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パントリー・バレエ
「松尾の箱」管理人の、BLにまつわるあれこれ
現在は気が向いたときに更新

猛者

2008-11-15 16:35:05 | コラム
BL仲間は何人かいるが、それぞれに好みがちがう。

例えばカップリングでいえば、
依田沙江美さんの 『チョコレート・キス』 の中で、
わたしが好きなのは油野と伸哉。
しかし、ある友人は倉田と天野。

菅野彰さんの 『毎日晴天!』 の中では、
わたしはメガネの次男。ある友人は長男カップル。

五條瑛さんの作品では、ある友人はサーシャと亮司。
わたしは非BL作品なので該当なし。

―― というように好みがちがうわけだが、
「作品のエ口度」 にも好みのちがいがある。

かつてわたしは友人たちに、
わたしが愛する宗一にーちゃんが出てくる
『恋する暴君』 (高永ひなこ 著) を強くプッシュしたことがあるが、
友人のひとり (仮にYとする) は食いつきが悪かった。

そのことを、応用の達人・友人Aと話したときのこと。

わたし : 「 『恋する暴君』 は、Yの好みにはあわなかった
      みたいだね」

友人A : 「わたしは好きだけどな。何がダメだったんだろ?」

わたし : 「そういや、『LOVE MODE』 (志水ゆき 著) を貸したときも、
      反応がイマイチだったなあ」

友人A : 「そうだったんだ」

わたし : 「やっぱ、エ口目なのがよくないのかな?
      高永作品にしては、『恋する暴君』 はけっこう
      エ口度高いし」

友人A : 「あー、確かに 『LOVE MODE』 もエ口高めだよね。
      そういやYは、そんなにエ口がない作品の方が好きかも」

わたし : 「ふーん。そっか、なるほどね。
      あ、そうだ、以前わたしがあげた光○書房から出てる
      明治カナ子のマンガ、Yに貸した?」

友人A : 「貸せないよ! Yにあんなの (汗)」

そうか。では次回からは、作品におけるエ口度の高低も含めて
おすすめするか。

というわけで、現在友人たちとの間で交わされる
おすすめBL本メールには、

「××さんの 『◎◎』 って作品、おすすめ。リーマンもの。
 エ口高め。ちょっと古い作品だから、ブコフに105円で
 出てると思う。おぼえてたら試しに読んでみて」

とか、

「△△さんの 『■■』、なかなかいいよ! 高校生もの。
 5巻まで出てる。エ口低め」

とか、

「☆☆って作家さん、けっこういいね。 『▽▽』って作品は
 おどろきのエ口なし! よく編集さんが許したなーと驚いたけど、
 エ口なしでも十分おもしろいよ」

というように、必ずエ口度も示すことになっている。
友人Yも、本屋でBL本を物色する時のよい目安になっているだろう。

これとはまた別の好みのちがいとして、「メディアの種類」 がある。

たとえばわたしはBLはマンガと小説だけで、
ドラマCDは聞かないし、BLゲームはやらないし、
アニメや映画は見ない。

だって、そんな、えぇえー?
実在の役者さんが演じてんでしょ?
なんだかおそろしくて、聞けないし、見られません ……
(貴様はどこの乙女だ! というツッコミは不要)

しかし、かの友人Yはアニメも映画も見る。

友人Y : 「純情口マンチカのアニメ、よかったよ。松尾も見なよー」

ええっ!?
あんた、純情口マンチカ、見たの?

だってあれ、マンガで読んだけど、
内容は〇〇〇ばっかっていうか、ほとんど〇〇〇っつか、
〇〇〇しかないじゃんっ!
(※ あえて伏字)

お前はエ口が好きなのか、キライなのか、どっちだーっ!?

文字と絵だけのマンガや小説では、
「エ口はそれほど ……」 とかいうくせに、
リアル男性ボイスのあんな声やこんな声や、
動画もまったくOKな友人Y。

実はBL仲間のうちで、
友人Yが一番のBL猛者 (もさ) なのかもしれない。

リサイクル

2008-11-01 00:06:09 | コラム
わたしは大学卒業後に実家を出てひとり暮らしをはじめ、
現在もひとり暮らしである。

ひとり暮らしの何がいいかって、
他人の目を気にせず暮らせること。

マンガだろうが小説だろうが、BL本がそこら中に
散乱していても、没問題なのだ。

特にうちの親はマンガを読むので (リボンの騎士世代)、
実家にいる頃はうっかりそこらへんに
BLマンガを出しっぱなしにしておく、
なんてことは絶対できなかった。

ビバ、ひとり暮らし!
自由だぜっ!

しかし、BL仲間の中には、現在も親と一緒に実家で
暮らしているヤツもいる。

わたしにも経験あるが、実家住まいで困るのは、
人目につかぬようBL本をかくしておくこともそうだが、
読み終わったBL本をどうやって処分するかだ。

そんな話を友人X、それに前回も出てきた応用の達人・友人Aの
3人で話していた時のこと。

友人X : 「松尾、実家にいる頃は、BL本をどうやって捨ててた?」
わたし : 「えー、どうしてたかなあ」

実家にいたのはずいぶん昔の話なので、
はっきりとは思い出せないが、
中学・高校生くらいの頃は本を解体して、
燃えるゴミに混ぜてなんとか捨てていたと思う。

大学生になってからは、大学のゴミ捨て場に自分の運転する
車で運んでって捨ててたんじゃないかな。

わたし : 「古本屋に売ったりとか、しないの?」
友人X : 「しない。万が一、その現場を知り合いや会社の
      同僚に見られたりしたらどうしようと思うと、
      こわくてできないよ」

ちなみに、友人Xの住まいは田舎。
選べるほど古本屋の数はない。

宅配で引き取ってもらって売る方法は、
「もし、イー○ックオフや古○市場に知り合いがいたりしたら!」
と思うとできないそうな。

まあ、確かに個人情報の流出は、なるべくおさえたいよね。
(よって、オークションで売りさばくのも不可)

それに、コミックスはどうにか売れたとしても、
雑誌は宅配で引き取ってもらえないだろうしなあ。

わたし : 「夜中にゴミ捨て場に捨てに行くとかは?」
友人X : 「それもできないのよ」

なぜなら、
友人Xの家 (一軒家) の周辺では、
ゴミ集積所というものが設けられておらず、
ゴミは各家庭の玄関前に出す、という決まりなのだそうな。

なので、BL本を捨てるにも、
自宅の玄関前に資源ゴミとして置かなければならない。

もちろん、何の本かはわからないように工夫して、
その後に厳重にヒモでくくって捨てることになるが、しかし、
親に「玄関に雑誌が捨ててあったけど、何の雑誌を捨てたの?」と
もし訊かれでもしたら、言葉に詰まることなく、
すらすらと上手に答えることができるかどうか。

また、家人が何かのきまぐれで、その雑誌を他の資源ゴミと
一緒にまとめて捨てるために、ヒモをほどく可能性だって
ないわけではない。

それに、近所の人が「あ、雑誌が捨ててある。もらって帰ろう」と
持ち帰る可能性だってある。
そして持ち帰った先でその本の内容を知り、
「ああ、あそこの娘さん、こういう本を読むんだ」と
思われるかもしれない。

うーむ、そんな可能性がある中で、読み終わったBL本を
自宅の玄関前に資源ゴミとして置くのは、かなり危険だ。

わたし : 「いまはどうしてるの?」
友人X : 「ちょっとずつ家から持ち出して、あちこちの
      外のゴミ箱に捨てたりしてる」

苦労してるんだねえ (もらい泣き)。

友人X : 「ひとり暮らしだと、ゴミを捨てるのにも
      そんなに気をつかわなくていいんだよね?
      それはいいなあ」

そんなことを言われて、はたと気がついた。

わたし : 「そういやわたし、雑誌でもコミックスでも、
      BL本をここ何年も自分でゴミとして捨てたこと、
      ないなあ」
友人X : 「え? じゃあ、どうしてるの?」
わたし : 「こいつんちに持ってっちゃってる (友人Aを指す)」
友人A : 「うん、そう。松尾、読み終わったBL本は、
      なんでもうちに持ってくるよね」

友人Aも実家住まいだが、実家は大きなマンションなので、
資源ゴミの場合、どのゴミがどの家のゴミかは
わからないように捨てることができて、
たいへん便利なのだ。

しかも友人Aの親はマンガを読まず、
さらに娘の魔窟のような部屋には足を踏み入れないので、
BL本があることがバレる心配もない。

わたしの方も、ひとり暮らしでもそれなりに
ゴミ出しには気をつかってめんどくさいので、
ある程度量がたまると車でまとめて友人Aの家に持っていき、
そこで処理してもらっているのである。
持っていけば、友人Aも読むし (そしてさらにBLの知識が深まる)。

友人X : 「そうだったんだ!」
友人A : 「おかげでいろんなBL本を読んでるよ」
友人X : 「Aちゃん、お願い! これからはわたしの
      BL本も引き取ってっ!」

―― こうしてこれ以降、友人XのBL本処分に関する悩みは解消した。

その後、友人Aに 「ふたり分のゴミ捨て、たいへんじゃない?」 と
訊いたことがある。

友人Aは 「別にたいへんじゃないよ」 と答え、そしてこう続けた。

「たださあ、わたしがゴミを捨てに行ってしばらくすると、
 必ずそのゴミ、なくなってるんだ。
 一時間もしないうちになくなってることもあってさ。
 業者じゃなくて、きっとマンションに住んでる誰かが拾って
 いるんだと思うんだよね。
 表紙とかは特に隠さず捨ててるから、捨ててあるのが
 ふつうの少女マンガやレディコミじゃなく、
 BL本ってことは見ればわかるはずなんだけど」

わたし : 「じゃあ、BL本ってことをわかってて拾ってるわけか」
友人A : 「きっと読んでるね」
わたし : 「うん、読んでるね」

友人Aが捨てたのではないBL本が、資源ゴミとして
マンションのゴミ捨て場に出ていることもあるという。
友人Aのマンションには、どうやら友人A以外にも
BL読者がいるらしい。

わたしや友人Xが読み終わったBL本は、まずは友人Aの家へ。
そしてそれらの本は、さらに見知らぬBL読者の元へ。

リサイクルだなあ。これってエコ?

バカバカしくも、そんなことを考えてみる。