敵もいて…しかも、その敵がクエストで倒さないといけない敵だったりすると、さすがにちょっと腹立たしかったです。
この場合は、近辺の施設に一旦入ってから出てくれば、敵が再配置されるので、めり込みが解消されます。
私は、これほどのバグがあっても「別にいいや」って思えるくらいこの作品に魅力を感じていますが…普通に考えればあり得ないことなので、この点はもっと厳しくチェックして欲しかったです。
前作同様「自由度が高いのに遊びやすい」という、日本人にもオススメしやすい洋ゲーに仕上がっています。改めて、私の中でのFPSの固定観念を覆してくれる、素晴らしい作品だと思います。
ただし、洋ゲーなので人物の顔立ちはアレですし、Z指定なのでグロとか虫とか色々と出てくるので、その点はご注意ください。それが何とかなる人なら、大抵の人には楽しんでいただけるハズです。
シナリオクリア後、セカンドインプレッションを書きます。
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